ロゴについて

ロゴマーク
ロゴタイプ

静岡市美術館のロゴマークは、静岡、そして日本を象徴する富士山をモチーフにしています。重ねられた2つの円には、美術館を中心とした人の輪の広がりと、地域と世界を結ぶイメージが表わされています。また、視点と奥行きの変化によって見え方が変わる“視ることの楽しさ”にも気付かせてくれます。
デザインは、大手企業から身近な保育園のブランディングまで、幅広く活躍中のアートディレクター・柿木原政広氏が手掛けました。このロゴマークとともに、静岡市美術館が多くの方に親しんで頂けることを願っています。

■案内サインは市民の手づくりです

モザイクタイルでできた館内の案内サインは、ワークショップに参加した親子など約80人の手によるものです。
市民に開かれ、末永く愛される美術館となるようにとの願いが込められています。

■ロゴデザインについて

静岡は、気候も人も、なんだか穏やかな気がします。そんな場に新しくできる美術館のシンボルマークやサインは、親しみやすくいろんな人の気持ちが積もっていくものであることが大切ではないか、と考えました。
最初にイメージしたのは、様々な人がつながる場としての円の重なりです。美術館という円は、まず、静岡の人が暮らす「地域」という円と重ならなくてはなりません。人と人を繋ぐ場として美術館が機能すること。子供たちがワークショップに集ったり、アートボランティアの活動の拠点となったり。市の美術館として重要な使命です。そしてさらに、美術館という円は、もっと広い「世界」という円ともつながります。国内外を通じて価値ある作品を見いだし、展示し、発信し続けることで、「地域」と「世界」が「美術館」を通じてつながっていくのではないか、と思うのです。
そして、富士山!静岡の人は、富士山を見上げるだけでなく、富士山から自分たちの住んでいる町を見下ろす、ということがイメージしやすい贅沢な環境のなかに暮らしているのではないか、と思いました。いろんな視点から、いろんな物事を新鮮な目で見つめること。美術館という場は、そうした様々な視点に気づかせてくれたり、教えてくれたりする場でもあります。
富士山にも見えたり、コップにも見えたりするようなロゴマークは、上から見下ろしているようにも、下から見上げているようにも見えます。「あれっ?これってこういうふうにも見えるんじゃないか」という多様な視点を、多くの人が発見できる場になれば、という思いをこめました。
こうして言葉にすることは、実は簡単です。理想論ではなく、具体的にアイデアを磨き、実行する。このシンボルマークが、そのためのなんらかの助けになってくれれば幸せです。

アートディレクター柿木原政広

柿木原政広(かきのきはら・まさひろ)アートディレクター。1970年広島県生まれ。デザイン広告会社ドラフトを経て2007年8月に株式会社10<テン>(www.10inc.jp)を設立。主な代表作にsingingAEON、まいにちAEON CARD、映画「トニー滝谷」「パトリスルコントのドゴラ」のアートディレクション、富士中央幼稚園のCI、美術館の展覧会ポスターなど。著作に『グラフィックデザインの入口』、福音館の絵本『とまとさんのあかいふく』。最近の仕事では東京国際映画祭のメインビジュアルとトロフィー、NHK「子どもサポートネット」のアートディレション、松竹芸能株式会社のCI、カードゲームRocca(www.rocca-game.jp)などを手がける。2003年日本グラフィックデザイナーズ協会新人賞受賞。2007年森美術館の「日本美術が笑う」でADC賞受賞。



開館5周年記念ロゴマーク(2015-2016)

ロゴマークを富士山に見立て、5年という歳月を重ねてみます。
そうすると、"5"はまるで登山の軌跡のよう!
山の裾野を一周し、斜めに登って、山頂を横切った跡。
美術館の歩みを表しました。

開館10周年記念ロゴマーク(2020-2021)

10周年のロゴは、全体を斜体にすることでスピード感を出しています。
これまでの歩みを引き継ぎ、時代の変化を見据えながら進む美術館の姿をイメージしています。