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Shizubi Research+ 倉俣史朗と静岡

倉俣史朗と静岡

倉俣史朗(1934-1991)は、椅子や照明機器などのプロダクトやインテリアデザインの分野で革新的な活動を展開した、戦後日本を代表するデザイナーです。アクリル、ガラス、アルミニウム、FRPなど、それまで家具や内装で使用されることのなかった素材を積極的に取り入れ、透明感や浮遊感に満ちた独創性あふれる作品で世界的にも高い評価を得ました。
戦中、愛鷹村(現・静岡県沼津市)に疎開していたというだけでなく、倉俣と静岡は深い関係にありました。彼がそのキャリアをスタートさせた60年代半ばから80年代にかけて静岡の数多くの商業空間が手がけられ、当館が位置する静岡駅前に限っても、トンボヤ(衣料品/1966、70)、タカラ堂(宝飾品/1965、69、70、71、89)、COMBLÉ(バー/1988)などがあげられます。なかでも、天井の曲面と柔らかな色彩で人を包み込む COMBLÉ(コンブレ)は、倉俣の空間が体感できる、数少ない現存例です(一部改装済)。さらに静岡市が 1988年に主催した「家具産地イメージアップ事業」では、倉俣と静岡の職人がオリジナルのイスとテーブルを共同制作しています。
当館では関係者や市民から聞き取りを行うなど、倉俣史朗と静岡についての調査を進めてきました。昨年度はプレ企画として、パネル展示やCOMBLÉでのトークイベントを行いました。本年度は、「家具産地イメージアップ事業」にて制作された静岡市が収蔵する椅子5脚のほか、これまでの調査過程で発見された新たな図面や写真資料などのアーカイブ資料を当館多目的室にて特集展示します。また、倉俣の静岡での足跡をまとめた記録集を、2025年3月末に発行予定です。

 

[会  期]
2024年11月6日(水)~12月15日(日) 10:00-19:00
※月曜休館
※11/9(土)、12/7(土)ほか、他イベント実施時は閉室

[会  場]
静岡市美術館 多目的室

[観覧料]
無料

[主 催]
静岡市美術館 指定管理者(公財)静岡市文化振興財団

[協 力]
クラマタデザイン事務所

*本事業は、静岡市文化振興財団アフターコロナ事業の一環として実施します。

 

■ギャラリートーク
日時:12月14日(土)、15日(日)いずれも15:00-
会場:当館多目的室
参加料無料、申込不要(当日直接会場までお越しください)

 

■本展とあわせ、倉俣が手掛けたバー・コンブレにもお立ち寄りください
COMBLÉ(静岡県静岡市葵区呉服町2-7 静専ビル2F) *営業時間等詳細はInstagramアカウント(@comble.bar)をご確認ください。

 

◆2023年開催「Shizubi Research+ 倉俣史朗と静岡 プレ企画」の情報はこちら

 


■「Shizubi Research+ 倉俣史朗と静岡」記録集

戦後日本を代表するデザイナー倉俣史朗(1934-1991)が静岡で手がけた商業空間を記録写真や資料とともに紹介。
倉俣研究者の橋本啓子氏による論考のほか、当館学芸員によるエッセイ、倉俣と時代を伴走してきた写真家・藤塚光政氏による現存するバーCOMBLÉの撮りおろし写真、新発見の資料などを収録。
倉俣史朗の静岡での足跡をたどる決定版ともいえる1冊です。


[内容]

・倉俣史朗が静岡で手がけた店舗など一覧
・「アートからデザインへ―《トンボヤ》と《タカラ堂》が倉俣にもたらしたもの」
橋本啓子(近畿大学建築学部教授)
・「倉俣史朗の静岡での足跡をめぐって」
伊藤鮎(静岡市美術館学芸員)
・COMBLÉ 2025―37年の時をつなぐ
撮影:藤塚光政
・展覧会(2024.11.6ー12.15)インスタレーションビュー  ほか

[サイズ]B5変形(156×234㎜) 全136ページ
[価格]2,200円(税込)  ※販売終了(在庫なし)