2025年11月20日「きもののヒミツ」展示紹介③明治・大正の流行模様

 


きものの「デザイン」に注目した展覧会、きもののヒミツ展。第三章では明治・大正の流行模様に注目しています。江戸時代、身分や階級、年齢によりデザインの傾向がわかれていましたが、近代になると様々な模様が登場し、色々なデザインが楽しまれるようになりました。


例えば「ヌーボー式」。明治33年のパリ万博で登場した「アールヌーヴォー」を、きものの模様に取り入れたもので、ぐるりとした曲線的な表現に日本古来の蔦や水仙などの文様を組み合わせているのが特徴です。他にもトルコなどの外国の模様などもこれまで日本になかった新しい模様として流行しています。

大正時代にも面白いデザインが流行します。西洋で起こった工芸運動が再解釈され、直線的・幾何学的パターンや曲線を特徴とする「セセッション式」や武田五一(1872-1938)が命名した花卉を簡略化して先端を渦巻状にする「マルホフ式」が登場し、友禅模様にも取り入れられました。こうした模様は友禅だけでなく工芸のデザインにも影響を与えています。

まさにデザインの流行は時代を映す鏡。ぜひ会場でご覧ください。

※会期中展示替えがあります。写真は前期展示の様子


(s.o)

 

「きもののヒミツ 友禅のうまれるところ
―京都 千總コレクションを中心に」

会期:2025年10月25日(土)〜12月21日(日)
※会期中展示替えあり
前期:10月25日(土)〜11月24日(月・休)
後期:11月26日(水)〜12月21日(日)