2021年08月25日没後70年 吉田博展 作品紹介④《タジマハルの朝霧 第五》《タジマハルの夜 第六》
1930(昭和5)年11月から翌2月にかけて、吉田博はインドや東南アジアの旅に出ました。タージマハルのあるアーグラは重要な目的地のひとつ。同地で満月を迎えられるよう旅程を組んだといいます。
満月のもと、夜景をも写生できた吉田は、帰国後タージマハルを題材に6種類の版画を制作。5番目と6番目の作品では同じ版木を色を変えて摺る別摺の手法を用い、優美な霊廟の朝と夜のバリエーションを作り出しました。朝霧でかすむ庭園の広大さ、夜間の抑えた色合いに際立つ灯明が印象的です。
(k.y)
「没後70年 吉田博展」
会期:2021年6月19日(土)~8月29日(日) ※月曜休館