2021年12月25日風景画のはじまり―【4】ウジェーヌ・ブーダン

近代風景画史に大きな足跡を残したブーダン。その生涯は北西部のノルマンディー地方で幕を開けました。1824年、オンフルールの水夫の家に誕生。隣接するル・アーヴルに転居し、画材屋を開業しました。ジャン=フランソワ・ミレー、クチュール、トロワイヨン、イザベイらが常連客でした。彼らに感化され、画業に専念することを決心。その後故郷のノルマンディー地方やブルターニュ地方、オランダを拠点として、海景画家として名声を得ました。

ブーダンは戸外制作を重視し、移ろいゆく大気や空模様を写し取りました。かのコローからは「空の王者」と讃えられ、当時の画家たちの登竜門、官展にも繰り返し入選を果たします。1858年、後に印象派の領袖となる若き日のモネに出会い、戸外制作の教えを授けました。これは印象派の芸術観を決定づける重要な前段階となりました。1874年に第一回印象派展が開催された際にはブーダン自身も出品しています。


ブーダン《ベルク、出航》1890年 Inv. 907.19.34  ランス美術館 © MBA Reims 2019


 

(c.f)

 

「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」
会期 :2021年11月20日(土)-2022年1月23日(日)
休館日:月曜、年末年始[12月27日(月)-1月1日(土・祝)]
※ただし1月3日(月)、1月10日(月・祝)は開館、1月4日(火)、1月11日(火)休館
●1月2日、3日は開館!新年は「しずび」で!●