2017年10月13日デンマーク・デザインの魅力① レゴブロック
10月に入り、すっかり秋めいてまいりました。
こんな季節には、展覧会鑑賞がぴったりですね!…という訳で、
本日より数回に分けて、ただ今当館で開催中の「デンマーク・デザイン」展の魅力をご紹介していきます。
本展は、デンマークの近代から現代までの、様々なジャンルのデザイン約200点を紹介するものです。
その中でも最も有名で、誰もが知っている玩具といえば…、そう、レゴ社のレゴブロックです。
レゴ社は1932年に創業し、木製玩具の制作からはじまりました。
プラスチック製玩具の制作に乗り出したのは1947年の事です。その2年後に最初のレゴブロックが誕生しました。
現在のかたちのレゴブロックが発表されたのは1958年です。以来、50年以上たった現在もその仕組みは変わらず、
世界中の子ども達に親しまれています。
オーレ・キアク・クレスチャンスン 無限連結式ブロック玩具〈レゴブロック〉 1960年頃 レゴ 個人蔵 photo: Michael Whiteway
なぜレゴブロックは、子ども達の心を捉えて離さないのでしょうか。
その魅力は、無限に広がる遊びの可能性を秘めている事かも知れません。
ここに、2×4のポッチがついた基本のレゴブロック6個があるとします。
これらを組み立ててできる形は、いったい何通りあるでしょうか?
…正解はなんと、9億1500万通り以上!想像をはるかに超えた驚きの数字です。
オーレ・キアク・クレスチャンスン 無限連結式ブロック玩具〈レゴブロック〉 1960年頃 レゴ 個人蔵 photo: Michael Whiteway
レゴ社の創業者オーレ・キアク・クレスチャンスンは、その社名をデンマーク語で「よく遊べ」を意味する「leg got」から名付けました。木製玩具の制作から始まり、やがてプラスチック製ブロックへと移行してからも「子どもには最高のものを」という方針を掲げ、現在にまで受け継がれています。
さて、展覧会では、現在のかたちになった1960年頃のレゴブロックに加え、様々なシリーズが登場した1970年代のものを中心に紹介しています(1970年代のレゴブロックは、全国を巡回する本展において、静岡会場限定の出品となります)。この1970年代に製造されたシリーズは現在のレゴシリーズのルーツとも言え、レゴファンの間で「オールドレゴ」として親しまれています。
大中小の歯車と軸、軸受けブロックを組み合わせて、歯車が動く仕組みをつくる事ができる「ギアセット」や
「レゴ汽車セット」も、1970年代の人気ラインナップのひとつです。
また、様々な建物と小型の乗り物等がセットとなった「レゴランドシリーズ」も登場します。
「レゴランド」は、1968年にデンマークに開園したレゴのテーマパークの名前で、1971年頃よりシリーズ名にも使われるようになりました。
1973年には、水に浮かぶ初めてのレゴブロックの船のシリーズが発売されます。
中は空洞で、接合部分からの水漏れもありません。船体の下部には水に浮かべる際の部品(おもり)が装着できるようになっています。車輪パーツも取付け可能で、床で走らせることもできます。
そしてレゴと言えば、黄色い顔とアルファベットのCに似た手の「ミニフィギュア」が印象的ですが、この元祖と言えるフィギュアが、1974年に初めて誕生しました。
ブロックの体に丸い頭と動く腕がついたフィギュアは、お父さん、お母さん、男の子、女の子、おばあさんの「レゴファミリー」として発売され、当時爆発的な人気を博しました。
そして1年後の1975年に、セットの一部として最初のミニフィギュアが登場します。
…しかし、黄色い顔には目や口はなく、腕や足も分かれていません。
目や口がプリントされた顔に動く手足の、現在のミニフィギュアに改良されたのは3年後の事です。
頭部のポッチには髪やヘルメットを、手にも道具などを装着する事ができるミニフィギュアは、レゴブロックの創造的な遊びを大きく飛躍させました。時には子ども達の分身となって、自身が築いたレゴブロックの世界を縦横に遊びまわるのです。
ちなみに、展示室内最後のスペースには、レゴブロックの中で最も大きなサイズの「レゴソフト」で遊べるコーナーも用意しています!小さなお子様も安心して遊べますよ。
「デンマーク・デザイン」展は11月12日まで開催しています。ぜひご家族でお出かけください。
(s.m)