• 2024年03月03日 「高畑勲展」来場者が2万人を達成!

    3月1日(金)に「高畑勲展 ―日本のアニメーションに遺したもの」の来場者が2万人を達成しました。
    2万人目は、市内ご出身の大学生のお三方です。

    長期休暇で久しぶりに集まる機会に、美術館めぐりをしようということで
    高畑勲展に来てくださいました。

    高畑監督の作品は今まで意識したことがなかったけれど、
    「アルプスの少女ハイジ」や「ドラえもん」、「ルパン三世」などのテレビシリーズにも関わっていたと初めて知り、
    多くの作品を生み出していることに驚いたとお話しいただきました。

    お三方には当館館長より記念品を贈呈しました。おめでとうございます!


    「高畑勲展 ―日本のアニメーションに遺したもの」は3/31(日)まで開催しています。
    半世紀にわたり日本のアニメーションをけん引し続けた、高畑勲監督作品の多面的な魅力を1300件超の作品と資料でご紹介します。


    閉幕間際は混雑が予想されますので、気になる方はぜひお早めにお出かけください👟

    (m.o)

     

     

  • 2024年02月03日 「高畑勲展」来場者が1万人を達成!

    2月2日(金)に「高畑勲展 ―日本のアニメーションに遺したもの」の来場者が1万人を達成しました。
    1万人目は、富士市からお越しの親子です。

    小学2年生の娘さんは絵を描くのが大好きで、将来の夢は漫画家とのこと!🎨
    高畑勲展でアニメーション作品のことを勉強したい、とお話しいただきました。

    お二人には当館館長より記念品を贈呈しました。おめでとうございます!


    『パンダコパンダ』のフォトスポットで記念撮影🐼📷

     

    「高畑勲展 ―日本のアニメーションに遺したもの」は3/31(日)まで開催しています。
    初公開を多数含む高畑監督直筆の制作ノートや企画書、音楽設定などの貴重な資料のほか、
    初期から高畑監督を支えたスタッフによる絵コンテやレイアウト、原画、背景画など1,300件超をとおして、名作アニメーション誕生の裏側を紹介します。


    会期中の2月には『かぐや姫の物語』等の映画上映会パラパラマンガキットプレゼント企画も開催!

    ぜひご家族みんなでお楽しみください。

     

    (m.o)

     

     

  • 2024年01月05日 手描きの線のもつ力

    『かぐや姫の物語』は、8年の歳月をかけ2013年に公開となった高畑勲監督の遺作です。この作品で高畑氏が目指したのは「スケッチのように描いた絵がそのまま動く」アニメーションでした。デジタル化が進み3DCG作品が注目を集める中、なぜ高畑氏の関心は真逆の方向へと向かっていったのでしょうか。

    これまで主流だったセルアニメーションは、キャラクターを描いた下絵を元にセル画(透明なシートに輪郭線を写し、裏から彩色する)が用意され、それを背景画の上に重ねて制作します。その過程で、下絵がどれほど素晴らしくてもトレースすることで線の勢いは失われ、色味も塗り絵のようにフラットな表現にならざるを得ません。
    このような表現上の制約と違和感を払拭すべく高畑氏が参考にしたものが、60代から研究を始めた平安時代の絵巻物でした。《鳥獣人物戯画》(高山寺蔵)などの自由闊達で生き生きと動きを感じさせる描線を目指した『かぐや姫の物語』は、それまでのセル画を乗り越える新しい表現として世界中のアニメーション関係者を驚かせました。また、絵はあえて小さいサイズで描きそれを拡大することで、線の質感やスピード感を画面に効果的に取り入れています。絵が動く原初的な感動と想像力を刺激する余白の美しさが見る者の心を動かします。

    『かぐや姫の物語』(2013年)  橋本晋治による原画
    ©2013 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK


    これはかぐや姫が疾走する場面の絵です。一枚の絵として見ると何が描かれているかわからないほど抽象的ですが、映像になると全身からかぐや姫の悲しみがひしひしと伝わるシーンになっています。「線で描かれた絵には、見る人の想像力を引き出す力がある」…生前、高畑氏は当館のご講演でそう語っていました。その言葉の意味を、皆さんもぜひ展覧会で味わってみてください。

    (m.y)


    「高畑勲展 ―日本のアニメーションに遺したもの」
    会期:2023年12月27日(水)〜2024年3月31日(日)