2026年03月19日作品紹介④:かがくいひろし《未完「あかりをつけまーす」ラフ》

「だるまさん」シリーズは3作でひと区切りとなりましたが、その後も数多くのアイデアが温められていました。未完「だるまさんが ころころ」ラフでは、だるまさんが丸くなってころころ、四角になってかたかた、そのうちにバラバラに分割するという、乳児期の子どもの図形認識の可能性を探るような実験的な構成が試みられています。

奇想天外な発想は尽きることがなく、「だるまさん」の続編をはじめ展覧会で公開される未完ラフ作品には、たんたんめん、ぼたもち、せんぷうきと、やはり身の回りの素朴な物たちが登場します。

新作候補のひとつとして刊行準備が進められていた本作では、何とも気の抜けた表情のからすが主人公として登場します。見開きごとに暗転・明転が繰り返され、ページをめくって音の謎解きを楽しむ構成からは、かがくい特有の遊び心と入念な計算が見て取れます。惜しくも絵本として世に出ることのなかった、溢れんばかりの創造の世界の続きをぜひ会場でお楽しみください。

(s.o)

 

《未完「あかりをつけまーす」ラフ》2008-2009年 ©Hiroshi Kagakui

本展のために制作された影絵の映像作品も


「かがくいひろしの世界展」
2026年3月22日(日)まで。ご来場はお早めに!