館長挨拶

静岡市美術館は、「しずおか文化」の創造・継承・発信を基本理念に2010年に開館しました。「しずび」の愛称で知られる当館は、JR静岡駅前に建つ葵タワーの3階に位置し、新幹線の改札口から徒歩数分という便利な場所にある都市型美術館です。開館以来、美術、歴史、工芸、彫刻、写真、デザイン、アニメ、絵本など幅広いジャンルの展覧会を年間5~6本ずつ開催し、毎年多くのお客様にご来館いただいております。「しずび」が目指すのは、静岡市にいながら、古今東西の美術、世界の名品に触れることができる「豊かな鑑賞体験」を提供することです。優れた美術作品を観ることを通じて、次代を担う創造的な人材が育っていく——そこに美術館の存在意義があると信じています。
中心市街地「おまち」の入り口にある当館は、「街の中のちょっと面白い広場」をコンセプトに、講演会やトークイベント、映画の上映会やコンサートなど幅広いイベントを開催しています。教育普及にも力を入れ、ミュージアム教室や出前講座、様々な年齢層のお客様を対象とした各種のワークショップも数多く開いています。子供たちが美術に触れる最初のきっかけをつくり、市民の皆さんに一番に想起してもらえる美術館になりたいと願っています。美術に親しむ空間として、当館をご活用いただければ幸いです。

 静岡市美術館
館長 高市純行