2012年11月18日「Shizubi Project 2 ひそやかな眼差し 小林且典」11月25日まで開催中です!
展示室では「ストラスブール美術館展-モダンアートへの招待」が好評開催中ですが、
エントランス・多目的室では、「Shizubi Project 2 ひそやかな眼差し 小林且典」が同時開催されています。
こちらの展示、タイトル通り”ひそやかに”、実は8月28日から始まっておりました。
そして、会期も残すところあと一週間ほど…。
遅くなりましたが、関連イベントのご報告も兼ねてご紹介したいと思います。
「Shizubi Project」とは、当館のどなたでも無料でお入り頂けるエントランスホール、多目的室の
開放的な空間を活かして、現代のさまざまな美術の姿をご紹介するプロジェクト。
第1回目は昨年度、彫刻家の袴田京太朗さんをご紹介しました(→https://shizubi.jp/event/20110712-1023.php)。
第2回の今年は、彫刻家・写真家の小林且典さんを取り上げています。
「彫刻家・写真家」とあるように、小林さんは、彫刻作品制作して、その作品を自ら写真に撮る、
というスタイルをとっていらっしゃいます。
手前に映っている作品はブロンズで出来ていますが、
向こう側の壁には、そのブロンズを映した写真作品がかけられています。
また今回の展示では、最新作だけでなく、小林さんのこれまでの作品も展示しています。
イタリア留学時に出会ったろう型鋳造法をもとに制作されたブロンズ作品のほか、
フィンランドの芸術家村フィスカルスでの滞在を機に始めた、木のシリーズ。
写真作品もゼラチンシルバープリント、カラープリントのほか、
プラチナプリントという、字のごとく「プラチナ」を使った焼き付け方法で印画された作品まで、
ダイジェストではありますが、ご紹介しています。
永い時間を生き抜いてきたような佇まいをみせるブロンズ彫刻と、
その彫刻を撮影しながらも、どこか人の気配を匂わせる写真作品。
ふらりと美術館に訪れた方々が、小林さんの作品世界に惹きこまれるかのように
じっくりと鑑賞している姿が、会期中よく見られました。
この想定外の作品との出会いが、まさに「Shizubi Project」の醍醐味です。
そして!
今回の展示にあわせて、『小林且典作品集 ひそやかな眼差し』が
当館監修のもと、みすず書房さんから刊行されました!
西洋美術史家の岡田温司さんによる素敵なテキスト、
平野太呂さんによるアトリエ撮りおろし写真、当館学芸員の解説2本のほか、
インスタレーションビュー、英訳が付録でついてきます。
内容も盛りだくさんですが、小林さんの作品に通じるような、
カタログというより美しい本に仕上がりました。
こちらの作品集は一般書店でも販売してますが、、当館でお買い求め頂くと
小林さんのサイン入りになります!(数量限定、ご購入の詳細はこちら→https://shizubi.jp/cafe/mailorder.php)
この作品集の刊行を記念して、去る9月29日(土)に
小林さん、岡田温司さん、当館学芸課長の以倉による対談イベントが行われました。
台風17号直撃のなか、お越し頂いた方々、ありがとうございました!
また、9月30日、11月10日は小林さんによるアーティストトークを行いました。
当日は小林さん愛用のカメラ(しかも手作りのレンズ!)を見せて頂いたり、
ブロンズの制作方法など、作品を前にお話して頂きました。
参加して下さった方からも質問が出るなど、終始和やかな雰囲気でした。
長々と書いてしまいましたが、
「Shizubi Project 2 ひそやかな眼差し 小林且典」は11月25日まで開催中です!
どうぞお見逃しなく!
(a.i)