2026年10月29日光と大気、ゆらぐ海-「わたしたちのルノワール」作品紹介③


クロード・モネ 《アヴァルの門》
1886年 島根県立美術館

1880年代のモネは近代化が進むパリを離れ、フランス北部・ノルマンディー地方の海岸を精力的に描くようになりました。本作で描かれたのは自然に形成されたアーチ状の崖と針岩で有名なエトルタの海岸であり、同じ崖を写実的に描いたクールベの作品もよく知られています。1881年に初めて同地を訪れたモネは、クールベの作品に言及しながら「私なりの違ったやり方で描いてみるつもりだ」と妻への手紙に書いています。その数年後に制作された本作は、高い場所から見下ろす構図によって崖と海面の両方に焦点が当てられています。空や大気、崖の色彩を映しながら揺らぐ水面の描写は、モネがこの地で繰り返した絵画的試みが見事に遂げられたことを感じさせます。

(a.h)

 

「わたしたちのルノワール 日本が愛した、幸せの画家」
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