• 2015年01月18日 ロイヤル・アカデミー展 アフターヌーンティーを体験!

    「ロイヤル・アカデミー展」、連日多くのお客様に来ていただき、ありがとうございます。

    前回、前々回と、作品についての充実したブログが続いておりますが・・・すみません、今回はグルメレポートです。

    みなさん、当館の観覧券で、近隣店舗で各種サービスが受けられるのはご存知ですか?

    当館では、近隣の飲食店様を中心に、展覧会の半券により、各種割引、サービスの実施をお願いしています。

    今回はその中でも「展覧会協力メニュー」として「アフタヌーンティー」をご紹介させていただいている「静岡グランドホテル中島屋」に行ってきました。

    DSC_0032  nakazimaya.JPG

    場所は美術館から5分。

    静岡の中心市街地に位置し、観光などには最適の立地です。

    さて、それでは早速「アフタヌーンティー」を注文してみます。

    DSCN2971.JPG

    豪華ですね!これで2人前だそうです。

    内容をご紹介します。

    [上段] サンドイッチ

         (ハム、トマト、ルッコラ)

         →これ、個人的に非常に好みの味でした!

    [中段] ケーキ盛り合わせ

         (チョコレートケーキ、アイスチョコレートケーキ、ラズベリーソースのプチケーキ)

         →「食べたら太る・・・」という思いは忘れて楽しみました。

    [下段] パンケーキとフルーツの盛り合わせ

         (パンケーキの生クリーム添え、イチゴ、ピンクグレープフルーツ)

         →パンケーキに生クリームって、黄金コンビですよね・・・。

    これに、紅茶(2人前)が付きます。

     

    この時は4人で食べに行きましたので、他の2人はドリンクを注文し、一緒にシェアして食べました。

    内容を見てお分かりかもしれませんが、サンドイッチ、ケーキ、フルーツと、非常にボリュームのあるメニューになっています。それぞれが美味しいのはもちろんですが、メニューが多様なため、味に飽きることなく最後まで楽しむことができました。

    また、食べ終わって気づいたのですが、様々なものを時間をかけて食べるので、何だかいつもよりじっくり仲間と話しながら、リラックスした時間を持てたような気がします。

    美術の楽しみ方は十人十色ですが、展覧会を見終わったあと、自分のお気に入りの作品について、または友人の気になった作品について話し合い、想いを巡らすことも、美術が生む楽しい時間のひとつだと思います。

    アフタヌーンティーは、そうした時間を過ごすのにぴったりのメニューだと思います。

    オススメです。

    アフタヌーンティーは、本展の半券をご持参いただければ、10%OFFとなります。

    皆さま、この機会にぜひお楽しみください!

    (R.A)

  • 2015年01月12日 1月生まれのアカデミー会員たち③

    こんにちは。
    静岡市美術館で好評開催中の「ロイヤル・アカデミー展」
    残すところあと約2週間となりました。
    まだ、ご覧になっていない方、お見逃しなく!

    さて、1月生まれのアカデミー会員を紹介するコーナーも、
    3回目となりました。

    今日12日に誕生日を迎えるのは、
    ジョン・シンガー・サージェント(1856-1925)です。

    彼の人生はまさに「コスモポリタン」。
    アメリカ人の医者の息子として生まれますが、
    生地はイタリアのフィレンツェ。
    少年時代もイタリアで過ごしました。

    その後、18歳の時にパリに出て、
    エコール・デ・ボザールにも学び、
    1877年からサロン(官展)に作品を出品し始めます。

    彼は上流階級の人々を描いた肖像画で知られています。
    特に、サロンにも出品された《マダムX》(1884年、アメリカ・メトリポリタン美術館蔵)
    という作品が有名です。タイトルでは本名は伏せられているものの、
    実在した銀行家の妻をモデルにしたといわれており、
    あまりにも官能的に描きすぎる、として、当時のパリで一大スキャンダルとなりました。

    その後、彼はスキャンダルを逃れるかのようにパリを離れ、1885年29歳の時にロンドンに移り、そこに居を構えます。

    ロイヤル・アカデミーの年次展覧会には、パリにいた1882年から出品していましたが、
    一方でロンドンに移ってからの彼は、若い画家たちによって組織され、
    一時はアカデミーを脅かす存在にもなった《ニュー・イングリッシュ・アート・クラブ》にも参加しており、なかなか精力的に活動していたようです。
    その後、1894年にアカデミーの准会員、1897年に正会員になりました。

    また彼は、若い時から広くヨーロッパを旅行していて、
    ロンドンに移り住んでからも、様々な国に出かけています。

    今回、「ロイヤル・アカデミー展」に出品されている2点は、
    いずれもイタリアへ旅行した時のもの。

    まずはこちら↓。

    室内ヴェネツィア.jpg
    1899年に制作され、翌年「ディプロマ作品」としてアカデミーに提出された《室内、ヴェネツィア》
    という作品です。

    ヴェネツィアの運河に面して建つ「パラッツォ・バルバロ」という実在する建物の内部が
    舞台となっています。

    画面右手前には、当時この建物に住んでいた、
    アメリカ人のカーティス夫妻が描かれています。
    夫妻は社交界の名士として知られ、
    芸術家や作家をしばしば自邸に招待してもてなしており、
    サージェントは1899年の夏にここを訪れています。

    画面左には、カーティス夫妻の息子夫婦が描かれていて、
    室内も、大きな筆致ではありますが、
    上流階級が暮らすにふさわしい、壮麗な装飾が目を引きます。

    サージェントは、最初はこの作品をカーティス夫妻にプレゼントするために描いたそうですが、
    奥様から「自分が老けて見える」と言われて、受け取りを拒否されてしまったんだとか。
    いつまでも若く美しくありたい、という女性の願望はいつの時代も同じですね。

    さて、もう1つ本展に出品されているのは、
    1910年に制作された《庭の女性たち、トッレガッリ城》という作品です↓。

    トッレガッリ.jpg
    こちらはオペラの作曲で名高いプッチーニの生まれ故郷でもある、トスカーナ州のルッカという町の近くにあった、「トッレガッリ」という豪華な建物の中庭を描いています。

    サージェントは、1910年に、友人たちと一緒にここに滞在していました。
    画面左に3人の女性たちが描かれていますが、いずれも友人の妻がモデルをつとめていたといわれています。
    幾何学的なイタリア式庭園が、「ロッジア」という、イタリアの建築に多い、屋根付きの柱廊の向うに
    広がっていて、富裕層の優雅な休日の一コマを垣間見ているような作品です。

    先ほどの《室内、ヴェネツィア》とは対照的な、印象派を思わせる明るい色彩が特徴ですが、
    実際、彼はモネとも親交があったそうです。

    19世紀末頃からフランスで学んでいた画家たちがイギリスへ戻ってくると、
    バルビゾン派や印象派の影響がアカデミーの画家たちの作品にも表れてくるようになります。

    サージェントの作品からは、そうした新しい時代のアカデミーの空気を感じることができます。
    展示室ではいずれの作品も、第4章に展示しています。
    是非ご覧ください。

    (K.O.)

  • 2015年01月09日 1月生まれのアカデミー会員たち②

    昨日から始まりました「1月生まれのアカデミー会員たち」のコーナー。
    早くも2人目の紹介です。

    今日1月9日に誕生日を迎えるのは、ウィリアム・パウエル・フリス(1819-1909)です。
    アマチュア画家の息子として生まれ、アカデミー・スクールに学びました。

    初めて名前を聞く方も多いかと思いますが、
    同時代の都市に生きる人々を主題にした作品を多く描き、19世紀イギリスで人気を集めた画家です。

    特に、1856年~1858年に彼が描いた、
    ロンドンの南にあるエプソム競馬場で行われた大レース「ダービー」に集う人々を主題とした作品《ダービー・デイ》(現在はテイト美術館所蔵<←クリックするとテイト美術館の作品紹介ページにジャンプします。>)は大評判となり、1858年にロイヤル・アカデミーでこの作品が展示されると、一目みようと集まった人たちで展示室がいっぱいになり、作品を守るために柵が設けられたほどの人気だったとか。

    今回のロイヤル・アカデミー展でのフリスの作品はこちら↓。

    眠るモデル.jpg

    彼がアカデミー正会員になった年、1853年に描かれた《眠るモデル》という作品です。

    舞台は、フリスのアトリエ。
    田舎に暮らす笑顔の素敵な若い女性を描くため、
    モデルに雇ったのは街角でオレンジ売りをしていた女性でした。
    女性の下にはオレンジの入った籠も見えます。

    当時、モデルという職業は、道徳的に好ましくないと思われていたこともあって、
    なかなか彼女は引き受けてくれなかったようです。
    一生懸命説得して、やっとポーズをとってもらえたのですが、
    プロのモデルではなかったこの女性、疲れていたのか、
    途中で寝てしまいました。

    画面右側で絵を描いている男性がフリス本人ですが、
    彼の顔を見ると、どこか困惑している様子がうかがえます。
    女性の後ろには、中世の鎧とマネキンの人形が描かれていますが、
    鎧にクタッとよりかかるようにして置かれているマネキンは、
    眠る女性のポーズに連なっているようにも見えますね。

    フリスの溜息も聞こえてきそうなこの作品は、
    展覧会の第2章に展示されています。
    是非ご覧ください。

    (K.O)

  • 2015年01月08日 1月生まれのアカデミー会員たち①

    現在好評開催中のロイヤル・アカデミー展。
    700人を超える歴代のアカデミー会員たちの中から、
    今回は18世紀~20世紀初頭に活躍した、59名を紹介しています。

    ターナー、カンスタブル、ミレイ等イギリス美術を代表する画家たちはもちろん、
    これまで紹介されることの少なかった会員たちもたくさんいます。
    このブログで、そうした知られざる作家たちも含め
    今回作品が出品されている会員たちについて毎日発信していきたいのですが、
    さすがに、展覧会終了までは全員紹介しきれません!

    ということで、
    今日から本展に作品が出品されている、1月生まれのアカデミー会員たちを、誕生日祝いも兼ねて、
    出品作品とともに、これからご紹介していきたいと思います。
    (12月生まれは、誕生日が追えた作家たちの中には残念ながらおりませんでした。。。)
    さて、トップバッターは、本日1月8日に生まれた、ローレンス・アルマ=タデマ。

    本展で出品されているのはこちらの作品↓

    アルマタデマ.jpg
    タイトルは、
    《神殿への道》。1882年の作です。

    アルマ=タデマ、なんか舌をかんでしまいそうですが、これが苗字。
    イギリスではなく、オランダの出身です。

    最初は法律や音楽の勉強をしていたようですが、
    16歳の時にベルギー・アントワープの美術学校に入学します。
    この時に知り合った考古学者がアルマ=タデマに影響を与え、
    彼は古代世界に強く惹かれるようになっていきました。

    イギリスに渡ったのは1870年、34歳の時。
    普仏戦争の混乱から逃れるためだったと言われています。
    その後イギリス人女性と結婚し、1873年にはイギリスの国籍を取得しました。
    1879年にロイヤル・アカデミーの正会員に選ばれています。

    アルマ=タデマの作品の特徴は、古代世界の綿密な再現です。
    今回出品されている《神殿への道》を見てもわかるように、
    建物はもちろん、人物の衣服や装飾品の細部、
    そしてその素材の質感に至るまでが、本物そっくりに描かれています。
    《神殿への道》は、酒の神ディオニュソス(バッコス)へ捧げられた祭礼である、
    「バッカーナーリア」の様子を描いています。
    実際はかなりの大騒ぎなお祭りだったようですが、
    ここではまだ始まったばかりなのか、画面後方を見ると、
    手にタンバリンのような楽器を持ってはいるものの、
    派手に打ち鳴らしたりはせず、
    しずしずと、神殿に入っていく巫女たちの様子が描かれています。

    画面中央右、神殿の入口には赤毛の女性が腰かけ、
    見ている私たちに、神への捧げ物を買うよう勧めているような仕草をしています。
    彼女の両側にはたくさんの小像や壺が置かれており、
    細かい部分まで丁寧に再現されています。
    女性の下にある動物の毛皮の敷物や、神殿の床の大理石の質感表現も見事ですね。

    アルマ=タデマのこうした古典古代に取材した作品は、
    19世紀末のイギリスで人気を集めました。
    晩年は作品のマンネリ化が指摘されたり、
    印象派などの新しい流れに押されていたようですが、
    古代の日常風景の忠実な再現には注目です。
    是非展示室で実物をご覧ください!

    (K.O)

  • 2015年01月06日 羊の群れはどこにいる・・・?

    DSC_royal_sheep.JPGこんにちは。
    早いもので、年が明けてもう7日ですね。
    お正月は連日たくさんの方に美術館にお越しいただきました。

    展覧会は25日まで、まだご覧いただいていない方、
    是非みなさまお越しください!

    さて、2日のブログに掲載したこちらの画像、
    展覧会にいらした方、どの作品の一部かわかりましたでしょうか?

    正解は、
    ジョージ・ヴィカット・コウルの《秋の朝》という
    作品の一部です。

    ↓全図はこちら。
    秋の朝.jpg左下に羊たちがいて、
    草を食むもの、木陰で休息をするもの、
    なんだかほっこり和む光景です。

    羊たちがいるのは、丘の上なのでしょうか。画面右奥のほうへ、傾斜のある草原がひろがっています。その先の木々の上には朝もやがかかっていて、幻想的な雰囲気です。

    羊たちのいる丘の左下には小さな町があり、
    教会のような建物の塔や、煙突のある家の屋根が見えています。
    煙突からは煙が上がっており、
    暖炉がたかれているか、
    朝食の準備が始まっているのでしょう。

    この作品は、
    ロンドンの南にあるアビンジャーという町にあった、
    作者のコウルの友人の家の庭からの眺めなのだそうです。
    何気ないイギリスの田舎の風景を描いたものではありますが、
    細部を見ているといろいろ想像をめぐらすことができる作品です。

    作品が描かれた19世紀当時、
    イギリスでは産業革命による工業化で、
    ロンドンを始めとする大都市には、
    地方からたくさんの人が労働者として入っていました。
    朝家を出て、夕方まで働き、そして家へ帰るという機械的な日々の繰り返し。
    道路にはひっきりなしに馬車が行きかい、たくさんの人々。
    空気も相当悪かったでしょう。
    そうした日々環境の悪化する都会に住むひとたちにとって、
    こうした郊外の美しい田園風景を描いた作品は、
    心をホッとさせるものとして、大変人気があったそうです。
    いわば「癒し」の効果があったのでしょうね。
    確かに今でもこの作品を見ていると、
    和やかな気持ちになります。

    お正月疲れが出始める時期ではありますが、
    皆様も美術館でホッと一息いれませんか?

    ご来館お待ちしております。

    (K.O)

  • 2015年01月02日 あけましておめでとうございます

    DSC_royal_sheep.JPG

    あけましておめでとうございます。
    2015年も静岡市美術館をどうぞよろしくお願いいたします。

    美術館は本日2日より開館しております!
    静岡駅から地下道経由で徒歩3分、お買いものの帰りに、新幹線に乗り込む前に、
    是非お越しください!

    ただいま、美術館では「ロイヤル・アカデミー展」を開催中です。
    イギリス・ロンドンにある「ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ」の所蔵品から選りすぐられた約100点を展示、ターナー、カンスタブル、ミレイ、ウォーターハウス、サージェント等、イギリス美術史を代表する画家たちがずらりと並びます。

    さて、2015年の干支は「ひつじ」ですが、
    上にあげた画像は、本展に出品されている、ある作品の一部を拡大したものです。
    これからご覧いただく方、
    どの作品の中にこの部分があるか、是非美術館にきてさがしてみてくださいね!
    (正解は後日このブログにて発表します。)

    ご来館お待ちしています!

    (K.O)