2026年03月10日作品紹介②:かがくいひろし《お誕生日ケーキ》
かがくいは東京学芸大学で彫刻を学び、卒業後、千葉県内の養護学校で教員生活をスタートさせました。当時は1979年の養護学校義務化を受け、全国で新設校が次々と誕生した時期であり、まさに障がい児教育の黎明期にあたります。
熱意と活気にあふれる現場で、かがくいも生徒一人一人に合わせた授業や教材づくり、そして同僚とともに人形劇「つくし劇場」の活動に取り組みました。人形劇でかがくいが追求した、誰もが等しく感覚的に楽しめる「音・動き・見立て」の要素は、その後の絵本制作の礎となります。
絵本作家としての活動はわずかに4年、病のため54歳で急逝しますが、亡くなるその年まで教員を務めました。最後の勤務先は重度障がいにより通学困難な生徒の家を訪れ授業を行う、特別支援学校訪問部でした。
かがくいが紙粘土で作ったお誕生日ケーキは今も教材として現役で使われ、誕生日を迎えた生徒は、バニラの香りのする本物そっくりのケーキの前で記念撮影を行うといいます。
(s.o)

《お誕生日ケーキ》 2008-2009年頃 千葉県立松戸特別支援学校蔵

「つくし劇場」の体験コーナーも!
「かがくいひろしの世界展」
2026年3月22日(日)まで。ご来場はお早めに!
