2014年06月29日法隆寺展作品紹介② 「日本のお釈迦様 聖徳太子」
小さな手を合わせてお祈りする聖徳太子の作品を紹介します。
赤い袴を身に着け、上半身は裸ですが、その肩や二の腕などはふくふくとした幼児そのものの愛らしい姿をしています。
きっと身近に小さなお子様がいる方はよくわかるのではないでしょうか?
ですが、顔をよく見てみると姿に似合わぬ(?)きりりとした表情!凛とした立ち姿!!
とても2歳児とは思えません。。。
なぜこのような子どもの姿をした聖徳太子像が作られたのか。
平安時代中期に作られた、太子のさまざまな奇跡を年代順に記した伝記『聖徳太子伝暦』によれば、聖徳太子はわずか2歳(満1歳)にして、釈迦がお亡くなりになった2月15日に東方を向いて「南無仏」と唱えたと言われています。
まるで誕生後7歩あるき、「天上天下唯我独尊」と唱えたお釈迦様に似た逸話ですね。
聖徳太子は日本に仏教を広めた「祖」として、お釈迦様の再来と信じられ尊敬され、信仰されたのです。
鎌倉時代以降、このような「聖徳太子二歳像」いわゆる「南無仏太子像」が多く作られました。
今回紹介した「聖徳太子二歳像」も、その一つ。
調査によって像内に「徳治二年」(1307)と書かれた墨書が発見され、鎌倉時代の古いお像だと分かりました。
聖徳太子立像(二歳像)奈良・法隆寺蔵 画像提供:奈良国立博物館(撮影 森村欣司)
(s.o)
会期:2014年6月14日(土)~7月27日(日)
観覧料:一般1200(1000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料
*( )内は当日に限り20名以上の団体料金
*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料