2012年08月08日もう一つの七夕
昨日は8月7日、月遅れの七夕、今年、平成24年はこの日が立秋でした。
なるほど、今朝の静岡はいつもより涼しくて
秋きぬと 目にはさやかにみえねども 風の音にぞ おどろかれぬる でした。
七夕の美術展も残すところあと2週間、まさに大詰めです。
8月6日の静岡新聞に、日詰明男さんの記事が掲載されました。
このブログでも紹介しましたが、七夕展の関連展示として葵タワー1階エントランスにフィボナッチタワーを、そして3階の美術館エントランスに羽衣天の川を、市民の皆さんと一緒につくってくださった、アーティストです。
今回、日詰さんに、葵タワー1階(地上界)エントランスに、展示室のある3階・美術館(天上界)まで届くような竹のタワーの制作を、そして美術館のある3階(天上界)に羽衣天の川の制作を依頼したのは、本展の見どころの一つでもある、「天稚彦の物語」のようなことを、現代作家と一緒にしてみたかったからです。
この天稚彦の話は、ぜひみなさんに楽しんでいただきたい、知っていただきたい、もう一つの七夕ともいうべき、とってもユニークな七夕のお話です。
本展では、とにかくいつ来ても、通してお話がわかるように、こんなふうに展示しました。
このお話、とっても面白いのです!
皆さんは、織姫と彦星の七夕の話は、小さい頃からよくご存知だと思います。
織姫と彦星のお話は中国からやってきたものですが、この天稚彦の話は、日本独自の物語!
しかも、天稚彦は天から地上に降りてきて、姫に構わず勝手に天に帰ってしまうし。
姫は天稚彦に会いたくて、自力で、まるでジャックと豆の木みたいにして天に昇るし。
安城市歴史博物館本
天にいけば、箒をもった箒星や、昴に出会うし。
しかも昴(すばる/プレアデス)はセブンシスターズ(seven sisters)で描かれていてかわいいし。
安城市歴史博物館本
それから天の川は、西洋ではミルキーウェイだけれど、この話では、天稚彦のお父さん(鬼)が投げた”瓜”が割れて誕生したり、姫の涙でできたり、、
専修大学図書館本
そういえば、冷泉家の乞巧奠 星の座で、織姫と彦星に捧げられたお供物、海の幸山の幸には、瓜がお供えしてありましたね
うりなすび ももなし からのさかづきに ささげらんかず むしあわびたい(瓜茄 桃梨 空の杯 ささげ 蘭花豆 蒸鰒 鯛)
「天稚彦の物語」に冷泉家の「乞巧奠 星の座」
ぜひご来館になってご覧ください!
統計をとってはいませんが、来館者アンケートやギャラリートークをしたときのお客様の反応から察するに、大変人気です!!
遠方の方は図録でお楽しみください
今回、サントリー美術館本、専修大学図書館本、安城市歴史博物館本、の図様を比較できるようにして図版を掲載しました。
お陰さまで、売れ行きがよく、売り切れ御免!という状況です
お早めに!
(e.y.)