2014年11月11日【国宝・久能山東照宮展】 家康吉祥の具足、歯朶具足(しだぐそく)

伊予札黒糸威胴丸具足(いよざねくろいとおどしどうまるぐそく)。
なんだか漢字がたくさん並び、とても難しそうに感じる名前ですが、そんなことはありません。
伊予札(いよざね)と呼ばれる甲冑の材料となる鉄・革の小板を黒糸(濃いこげ茶色)で威(おどし/緒を通し=縫い付けること)、冑(よろい)は右で結ぶ胴丸という種類の具足(甲冑・冑と兜(かぶと))であるということが並べ立てて説明されているだけで、わかってしまえば「そのまんまじゃん」と言いたくなります。
この冑、徳川家康が所用し、現在久能山東照宮に納められている甲冑の名前です。
兜の前に立てる前立(まえたて)が植物のシダの葉の形であることから「歯朶具足」とも呼ばれています。
家康が天下分け目の決戦、関ヶ原の戦いと豊臣家を滅ぼした大坂の陣に携行し、見事勝利を収めたことから徳川家”吉祥の具足”として、大切にされてきた特別なものです。
大河ドラマ「天地人」で有名になった直江兼続の「愛」の前立に見られるような戦国時代特有の奇抜さはありませんが、黒漆塗の重厚なデザインは質素倹約を旨とした家康らしさを表すようにも感じます。
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重要文化財「伊予札黒糸威胴丸具足(歯朶具足)」 久能山東照宮博物館蔵
(展示期間:10/21-11/24)
ちなみに、家康は大坂冬の陣でも別の歯朶具足を作成し、駿府から大坂に向かう道中、奈良の漢国神社に奉納しています。
残念ながらこちらの具足は奉納する際に兜が落ちてしまい、縁起が悪いと兜は奉納されなかったようです。
※展示替えのため、既に展示が終了しています(10月4日~10月19日までの展示)
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奈良県指定文化財「伊予札茶糸威胴丸具足 附具足櫃」漢国神社蔵
(展示期間:10/4-10/19)
今回、「国宝・久能山東照宮展 家康と静岡ゆかりの名宝」では、会期を分けてこの二つの歯朶具足を紹介しています。
その他、南蛮胴具足(なんばんどうぐそく)や徳川歴代将軍の武具・甲冑も一堂に会するまたとない機会です。
ぜひご覧ください。
後期展示.JPG
(s.o)
会期:2014年10月4日(土)~11月24日(月・祝)
観覧料:一般1,200(1,000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料
*( )内は当日に限り20名以上の団体料金*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料
静岡市美術館、久能山東照宮を周遊する共通チケットを販売します。
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