2022年08月04日【THE HEROES展 作品紹介】武者絵・鐔編 ―源平時代の英雄②
「ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」出品作品の中から、武者絵、鐔(つば)の一部を、そこに描かれた武者たちのエピソードとともにご紹介します。
【THE HEROES展作品紹介】武者絵・鐔編 ―源平時代の英雄① はこちら
鵯越の逆落とし
源平合戦の英雄・源義経。
一ノ谷の戦いでは、急な崖から馬で駆け下り平家に奇襲をかけた「鵯越の逆落とし」で見事勝利します。
左側に黒い馬で駆け下りる義経、右下に体を丸め転がる弁慶。
また近くには白馬を担ぐ武士が!愛馬が怪我しないよう背負った畠山重忠です。
弓流し
屋島の戦いで弓を海に落とした義経。味方が止めるのも聞かず拾いに向かいます。
どんなに高価な弓でも命には代えられないと非難されると、義経は、敵に弓を拾われこんな弱い弓を使っているのかと笑われるのは耐えがたいと答えたそう。
源氏の大将としての誇りを感じさせるエピソードです。
壇ノ浦合戦
源平合戦もクライマックス。元暦2年(1185)3月、ついに追い詰められた平家は山口県の壇ノ浦で滅亡します。
「波の下にも都はありますよ」
清盛の妻・二位尼は孫である幼い安徳天皇にそう語り、ともに海中に入りました。
なお、このとき平家方の武将・平知盛は味方の入水を見届けた後、「見るべき程の事は見つ。今は自害せん」と水に浮かばないよう鎧2領を着て海へと消えました。
浄瑠璃「義経千本桜」では鎧ではなく碇を体に巻き付けており、「碇知盛」で知られています。
(s.o)
「ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」
会期:8月28日(日)まで(8月15日除く毎週月曜休館)