2017年07月17日龍馬の手紙(7月20日までの展示作品の中から)
静岡市美術館で開催中の「没後150年 坂本龍馬」は、残された龍馬の手紙などから改めてその実像に迫るという、ユニークな視点の展覧会です。
龍馬の手紙は、現在、約140通が知られています。特に3歳上の姉・乙女に多くの手紙を書きました。
龍馬の名言「日本を今一度せんたく(洗濯)いたし申候」も、実は乙女宛の手紙の文言です。
重要文化財《龍馬書簡 文久三年六月二十九日 坂本乙女宛》(部分)京都国立博物館(7/1-7/20展示)
また、慶応2年(1866)を振り返った乙女宛の手紙もみどころです。
寺田屋事件後、龍馬は怪我をしたため湯治を兼ねて、妻・おりょうと鹿児島・霧島を訪れ、高千穂峰にも登りました。
手紙には、その様子を絵入りで詳しく記しています。
山頂の天逆鉾(あまのさかほこ)を二人で「エイヤ」と引き抜く悪戯をしたことも書かれています。
この旅行は二人にとって新婚旅行のようなもので、薩長同盟の仲介や長幕戦争参戦など多忙な龍馬の束の間の休息だったのでしょう。
重要文化財《龍馬書簡 慶応二年十二月四日 坂本乙女宛》(部分) 慶応二(1866)年 京都国立博物館(7/1-7/20展示)
小説などから、豪胆なイメージのある龍馬ですが、家族への手紙を見ると、ユーモアや率直さ、家族愛などがよく表れています。
手紙を通して人間味あふれる龍馬の素顔にぜひ触れてみてください。
今回紹介した龍馬の手紙は7月20日(木)までの展示です。どうぞお見逃しなく。
(s.o)