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Shizubi Project 7 アーカイヴ/1980年代-静岡

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戸谷成雄(「第3回浜松野外美術展」より)1983年 撮影:山本糾

 

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天地耕作《辻》1988-89年

 

 

1980年代、静岡のアートシーンでは何が起こっていたのでしょうか。
遠州灘沿いの海岸・中田島砂丘を舞台とした「浜松野外美術展」(1980-87年)、川俣正による「袋井駅前プロジェクト」(1988年)、私有地の山林でコレクティブ的活動を展開した「天地(あまつち)耕作」(1988-2003年)など、「起点としての80年代」にあわせ、カタログや記録写真などのアーカイヴ資料でその一端をご紹介します。

 

[日  時]
2019年1月12日(土)~3月24日(日)
※月曜休館(ただし1月14日(月・祝)、2月11日(月・祝)は開館)、1月15日(火)、2月12日(火)
※多目的室でのイベント実施時はご覧いただけません

 

[会  場]
静岡市美術館 多目的室

 

[入場料]
観覧無料

 

 

◆浜松野外美術展(1980-87)
1980(昭和55)年8月、浜名湖今切口にほど近い遠州灘沿いの海岸で彫刻家・今井瑾郎を中心に4名の作家による公開制作が行われた(実質的な第1回展)。83年の第3回展より中田島砂丘に舞台を移し、計6回、画廊での記録展も行われた。ほとんどが県外の作家による参加だったが、彫刻(立体)だけでなく、ビデオアートやパフォーマンスといった要素も取り込まれた。作家による自主運営で行われ、各作家が自身の制作態度を問い直すための実験の場として機能したが、砂丘という場所のユニークさ、自然や景観に寄り添う作品が制作されるなど、現在の芸術祭につながる要素がみられる。
[出品作家]今井瑾郎、今井由緒子、金田正司、中村ミナト、保科豊巳、戸谷成雄、遠藤利克、柳幸典、倉重光則など

 

◆A-Value(1988-95)
静岡県在住作家による自主企画展。1988年に第1回展が静岡県立美術館県民ギャラリーで行われ、95年までに計8回開催された。毎回ゆるやかなテーマが設定されたが、表現領域の拡大や融合、静岡以外の他地域との交流など、開かれた展覧会としての性格を重視した。60年代後半以降、静岡に起こった様々な動向--グループ「幻触」(66-71)、「JUJU PHOTO SESSION」(77-85)、グループ展「アートスペース」(79-86)、「現代アートフェスティバル in SHIMIZU」(87)など--を引き継ぎ、80年代以降静岡において精力的に活動した動向といえる。
[出品作家]長船恒利、飯田昭二、鈴木慶則、岐部琢美、小池一誠、白井嘉尚、鵜澤明民、村上誠・渡、山本裕司、青木洋子など

 

◆袋井駅前プロジェクト(1988.6.1-30)
袋井市駅前の駿河銀行(現スルガ銀行)取り壊しに際し企画された「赤レンガファイナルー社会・仮設的構築物・文字・音」において川俣正が行ったインスタレーション。同建物は大正7年建てられ、「駅前の赤レンガ」と呼ばれ市民に親しまれていたが、耐久性の問題から取り壊しが決定となった。川俣のほかイベント企画者の書道家・大杉弘子の作品展示、高橋アキによるコンサートも行われた。1984年の「工事中」(ヒルサイドテラス/東京)以降、「PS1プロジェクト」(ニューヨーク)、ドクメンタ8「デストロイド・チャーチ」(カッセル)など海外での発表が続いていた川俣の、日本での4年ぶりとなるプロジェクトとなった。プロジェクトの企画、木材の調達、人員確保などは地元の人々のバックアップで行われ、本プロジェクトを通して地域との関係性が築かれた。

 

◆天地耕作(1988-2003)
村上誠、村上渡、山本裕司の3人によって結成された浜松のグループ。先祖代々受け継いだ私有地で「耕作」を展開し、近代的な概念である「見せる美術」を疑い、人間本来の創造行為を問い直した。土地や私的な血縁の記憶を掘り起こしながら長期間にわたり非公開で行われる制作、古来の秘儀を思わせる身体遊戯(パフォーマンス)、作品の解体、焼却を経る一連のプロセスなど、ランドアートの要素を含みながらも、土着的で祭祀的な活動は特異な存在として注目された。

 

 

「Shizubi Project 7 アーカイヴ/1980年代-静岡」 展示風景

 

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■「Shizubi Project 7 アーカイヴ/1980年代−静岡」小冊子

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頁数:14ページ
サイズ:29.7×21.0cm
重さ:60g
※販売終了(在庫なし)