2026年10月18日わたしたちのルノワール

日本で高い人気を誇るピエール゠オーギュスト・ルノワール。この名を聞けば、幸福感溢れる作品がふと思い浮かぶほどにその存在は人口に膾炙(かいしゃ)しています。この画家をこれほど身近に感じるのはなぜでしょうか。その理由の一端は、日本にルノワールの作品がもたらされた歴史をひもとくことで見えてきます。


ルノワール作品は、大きく二つの時期に分けて盛んに招来されました。第一段階は、明治末期から両大戦間にかけてのことです。晩年のルノワール本人から作品を購入した日本人画家や、西洋の美術を日本に紹介すべく収集に勤しんだ実業家によって作品が持ち帰られました。わが国で初めてルノワールの絵画が一般公開されたのもこの時期にあたりますが、この時点でルノワールはまだ一部の者が知る存在に留まっていました。

その裾野が急速に広がる第二段階は、高度経済成長を経た1970年代以降のこと。その後のバブル経済も追い風となり、各地で美術館の設立が相次ぎました。そこではルノワール作品の収集や展覧会の開催に力が注がれ、各地で身近に実作品を鑑賞することが可能となりました。同時に、作品の教科書掲載や広告への起用、グッズ化などがルノワールの知名度向上に寄与した点も見逃せません。

本展では、国内各地で守り継がれてきたルノワール作品39点を中心に、日本近代洋画、印象派の絵画など約80点が集っています。日本が誇る至高のルノワール・コレクションを堪能いただくとともに、ルノワールと日本人画家との美術交流にもご注目ください。

 

(a.h)


「わたしたちのルノワール 日本が愛した、幸せの画家」

11月15日(日)まで開催中!