2020年03月26日「不思議の国のアリス展」作品紹介④ エリック・カール《チェシャネコいもむし》

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エリック・カール《チェシャネコいもむし》 2018年 薄紙、アクリル、コラージュ エリック・カール
“Cheshire CAT-erpillar” created by Eric Carle, 2018.
Image reproduced with permission from the Eric Carle Studio.


裂けんばかりの口から歯を覗かせ、茶目っ気たっぷりの笑みを浮かべるチェシャネコ。

『不思議の国のアリス』で、アリスの前に突然現れて助言をしたり、騒動を巻き起こしては姿をくらますミステリアスなキャラクターです。

しかしここに描かれているのは、ただのチェシャネコではありません。頭から突き出た触角や、くねくねとした体はまさにイモムシそのものです。

この作品は、アメリカ在住の絵本作家エリック・カールが本展のために特別に描き下ろしたもの。

彼は時間を見つけては半透明の薄紙に絵の具を塗り、引っ掻いたりスポンジ等を押し当てたりして多彩な質感をもった素材を作り、アトリエにストックしています。

今回制作された作品は、その色とりどりの薄紙の中から、これまで数多く描かれてきたアリスの挿絵を参考に色彩を選び、コラージュすることで生まれた一点なのです。

エリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』とアリスの世界観が融合したこの作品には、彼の先達へのオマージュが込められています。

(t.t)