2025年11月18日「きもののヒミツ」展示紹介①《打掛 白綸子地藤菱尾長鳥模様》

《打掛 白綸子地藤菱尾長鳥模様》18世紀後期-19世紀初期 千總ホールディングス蔵
日本の伝統的な衣裳・小袖(きもの)は、桃山から江戸時代にかけて形式が整い、技法の発展とともに意匠も多様に変化してきました。特に17世紀後期に「友禅染」が登場するとその表現の幅は一層広がり、流行を反映した雛形本(デザインカタログ)も数多く版行されました。
また、江戸中期以降は身分や階層、年齢等によるデザインの傾向は異なり、例えば武家女性の打掛であれば紅や白の綸子地に、花束と立涌や七宝文様等を散らす意匠がよく見られます。本作もその流れを汲むもので、白の綸子地(絹織物)に折枝の藤の花を襷(たすき)文様に散らし、間に尾長鳥を表しています。

(s.o)
「きもののヒミツ 友禅のうまれるところ
―京都 千總コレクションを中心に」
会期:2025年10月25日(土)〜12月21日(日)
※会期中展示替えあり
前期:10月25日(土)〜11月24日(月・休)
後期:11月26日(水)〜12月21日(日)
