-
2024年09月14日 物質としての写真の魅力
写真が誕生したのは今から約180年前のことですが、本展では19世紀末から今日に至るまでの約1世紀にわたる写真表現の変遷を辿ります。
芸術としての写真の確立に努め、写真のモダニズムを切り拓いたアメリカのアルフレッド・スティーグリッツ(1864-1946)、スナップショットの名手・フランスのアンリ・カルティエ=ブレッソン(1908-2004)、報道写真の分野で活躍したロバート・キャパ(1913-1954)やW・ユージン・スミス(1918-1978)など、写真界の巨匠たち68作家の代表作を6つのセクションに分けて紹介します。
近代写真史のダイジェスト版のような本展は、写真愛好家や歴史に関心がある方はもちろん、初めて写真に触れる方にもおすすめの内容となっています。
出品作の大多数は京都国立近代美術館のコレクションによるもので、そこに東京国立近代美術館、国立国際美術館からの作品を加えた約180点を紹介します。
京都国立近代美術館は、日本の美術館のなかでも先がけて写真というメディアを取り扱ってきた美術館です。
アメリカのアーノルド&テミー・ギルバート夫妻が約20年にわたって収集した世界屈指の写真コレクション「ギルバート・コレクション」が京セラ株式会社によって購入され、京都国立近代美術館に寄贈されたのは1986年のことでした。現在では約2,000点の写真が同館のコレクションとなっていますが、写真家自身が焼付をした諧調豊かな美しいプリントや、写真家監修のもとに制作された質の高いプリントが含まれています。
本展ではこの質の高いプリントを間近で鑑賞できる貴重な機会となるだけでなく、ゼラチン・シルバー・プリント(銀塩写真)以外にも、プラチナ・プリント、ブロムオイル・プリントといった幅広い写真技法にも触れることができます。
デジタルメディアが普及する今だからこそ、力強く訴えかけてくる物質としての写真の魅力を是非ご堪能ください。(a.i)
令和6年度国立美術館巡回展
写真をめぐる100年のものがたり
京都国立近代美術館コレクションを中心に
会期:2024年10月4日(金)~11月17日(日)
◎お得な前売券は10月3日(木)まで静岡市美術館、プレイガイド等で販売
HOMEBLOG