2019年07月06日コレクション第一号!? 石川豊信「提灯と傘を持つ佐野川市松」

当時大人気だった歌舞伎役者・佐野川市松を描いた作品です。
雨夜の外出でしょうか、高下駄に道行(みちゆき/コート)を羽織り、手には提灯と傘を持っています。
帯の石畳模様は市松が愛用したことから「市松模様」とも呼ばれるようになりました。
退色が進んでいますが、筆で紅を中心に彩色した初期浮世絵(紅絵)で、
当時は一層鮮やかで優美な作品だったことでしょう。

この作品は、メアリー・エインズワースが明治39年(1906)の来日で初めて手に入れた浮世絵とされています。
それから約25年にわたり、貴重な初期の作品から幕末の広重まで1500点以上を収集しました。
コレクションの中には、世界で1点しか見つかっていない作品もあります。

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石川豊信「提灯と傘を持つ佐野川市松」 延享・寛延期(1744-51)、柱絵判紅絵、アレン・メモリアル美術館蔵

(s.o)