2019年07月11日富士は日本一の山 葛飾北斎「富嶽三十六景 山下白雨」

白雨(はくう)とは夕立のこと。
山下を暗くし、右下に稲妻を走らせることで、雨を描かずとも山麓に降る夕立を示しています。
対して富士の頂は青空の中に堂々とそびえています。
まさに「雷さまを下に聞く、富士は日本一の山」という唱歌のとおり、雨雲すら届かない富士の高さが表現されています。
「富嶽三十六景」シリーズの代表作のひとつです。

北斎がこの揃物を描いたのは70歳を過ぎた天保2-4年(1831-33)頃。
北斎は「森羅万象を描き尽くした」と言われるほど、
90歳で没するまで美人画、風景画、花鳥画など肉筆・版画を問わず旺盛な作画活動を続けました。

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葛飾北斎「富嶽三十六景 山下白雨」 天保2-4年(1831-33)頃、大判錦絵、アレン・メモリアル美術館蔵

(s.o)