2022年02月22日「平等院鳳凰堂と浄土院」 作品紹介①《雲中供養菩薩像》
鳳凰堂本尊の阿弥陀如来坐像(国宝)を囲むように、長押上の小壁に懸け並べられた52軀の可憐な菩薩たち。尾を靡かせた雲に乗って飛翔しながら、楽器を奏で、香炉や天蓋を捧げ持ち、またリズミカルに舞い踊り、あるいは合掌しています。いずれも極楽浄土の主である阿弥陀如来を讃嘆供養する姿を表現しています。
【前期(2/5ー27)展示】
【後期(3/1ー27)展示】
これらは本尊とともに定朝主宰の工房で制作されたと推測されますが、複数の仏師が関与したとみられ作風は一様ではありません。970年の時を経た現在は木肌を見せていますが、髻や着衣には緑青や朱の痕跡が認められ、完成時は鮮やかな彩色と繊細な截金で華麗に装飾されていたと想像されます。
この菩薩の群像については、当初の数や配置など不明な点が多くあります。しかし贅美を尽くした鳳凰堂内の装飾や扉に描かれた来迎図とも調和し、礼拝者の眼前に極楽浄土を現出するための重要な役割を担っていたと考えられます。
(t.t)
「平等院鳳凰堂と浄土院 その美と信仰」
会期:2022年2月5日(土)ー3月27日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし3月21日(月・祝)は開館)、3月22日(火)
※会期中、一部展示替えがあります。前期2月27日(日)まで、後期3月1日(火)から
※国宝《雲中供養菩薩像》は前期2軀、後期2軀(全4軀)を展示します。