2013年03月26日入館者数1万人達成!「ごんぎつねの世界」展、残すところあと一週間です!

随分暖かくなって参りました。桜も満開です!
春休みにも入り、新学期に向けての準備やお出かけにと忙しくなりますね。

 

さて、現在当館では、そんな行楽シーズンにもおすすめな展覧会「新美南吉生誕100年 ごんぎつねの世界」展を開催しています。

 

先週末も多くの家族連れでにぎわっていた本展も、残すところあと1週間となりました。
まだ展覧会を見ていない、見に行くか迷うところ…とお考えの方のために、ちょっと展覧会をご紹介いたします!

 

今年、平成25年は童話「ごんぎつね」の作者、新美南吉が生まれて100年目の記念の年。

「ごんぎつね」は知っていても、新美南吉については知らない…という方、意外と多いのではないでしょうか。
結核のため29歳という若さで夭折しますが、遺した童話や詩の数は300編以上に上ります。

 

 

まず、第1章ではそんな南吉の生涯を丁寧に紹介していきます。

 

 

肉筆原稿、資料など116点。なかなかのボリュームです。

 

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「やはり、ストーリーには、悲哀がなくてはならない、悲哀は愛に変る。」

 

 

弱冠15歳の時に綴った日記帳からの抜粋です。
「ごんぎつね」の物語を知っている方ならピン、とくるのではないでしょうか。

ひとりぼっちの子ぎつねごんが、同じく自分のいたずらのせいでひとりぼっちになってしまった兵十へのつぐないのため、くりやまつたけを運ぶ日々。

しかし兵十は気が付きません。そんなある日、またいたずらをしにきたと思った兵十は、ごんを火縄銃で撃ってしまいます。

衝撃的な結末を迎えた哀しみと共に、ごんへの愛おしさが、兵十のやりきれない感情が一気に押し寄せてきます。

ごんの兵十への届かなかった「愛」がせつなすぎます。まさに「悲哀」が「愛」に変った瞬間です。
 

 

南吉は、晩年にもこんな日記を遺しています。

 

 

「よのつねの喜びかなしみのかなたに、ひとしれぬ美しいもののあるを知っているかなしみ。そのかなしみを生涯うたいつづけた。」

 

 

この言葉通り、南吉の童話は哀しいものが多いかもしれません。

誰もが感じたことのある、この世の不条理、孤独、心の弱さ。それらを見事に書き表しているのが南吉の童話です。

南吉自身、自らの内面と向き合いながら、生にしがみつき「愛」を求め、もがき続けた作家です。

だからこそ、私たち読者の共感を呼び続けるのかもしれませんね。
 
 

 

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南吉が唯一生前に出版した童話集「おぢいさんのランプ」。版画家の棟方志功が装丁を担当しています。この童話集出版後の5か月後に南吉はこの世を去ります。

 

 

 
第2章では、南吉の童話に寄せた絵本原画の数々をご紹介します!

 

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みなさん、この絵本に覚えはありませんか?そう、南吉童話の中でも「ごんぎつね」と並んで有名なものが「手袋を買いに」。

 

この絵本を読んで育った方も多いのではないでしょうか。絵は黒井健さんが担当しています。

 

 

展示室では、この絵本の表紙の原画も見れますよ。たいへん貴重です!

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このほかにも、「ごんぎつね」「手袋を買いに」をはじめとする30の童話、90点の原画を展示しています。

 

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展示室の途中には、くつをぬいでゆっくり絵本を読める「絵本のへや」もご用意しています。山村浩二さん原画の「手袋を買いに」DVDも観賞できますよ。

 

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そして、展示室最後には、市内小学校から寄せられた「ごんぎつね」の感想文を展示しています。

その数、27校約2000枚!

 

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 ちょっと立ち止まって目に入ったものから読んでみてください。

 

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「私もごんの気持ちがわかります。さみしい時や、悲しい時、だれかにきづいてもらいたくて、人にいたずらをしたときもあります。ごんは、兵十と会ってやさしい心を育てたと思います。兵十にうたれてしまったけど、ごんはこうかいはないと思います。」

 

 

「ごんと兵十は心が通じ合ったと思います。そして、兵十はごんを助けて、いっしょにくらしたと思います。ごんと兵十は一人ぼっちでさびしかったから、いっしょに魚をとったり、くりをひろったりしながらくらしたと思います。」

 

 

子ども達の純粋な言葉に心を動かされます。

 

 

こんな撮影スポットも用意していますよ!
ごんはどこにいるでしょう?

 

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「新美南吉生誕100年 ごんぎつねの世界」展は今週末、31日(日)までの開催です!
ぜひ、お見逃しなく!
最終日は「ごん吉くん」に会えるかも!?

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(s.m)