2025年07月18日【イベントレポート】いしいしんじさんスペシャルトークショー

7/12(土)、「パウル・クレー展」関連イベントとして、
作家のいしいしんじさんをお招きしてスペシャルトークショー「きこえる絵、みえてくる音楽」を開催しました。

作家のいしいしんじさん


音楽家の両親のもとに生まれ、自身もバイオリンを弾いていたクレーにとって音楽は身近な存在であり、
彼が描く絵画には音楽的な要素が含まれています。また文学的な題名がつけられたものも多くあります。

『麦ふみクーツェ』(2003年、第18回坪田譲治文学賞)、『悪声』(2016年、河合隼雄物語賞)などの作品で知られるいしいさんは、クレーに関するエッセーを書籍に寄せるなど、クレー作品にも深い関心を寄せられています。

当日はいしいさんご所有の古い蓄音機で、
本展にあわせていしいさんが選曲されたレコードを流しながらお話しいただきました。

いしいさんご所有の蓄音機とレコード


クレー作品から感じられる音楽性や、今回選んだ楽曲にまつわるエピソード、蓄音機の仕組みなど、
いしいさんの軽妙な語り口に会場は時折笑いにつつまれ、終始和やかな雰囲気のトークとなりました。

蓄音機の音色に耳を傾けます


蓄音機の音色を初めて聴いたという参加者の方も多く、アンケートでは
「蓄音機の音のライブ感が新鮮だった」
「音に深みがあり驚いた」
といったご感想や、
クレーの作品をイメージしながら音楽を聴くことで
「絵と音楽がつながった」
「これから絵を見る時に、きっと音楽が聞こえてくると思う」
といったご感想もいただきました。

いしいさんが書かれた曲目リスト


トークショー終了後、展覧会でお気に入りの作品を鑑賞されるいしいさん。


特に《橋の傍らの三軒の家》が展示してある展示室では
中央にソファが置いてあるので、前回ご来館時は座って1時間くらい作品を眺めていたそう。

《橋の傍らの三軒の家》を鑑賞されるいしいさん

展示室


クレー作品に包まれることができるこちらのお部屋、
みなさんもぜひご体感ください。

 

(m.o)

 

「パウル・クレー展 創造をめぐる星座
2025年8月3日(日)まで開催中