2017年12月17日「ターナーからモネへ」作品紹介① ターナー《難破後の朝》

19世紀の英国を代表する画家、ターナー。展覧会では、出品作家の中で一番点数の多い、6作品(水彩3点、油彩3点)を展示しています。

 

《難破後の朝》は、ターナーの後期の作品です。タイトルが示す通り、画面の中央には、嵐に遭遇し、帆が無残に破れた船が霞の向こうにぼんやりと見えます。手前の浜辺には、漂着し身を寄せ合う人々が描かれていますが、大きな筆致のため、一人ひとりの表情や細かな動きははっきりとはわかりません。

 

風景画で名高いターナーは特に後半生において、単に風景を克明に再現するのではなく、その風景の中に現れる自然のエネルギーや大気の一瞬の雰囲気を、色彩の微妙な変化の中で捉えようとしました。この作品にも、ターナーのその特徴がよく現れています。

 

 

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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《難破後の朝》1840年頃
ウェールズ国立美術館 ©National Museum of Wales

 

 

(k.o)

 

 

 

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