2013年12月14日慶喜の油彩画とウミガメと花魁!

 

すっかり寒くなりました

没後100年 徳川慶喜展も、いよいよ明日まで!

 

慶喜が油彩画を描くことは、3年前の「家康と慶喜」展でも当館でご紹介していましたが、今回は、慶喜の油彩画を、なんとなんとスペシャルゲストと同じ部屋に展示しています。

 

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慶喜の油彩画が並ぶ壁の前に

 

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かたや、重要文化財 花魁!

同じく重要文化財「鮭」やこの「花魁」を描き、日本近代洋画の父となった、あの高橋由一の作品です!

 

こなた、等身大のウミガメ!

これは背中からみたところ、下には、真横からみたところが、、、

この等身大のウミガメを描いたのは慶喜に油彩画の手ほどきをしたとされる、中島仰山(鍬次郎)の作。

日本画の画材で、とても写実的な描写がなされています。

 

中島仰山と高橋由一

二人はともに、当時の日本で油彩画の技法を学ぶことができた数少ない機関、幕府の洋学研究機関であった、開成所画学局というところで、”油彩画に優れている”といわれた人物なのです!

 

慶喜と由一の花魁と仰山のウミガメ・・・

そして、開成所で指導的役割を果たした川上冬崖、仰山の後任で、のちに金属活字まで発明した島霞谷の作品が一堂にならびます。

写真と油彩画、写実とは何か、などなど考えさせられます。

 

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川上冬崖作品。左のヒポクラテスは右は冬崖、左は由一が写したもの

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島霞谷の作品

 

そして島霞谷は、開成所の写真もとっているのです!

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これもとはガラス湿板、大きく引き伸ばしました

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近代日本洋画の黎明期の画家たちの作品とともに、慶喜の油彩画が展示されています。

展覧会図録も大切ですが、実際の作品が並んだ展示空間もまた、色々なことを私たちに教えてくれます。

この展示空間に一人でも多くの方にご来館いただき、当時の様子を感じていただければ幸いです。

 

(e.y.)