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本展のみどころ
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写真が誕生したのは今から約180年前ですが、本展では19世紀末から今日に至るまでの約180点で、多様に広がる写真表現の変遷を辿ります。芸術としての写真の確立に努め、写真のモダニズムを切り拓いたアメリカのアルフレッド・スティーグリッツ、スナップショットの名手フランスのアンリ・カルティエ=ブレッソン、報道写真の分野で活躍したロバート・キャパやW・ユージン・スミスなど、写真界の巨匠たち68作家の代表作を6つのセクションに分けて紹介します。近代写真史のダイジェスト版のような本展は、写真愛好家や歴史に関心がある方はもちろん、初めて写真に触れる方にもおすすめの内容です。
京都国立近代美術館(1963年開館)は、日本の美術館のなかでも先がけて写真というメディアを取り扱ってきた美術館です。アメリカのアーノルド&テミー・ギルバート夫妻が約20年にわたって収集した世界屈指の写真コレクション「ギルバート・コレクション」1,050点が京セラ株式会社によって購入され、日本初の大規模な写真コレクションとして京都国立近代美術館に寄贈されたのは1986年のことでした。その後も収集活動を続け、現在では約2,000点が写真コレクションに登録されています。本展では京都国立近代美術館を中心に、東京国立近代美術館、国立国際美術館からの作品も加え、国立美術館の充実した写真コレクションの一端をご紹介します。写真家自身が焼付をした諧調豊かな美しいプリントや、写真家監修のもとに制作された質の高いプリントが、間近で鑑賞できる貴重な機会となります。またゼラチン・シルバー・プリント(銀塩写真)だけでなく、プラチナ・プリント、ブロムオイル・プリントなど幅広い写真技法にも触れることができます。デジタルメディアが普及する今だからこそ、力強く訴えかけてくる物質としての写真の魅力をご堪能ください。
ピクトリアリズム、ストレートフォト、ドキュメンタリー、新即物主義、フォトジャーナリズムなど、本展では近代以降の写真史を辿りながら、写真にまつわる様々なトピックにも焦点をあてていきます。写真家たちの主な発表の場となった雑誌や写真集、重要な写真展を関連資料とともに紹介。社会や時代の変化のなかで写真がどのように扱われ、見られてきたのかを読み解いていきます。写真が単に現実を記録したものではなく、多層的な意味を含むメディアであることが浮かびあがってきます。