2014年06月21日法隆寺展作品紹介① 「夢違観音のほほえみ」

法隆寺といえば、修学旅行で、観光で、多くの人が一度は尋ねたことのある、奈良を代表するお寺ですね。
法隆寺金堂には、有名な釈迦三尊像があります。中国・初唐の文化を反映したアルカイックスマイルのこのお像の迫力たるや、まさに圧倒されてしまいます。
このお像を拝んだ後、大宝蔵院の観音菩薩立像(夢違観音)をみてみると、その優しく清々しい表情、しなやかな曲線美に、えもいわれぬ安らかな気分になったことを思い出す方も多いでしょう。
この夢違観音は、東院夢殿の後方に建つ絵殿の本尊として伝来しました。
夢違観音と呼ばれるのは、このお像を拝めば、悪い夢を良い夢に変えてくださる、という信仰からだといいます。
因みに少なくとも江戸時代にはこのような信仰があったことが知られています。
聖徳太子が活躍した一四〇〇年前、日本独自の明朗な白鳳文化が開花しました。
その申し子というべき夢違観音の、少年のような表情や優しいほほえみをみるにつけ、人々がこのお像から感じる気持ちは、今も昔もかわらないのではないか、そんなことを思います。
本展では関東白鳳仏の白眉、調布・深大寺の釈迦如来倚像、播磨の法隆寺・鶴林寺の観音菩薩立像(通称アイタタ観音)など、白鳳仏の名品が、360度、どの方向からも見られるまたとない機会です。
ぜひおでかけください!
①国宝 観音菩薩立像(夢違観音)(法隆寺).jpg
国宝 観音菩薩立像(夢違観音) 奈良・法隆寺蔵 画像提供:奈良国立博物館(撮影 佐々木香輔)
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重要文化財 釈迦如来倚像 東京・深大寺蔵 Image: TNM Image Archives
②重要文化財 観音菩薩立像(鶴林寺).jpg
重要文化財 観音菩薩立像 兵庫・鶴林寺蔵 画像提供:奈良国立博物館(撮影 佐々木香輔)
(e.y)
会期:2014年6月14日(土)~7月27日(日)
観覧料:一般1200(1000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料
*( )内は当日に限り20名以上の団体料金
*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料