2019年08月01日海運王のコレクション、すべてが日本初公開!

英国、スコットランド最大の都市グラスゴーにあるバレル・コレクションは、船舶の売買で大成功し「海運王」と称されたウィリアム・バレル(1861-1958)が築いたコレクションからなる美術館です。

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現在のバレル・コレクション © CSG CIC Glasgow Museums Collection

バレル・コレクションは時代や地域、ジャンルが多岐にわたるのが特徴ですが、本展ではそのなかから19世紀のフランス絵画、オランダのハーグ派、「グラスゴー・ボーイズ」や「スコティッシュ・カラリスト」といったスコットランドの画家など絵画作品をご紹介します。

室内の風景や街中の人々の姿、海を描いた作品など、落ち着いた雰囲気の作品を眺めていると、バレルが好んだ作風というのが見えてきます。もし自分だったらどの作品を家に飾ろうか、そんな視点で作品を眺めてみるのも良いかもしれません。

バレル・コレクションのなかでも特に大事にされてきた印象派の画家ドガの《リハーサル》は必見です。

練習に励むダンサーたちを覗き見るようなひっそりとした空気が流れていますが、その構図は大胆です。

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エドガー・ドガ《リハーサル》 1874 年頃 油彩・カンヴァス バレル・コレクション

©CSG CIC Glasgow Museums Collection

また本展では、ファン・ゴッホが描いた画商アレクサンダー・リードの肖像が、同じくグラスゴーにあるケルヴィングローヴ美術博物館より出品されます。

バレルはこのリードの他、何人かの画商から作品を購入することで、フランスやオランダの文化に触れていました。

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フィンセント・ファン・ゴッホ《アレクサンダー・リードの肖像》 1887年 油彩・板

ケルヴィングローヴ美術博物館 ©CSG CIC Glasgow Museums Collection

バレルがグラスゴー市へ作品を寄贈する際、「大気汚染の影響が少ない郊外に作品を展示すること」「国外に持ち出さないこと」が条件だったため、この世界屈指のコレクションは永らく現地でしか見ることができませんでした。

その門外不出のコレクションが、同館の改装に伴い海を渡って初来日を果たします。

スコットランド議会の承認を経て海外への貸出が可能となったのですが、当初バレルが提示した条件は、海で荷物を運ぶことの恐ろしさを熟知していた海運王ならではのリスク回避と言えるでしょう(バレル卿、今回は空路で大事に輸送されるので、ご安心ください!)。

(a.i)

「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」

会期:2019年8月7日(水)~10月20日(日)

観覧料:一般1,300(900)円、大高生・70歳以上900(700)円、中学生以下無料

*( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金

*障がい者手帳等をお持ちの方及び介助者原則1名は無料

 

★前売券:8月6日(火)まで販売

 

静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード:769-762]、ローソンチケット[Lコード:41811]、セブンチケット[セブンコード:076-081]、谷島屋(パルシェ店、マークイズ静岡店、高松店、流通通り店)、戸田書店静岡本店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店