2017年03月04日3月5日(日)まで展示の作品

「夢二と京都の日本画」では、京都市美術館および当館のコレクションを核として、大衆画家である竹久夢二と京都画壇の画家たちの作品を一堂に集めています。これまで同時に扱われることのなかった両者を同時代の表現として捉え直す機会になればと考えています。

さて、本展では一部の作品を展示替えいたします。
以下の5点が3月5日で展示終了となります。

平井楳仙《日盛り》
竹内栖鳳《絵になる最初》(下絵)
都路華香《萬年台の夕・東萊里の朝》
菊池芳文《春の夕・霜の朝》
宇田荻邨《太夫》
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右から
竹内栖鳳《絵になる最初》(下絵)、上村松園《待月》、都路華香《萬年台の夕・東萊里の朝》、菊池芳文《春の夕・霜の朝》(いずれも京都市美術館蔵)

竹内栖鳳の《絵になる最初》(下絵)は、このたび出品されない本画とともに、平成28年度に国の重要文化財に指定されました。栖鳳が天女を描くために呼び寄せたモデルが初めて裸体になる前の恥じらいの表情を捉えた作品です。本展覧会では、上村松園の《待月》のお隣に展示されており、師弟による美人画対決となっています。目の前の娘の表情に注目し、モダンな柄の着物とともに描いた栖鳳と、後ろ姿の古風な女性像で季節感あふれる場面を描いた松園が好対照をなしています。

都路華香、菊池芳文は栖鳳と同じく幸野楳嶺に学び、近代の京都画壇の隆盛に貢献した画家たちです。このたびの出品作はどちらも朝と夕べをテーマとした対の作品ですが、雄渾な筆致の芳文、のどかな雰囲気の華香と、それぞれの個性が発揮されています。

平井楳仙や宇田荻邨は栖鳳たちよりも若い世代にあたります。平面的な構成と写実描写の調和をはかった楳仙の意欲作《日盛り》や、濃密な表現に妖しいまでの美しさが表現された荻邨の《太夫》など、彼らの作品からは、それぞれの方向で新しい日本画の創造を目指していたことが伝わってきます。楳仙は夢二の京都滞在時代には一緒にテニスをしています。野長瀬晩花や秦テルヲなど共通の友人がいたことからのつながりでしょうか。官展で活躍した楳仙と、大衆画家だった夢二との意外な交流です。

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左から
平井楳仙《日盛り》(京都国立近代美術館蔵)、秦テルヲ《煙突》《母子》(ともに京都市美術館蔵)

 

3月7日からは竹内栖鳳《雨》、谷口香嶠《実方花下避雨図》、木島桜谷《寒月》、勝田哲《お夏》を展示いたします。どうぞお楽しみに。

(k.y.)