2017年12月19日「ターナーからモネへ」作品紹介② コンスタブル《麦畑の農家》

前回ご紹介したターナーと同時期に英国で活躍した画家・コンスタブル。現在ではターナーと並び英国を代表する画家ですが、両者の人生は対照的でした。

 

年齢も1歳しか違わない二人ですが、若くしてターナーがロイヤル・アカデミーの正会員に選ばれ活躍したのに対し、彼がアカデミーの正会員となったのは53歳のときでした。また、ターナーが画題を求めて英国および欧州各地を旅行していたのに対し、コンスタブルは終生、故郷周辺の風景を描き続けました。

 

《麦畑の農家》は、イングランド東部サフォーク州の画家の生家近くにあった麦畑の中の農家を描いた作品です。まだ青さの残る麦や右側の木は花を咲かせていることから、夏の風景と考えられています。

ごく一般的な田園風景の中で、絶えず変化しつづける光や大気がもたらす効果を、一瞬のうちに捉えたコンスタブルの作品は、1820年代に母国に先んじてフランスで評価され、ドラクロワなどに影響を与えました。

 

 

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ジョン・コンスタブル《麦畑の農家》1817年
ウェールズ国立美術館 ©National Museum of Wales

 

 

(k.o)