2017年08月22日龍馬の愛刀《吉行》
「没後150年 坂本龍馬」ですが、夏休み期間という事もあり、小学生からご高齢の方まで、様々な年代の方にご来場いただいています。
そして、職員も驚きだったのが、若い女性からの人気!
刀のケースの前でじっくりと鑑賞されている姿が印象的です。
さて、この龍馬の愛刀《吉行》。
1年ほど前、《吉行》に関する研究成果が発表され、大きな話題となりました。
《吉行》は昭和6(1931)年、札幌の坂本家より京都国立博物館に寄贈されました。
伝来は確かであったものの、反りがほとんどなく、直刃風(すぐはふう)の刃文(はもん)で、《吉行》の特徴である波打つような刃文が見られないなど、《吉行》の作風と異なることから、懐疑的な意見もありました。
しかし近年、坂本家子孫の記録に「大正2(1913)年、釧路市の大火で鞘が焼失し刀身も反りを失った」と記されていたことが判明。
科学的な検証作業でも、刀身にうっすらと本来の波打つような刃文が確認されました。
他にも、この刀は龍馬が暗殺される際に所持し、刺客の刀を鞘ごと受けたと書かれた記録も見つかり、「龍馬の刀か否か」という疑義は払拭されたのです。
龍馬は、兄・権平宛の手紙で、《吉行》を常に帯刀しており、欲しがる者もいるが、「兄の賜なりとてホコリ(誇り)候」と書いています。
龍馬が最期まで所持した愛刀、ぜひ間近でご覧ください。
少し下から見ると、拳の形のような刃文が見えますよ。
《刀 銘吉行》坂本龍馬佩用 京都国立博物館
(s.o)