2025年12月10日【ワークショップレポート】銅版画でクリスマスカードをつくろう
11/29(土)、11/30(日)に、プレゼントワークショップ vol.43「銅版画でクリスマスカードをつくろう」(大人編・子ども編)を開催しました。
今回はクリスマスにあわせ、銅版画家の武田あずみさんを講師に招き、昨年度同様、エッチング*の技法を用いてクリスマスカードを制作しました。
*銅板等を酸で腐蝕する凹版技法の一種。表面に耐酸性の防蝕膜をつくり、その上からニードル等で膜を除きながら線を描く。腐蝕液にひたすと、膜がついていない部分が腐蝕されて凹版ができる仕組み。今回は油性ペンで描いた部分を防蝕膜とし、表面に凹みをつけるディープエッチングも行いました。

まずは下絵を描き、銅板に写していきます。

今回はモチーフを二つ以上並べて描き、モチーフごとにエッチング(赤油性ペンで塗りつぶした上からニードルで描画)とディープエッチング(黒油性ペンでモチーフを線描)を使い分け、技法のちがいを体験しました。
※わかりやすくするために、油性ペンの色を使い分けています





銅板への描写が終わったら、腐蝕液に15 分ほど浸します。

腐蝕後、水洗いした銅板に醤油をかけて腐蝕液を中和し、腐蝕の進行を止めます。

表面に残った油性マジックをアルコールで除去したら、版の完成です。
中和すると、きれいなピンク色になります。

さわると、わずかに凸凹しているのがわかります。
(ニードルで描いた部分は腐蝕され凹み、マジックで塗った部分は腐蝕されず残り、その周囲が腐蝕され凹みます)

インクをヘラで伸ばした後、余分なインクを新聞紙で拭き取ります。



いよいよプレス機での摺り作業。
紙と銅板をセットしてハンドルを回すと…




作品が摺れました!
色やインクの置き方を変えながら、ひとり2、3枚制作しました。





銅板と作品を額装したら、完成!
銅版画ならではの味わいのある、クリスマスカードができあがりました。


静岡市美術館では年間を通して様々なワークショップを開催しています。
今後のイベントの最新情報は当館HP内「これからのイベント」をご覧ください。
(m.o)