2013年01月06日「近江巡礼 祈りの至宝展」の作品は、前期・後期で大きく入れ替わります!

あけましておめでとうございます。
静岡市美術館は、開館して3回目のお正月を迎えました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、1月2日に「滋賀県立琵琶湖文化館が守り伝える美 近江巡礼 祈りの至宝展」が開幕しました!
全国五指に入る国宝・重要文化財の指定件数を誇る滋賀県。
本展では、国宝2件、重要文化財25件を含む、琵琶湖湖畔の25ヶ寺6社の名宝76件を紹介します。

 

近江①.JPG

 

近江②.JPG

 

 

 

そして本展は、前期・後期で作品が大きく入れ替わります!
特に仏画や近世絵画作品は2作品をのぞき、ほとんどの作品が入れ替わります。
展覧会の会期自体も36日間と短く、さらに前後期で展示替え。
神さま・仏さまに会える時間は少ないのです…。
みなさま、本当にお見逃しなきよう!

 

前置きが長くなりましたが、今回は前期・後期の見逃せない作品を絞りに絞ってご紹介します。
(本当はすべての作品をご紹介したいくらいなのですが…)

 

●前期(~1/20(日))に見るなら!

 

薬師如来立像.jpg

重要文化財「薬師如来立像」銅鋳造 鍍金 奈良時代 聖衆来迎寺蔵

 

展覧会のポスターに登場する「薬師如来立像」
約1200年前の奈良時代の作で、琵琶湖から現れた薬師と伝えられています。
左手に薬壺、右手は衣の端をぎゅっと握る珍しい姿。丸顔で優しげな微笑みが印象的です。

 

 

 

日吉山王祭礼図 左.jpg

 

      

        日吉山王山礼図 右.jpg

 

「日吉山王祭礼図」六曲一双、江戸時代、個人蔵 

 

滋賀県大津市の日吉大社の山王祭礼は、1200年以上の歴史があるとされています。
左隻には7基の神輿が船に乗せられ琵琶湖を渡る様子が描かれています。
お祭りの熱気と興奮が伝わってきます。

 

 

 

●後期(1/22(火)~2/11(月・祝))に見るなら!

 

人道生老病死四苦相図.jpg

国宝《人道生老病死四苦相図 六道絵のうち》鎌倉時代、聖衆来迎寺蔵

 

人道を描いた四幅のうちの一幅。
下から上へ、生・老・病・死の順で、人間界の四つの苦しみが描かれています。
老苦の場面では、鏡に映る自身の姿を見て嘆く老女の姿も…。
【1/29(火)~2/11(月・祝)】のみ展示です。お見逃しなく!!

 

 

 

楼閣山水図 左.jpg

   

 

         楼閣山水図 右.jpg

重要文化財 曾我蕭白筆「楼閣山水図」六曲一双、江戸時代

 

月明かりに照らされた幻想的な雰囲気が魅力。別名「月夜山水図」とも呼ばれています。
中国の西湖の風景がモチーフとして散りばめられており、憧れの景観を描いた水墨の傑作です。

 

 

●通期展示はこちら!何度観ても惚れ惚れします…。

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国宝《透彫華籠》平安~鎌倉時代 神照寺蔵

 

華籠は散華供養(けこさんげくよう)の花びらを盛る器。
散華(さんげ)とは諸仏を供養するために蓮弁をかたどった紙の花びらを散らすこと。
本作では宝相華唐草文(ほうそうげからくさもん)を透彫りし、とくに外面は鋤彫(すきぼり)を加えて立体的に表現されています。
全体を鍍金(ときん)し、さらに宝相華と唐草の要所に鍍銀を施すなど、デザイン性にも技術的にも優れた名品です。

 

 

 

聖観音像.jpg

重要文化財「聖観音像」 木造 平安時代 荘厳寺蔵

 

座った姿が穏やかな本像は、比叡山を越えてやってきた「山越観音」と考えられています。
滋賀県以外で公開されるのは、今回が初めてです。

 

 

 

以上、ごく一部ではありますが、おススメの出品作品をご紹介しました。

前期・後期・通期展示の別がわかる、出品作品リストはこちら⇒
近江巡礼祈りの至宝展 作品リスト.pdf

本展では、リピーター割引(有料観覧券の半券をご提示いただくと、当日料金から200円引き!)も実施しています。
前期・後期どちらもお楽しみいただければ幸いです。
一度といわず、二度三度と足をお運びくださいね。

みなさまのご来館をお待ちしております!

 

(c.o)