2015年01月06日羊の群れはどこにいる・・・?
こんにちは。
早いもので、年が明けてもう7日ですね。
お正月は連日たくさんの方に美術館にお越しいただきました。
是非みなさまお越しください!
さて、2日のブログに掲載したこちらの画像、
展覧会にいらした方、どの作品の一部かわかりましたでしょうか?
正解は、
ジョージ・ヴィカット・コウルの《秋の朝》という
作品の一部です。
↓全図はこちら。
左下に羊たちがいて、
草を食むもの、木陰で休息をするもの、
なんだかほっこり和む光景です。
羊たちがいるのは、丘の上なのでしょうか。画面右奥のほうへ、傾斜のある草原がひろがっています。その先の木々の上には朝もやがかかっていて、幻想的な雰囲気です。
羊たちのいる丘の左下には小さな町があり、
教会のような建物の塔や、煙突のある家の屋根が見えています。
煙突からは煙が上がっており、
暖炉がたかれているか、
朝食の準備が始まっているのでしょう。
この作品は、
ロンドンの南にあるアビンジャーという町にあった、
作者のコウルの友人の家の庭からの眺めなのだそうです。
何気ないイギリスの田舎の風景を描いたものではありますが、
細部を見ているといろいろ想像をめぐらすことができる作品です。
作品が描かれた19世紀当時、
イギリスでは産業革命による工業化で、
ロンドンを始めとする大都市には、
地方からたくさんの人が労働者として入っていました。
朝家を出て、夕方まで働き、そして家へ帰るという機械的な日々の繰り返し。
道路にはひっきりなしに馬車が行きかい、たくさんの人々。
空気も相当悪かったでしょう。
そうした日々環境の悪化する都会に住むひとたちにとって、
こうした郊外の美しい田園風景を描いた作品は、
心をホッとさせるものとして、大変人気があったそうです。
いわば「癒し」の効果があったのでしょうね。
確かに今でもこの作品を見ていると、
和やかな気持ちになります。
お正月疲れが出始める時期ではありますが、
皆様も美術館でホッと一息いれませんか?
ご来館お待ちしております。
(K.O)