2018年07月21日あなたの知らないヴラマンク

マティスやドランらと並んで、「フォービスム(野獣派)」を代表する画家として知られるモーリス・ド・ヴラマンクですが、音楽家や自転車競技選手、文筆家としても活動していたのをご存じでしょうか。

 

ヴラマンクの両親は音楽家で、小さい時から音楽教育を受けていました。

ヴラマンクは若い頃、生活費や画材代を稼ぐため、という目的もあり、カフェのオーケストラ団員や、ヴァイオリンの個人教師をしていました。

 

一方、自転車も10代の頃から日常的に使っていただけでなく、選手としてトラックレース等にも出場し、その賞金で一時期家族を養っていたこともあったそうです。

その後大きな病気をしたことや、24歳の時にドランと出会って本格的に画家を志したことで競技の一線からは身をひきますが、そうしたことがなければツール・ド・フランスにも出ていただだろう、と後にヴラマンク自身も述べており、もし選手を続けていたら歴史に残る大選手になっていたかもしれません。

 

 

これら音楽家や自転車競技選手としての活動が主に前半生で行われていたのに対し、文筆家としての活動は絵画と並行して亡くなるまで続きました。

 

26歳の時に初めての小説(フェルナンド・セルナーダと共著、挿絵はドランが担当)を出版、以後、小説、エッセイ、回想録、自叙伝、詩集など様々なジャンルの作品を20点以上も発表しました。

ヴラマンクが生涯にわたり文筆活動を続けたのは、音楽や自転車競技と違って単に日銭を稼ぐためではなく、言葉による表現が、絵画と並んで重要な自己表出の場であったことが関係しているのかもしれません。

 

今回の展覧会では、画家としてのヴラマンクを紹介するだけでなく、彼の多岐にわたる活動のうち文筆家としての仕事にも焦点をあて、フォービスムから離れ始めた1907年以降の彼の絵画と、彼の著作から引用した言葉とともに展示します。

ヴラマンク独自の画風の形成の様子を、彼自身の言葉とともに展示室で是非ご覧ください。

 

 

ヴラマンク展_チラシイメージ.jpg

 

(k.o)

 

 「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」
会期:2018年7月28日(土)~9月24日(月・祝)
観覧料:一般1,200(1,000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料
*( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金
*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料

 

★前売券:7月27日(金)まで販売
静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード:769-120]、ローソンチケット[Lコード:45800]、セブンチケット[セブンコード:064-866]、谷島屋(マークイズ静岡店、パルシェ店、高松店、流通通り店)、戸田書店静岡本店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店
★お得な一般前売ペア割チケット:2枚1組 1,800円も!
静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード:769-119]、ローソンチケット[Lコード:45801]、セブンチケット[セブンコード:064-871]