2022年12月21日【杉浦非水展】作品紹介①「三越呉服店 春の新柄陳列会」

「三越呉服店 春の新柄陳列会」1914年 愛媛県美術館蔵


蝶柄の振袖をまとう乙女がゆったりとソファに身を預けています。前髪を分けた束髪に髪飾りや大きなリボンを着け、指には宝石が輝きます。華やかな装いが眼を引きますが、それ以上にこの絵を特徴づけるのは、全体の統一感をもたらす装飾模様です。着物はもとより、後景の家具調度に至るまで、動植物を単純化し直線や渦巻と組み合わせた装飾模様で覆われ、さらには、「三越呉服店」の文字までもが渦巻に飾られています。非水自ら「ヴィンナ・セッセッション風」と述べたように、ウィーン分離派の影響が色濃く表れています。

本作品は杉浦非水が初めて三越呉服店のために手がけた大型ポスターです。人物の手元にはPR誌『三越』が描かれるなど抜かりありません。非水は、三越が提案する新しくて豊かな生活のイメージを欧風のデザインに託したのです。


 

(k.y)

 

「杉浦非水 時代をひらくデザイン
2023年1月29日(日)まで開催中