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2012年10月04日 フィンランドのくらしとデザイン展 2万人、3万人達成! & 講演会のご報告
「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展の来場者が、
9月20日(木)に2万人を達成、10月1日(月)には3万人を達成しました!開催20日目での2万人達成、31日目での3万人達成は、
昨年度実施した「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展と並び、最速です!
記念すべき2万人目のお客様は、掛川市よりお越しの菅沼さんご一家!
子どもの頃、学校で「ムーミン踊り」(?)なるものをした思い出があるというお母様、展覧会のお目当てはムーミンとデザインとのこと。
そして、3万人目のお客様は、静岡市内よりお越しの鹿沼さん親子!
ちょうどこの日はトークフリーデーでした。
親子で楽しくお話ししながら、ご鑑賞いただけましたでしょうか?菅沼さん、鹿沼さんには、当館館長より記念品を贈呈しました。おめでとうございます!
さて、「フィンランドのくらしとデザイン」展では、関連イベントとして講演会を2本開催いたしました。
開幕初日の9月1日(土)に「アクセリ・ガレン=カレラと民族叙事詩『カレワラ』」を開催。
フィンランド、エスポーという都市にあるガレン=カレラ美術館のコレクション主任、ミンナ・トゥルティアイネン氏を講師に迎えました。
フィンランドでは、国民的画家として知られているアクセリ・ガレン=カレラ。
近年、オルセー美術館で大回顧展が開催されるなど、世界的にも再評価が高まっている画家のひとりです。民族叙事詩『カレワラ』は、フィンランド文学のうち最も重要なもののひとつとされています。
ロシアの支配下にあったフィンランド。『カレワラ』を題材に多くの芸術家が音楽や絵画などを制作、民族意識を高めたというお話も。
ガレン=カレラという画家を通して、フィンランドの歴史も垣間見えました。本展には出品されていませんが、アフリカ滞在時にはこのような明るい色彩の作品も制作していたそう。
また、フランス留学している時に触れた浮世絵の影響もあるのではというお話もあり、ガレン=カレラが多様な表現を取り入れていたことがわかりました。
展覧会ではガレン=カレラの油彩画、挿絵原画、工芸品など約40点を出品しています。
ガレン=カレラをはじめとする画家たちの作品を通じて、フィンランドの国について、じっくり知っていただく機会になれば幸いです。
また、9月22日(土・祝)には「北欧デザインの中のフィンランド・モダンデザイン」を開催しました。
「北欧デザイン」研究の第一人者である、島崎信氏(武蔵野美術大学名誉教授・日本フィンランドデザイン協会理事長)を
講師にご講演いただきました。
国土の78%が森というフィンランド。
フィンランドの風土や歴史、文化などからフィンランドデザインが生まれた背景などもお話しいただきました。「”使う人の事を考えたデザイン”だから、長い年月がたっても残っている」という
島崎先生のお言葉、みなさん印象深かったようです。
また、フィンランドの文化と日本の文化には共通点が多いというお話も。
お客様からのアンケートには「フィンランドのデザインを見るとなぜかホッとする理由がわかった」という声もありました。「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展は、
フィンランドのライフスタイルを紹介するこれまでにない大規模な展覧会です。
会期も残すところ数日となりました…本当にあっという間です。
この連休は静岡市美術館へ、ぜひお越しください!
みなさまのご来館をお待ちしています!(c.o)
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2012年09月18日 フィンランド展 観覧1万人達成!&ヤンネ舘野コンサートのご報告
9月9日(日)、「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展の観覧者が、
開幕9日目にして1万人を突破しました!
1万人目のお客様は、愛知県春日井市からお越しの永井さんご一家!
フィンランド展のために、遠方からご来館いただきました。ありがとうございます!
永井さんご一家、実は5人家族だそうで、中学生のお兄さん(お姉さん?)は、おうちでお留守番されていたそうです。今度は家族みんなで遊びにいらしてくださいね♪
エントランスホールに設置されている『森の家』の前で、当館館長より記念品を贈呈。
おめでとうございます!そして同日、ヤンネ舘野トーク&コンサート「フィンランドの響き」を開催しました。
ヘルシンキ出身のヴァイオリニストのヤンネさん。ピアニストの舘野泉氏を父に、ソプラノ歌手のマリア・ホロパイネン氏を母に持ち、まさに二つの祖国「フィンランドと日本」で活躍していらっしゃいます。
今回は、バリトン歌手の井上雅人さん、ピアニストの水月恵美子さんが共演。
フィンランドの作曲家による作品や、フィンランド歌曲を中心に演奏いただきました。ヤンネさんのヴァイオリンは、優しく流れる風のよう。お人柄をそのまま表しているようです。
ぬくもりのある井上さんの歌声が、会場いっぱいに(お腹にも!)響きます。
水月さんの軽やかなピアノの音色。「フィンランドの川の流れを感じました」というお客さんの感想も納得です。
演奏の合間には、フィンランドのお話もたくさん。
フィンランド滞在時の体験談や、フィンランド語と日本語のちょっと変わった共通点など、ユニークなお話ばかりでした。アンコールは、お三方一緒に。
会場はお客様の大きな拍手に包まれました。
たくさんのご来場、ありがとうございました!おまけ。
終演後のお三方。ロゴマークを使って、こんなに楽しい写真がとれるなんて!(c.o)
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2012年09月15日 フィンランドの伝統装飾 ヒンメリをつくりました!
「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展がスタートしてから、
ちょうど1週間目の9月8日、展覧会関連イベントとして、
ワークショップ「フィンランドの伝統装飾 ヒンメリをつくろう!」を開催しました。
ヒンメリとは、麦わらにひもを通してつくる、正八面体を基本としたモビールで、
フィンランドの伝統装飾です。今回、このヒンメリの作り方を教えてくれるのは、
造形作家のおおくぼともこさんです。おおくぼさんは、麦わら細工に興味を持ち、調べていたとき、
今までに見たこともない、美しいモビール…ヒンメリに出会ったそうです。制作に入る前に、ヒンメリについてのおはなしを
たっぷり聞かせていただきました。こちらは、おおくぼさんの著書『ヒンメリ―フィンランドの伝統装飾』。
美しいヒンメリがたくさん載っています!ヒンメリの基本は正八面体ですが、
大きさやつなぎ方、数を変えることで、
さまざまなバリエーションが生まれます。子どもたちも興味津々!
次に、ヒンメリの材料、麦わらのおはなし。
なんと、おおくぼさんが育てた麦を持ってきてくださいました!
そして、ヒンメリが生まれた、フィンランドのおはなし。
紙の地球儀で、みんなでフィンランドを探します。
フィンランド、実は日本にいちばん近いヨーロッパなんですよ!
今日使う麦わらがこちら。
ワークショップの始まる少し前に、水に浸しておきました。
こうすることで、麦わらを切るとき、割れにくくなるそう。
これを、同じ長さに切りそろえて…
ひもを通していきます。
みんな真剣…!
完成したら、この小さな正八面体を、おおくぼさんがつなげていきます。
少しずつ…
少しずつ…
大きくなっていきます!!
参加者のみんなは、次に大きな正八面体づくりに挑戦です。
大きな正八面体の中に、小さな正八面体を入れてつなげると…
こんなにすてきなモビールが完成!
こちらは参加者のお持ち帰り用です。
そしてこちらが…
参加者みんなでつくった正八面体を、
おおくぼさんがつなげて完成した、大きなヒンメリ!この、みんなでつくったヒンメリは、
美術館エントランスホールの「森の家」の中に展示しています!「森の家」の中に入ると…
きれいなヒンメリが皆さんをお出迎え!
ぜひ近くでご覧ください。
「森の家」はエントランスホールにありますので、
開館時間中であれば、いつでも、どなたでも、無料で、観覧できます!「もう展覧会は観たよ!」と言う方も、ぜひぜひ足を運んでくださいね。
(m.y)
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2012年09月08日 「フィンランドのくらしとデザイン」展 毎週月曜日はトークフリーデー!!
「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展、開幕から早くも1週間が経ちました。
連日、たくさんのお客様にご来館いただき、とてもうれしく思います!さて、先日ツイッターでもつぶやきましたが、展覧会では、脇坂克二の子どものための「ブブー」シリーズを展示しています。
車のイラストのコップやお皿、大きい生地などを明るい展示室で見ていると、とても元気な気持ちになります。このデザインは、小風さち作の絵本「ブーブーブー」でもおなじみです。
静岡市には、ブックスタートという生後6か月の赤ちゃんに絵本をプレゼントする事業がありますが、絵本「ブーブーブー」は、このブックスタートで長い間、親しまれています。
お父さんやお母さん、ちびっこたちをはじめ、絵本を手に取ったことのある方は「こんなところに!!」と感じるかもしれませんね♪「フィンランドのくらしとデザイン」展、ご家族で来館されるお客様も、たくさんいらっしゃいます。
そこで、当館では、毎週月曜日に「トークフリーデー」を実施しています!
小さいお子様連れのお客様や、お友達とご来館される方など、会話を楽しみながら気軽に作品を鑑賞していただければ幸いです。最後に・・・
“まだ間に合う!”申込受付中のイベントのご案内です。詳細は各イベントページをご覧ください。◆ShizubiシネマアワーVol.5「フィンランドを楽しむ映画」『かもめ食堂』
9月16日(日)15:00~(14:30会場)
映画はたくさんの人と一緒に楽しみたい!という方におすすめ。
当館受付にて、チケット好評販売中です。◆「しずびチビッこプログラム」
9月29日(土)①10:30~12:00 ②14:00~15:30
2歳以上の未就学児を対象とした、小さな子ども達のためのアート体験プログラム。
お子様をお預かりする間、保護者の方は展覧会をお楽しみください。(c.o)
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2012年08月17日 “京・冷泉家と徳川家のコラボレーション”
冷泉家の乞巧奠(星祭り)は、毎年旧暦の七月七日に行われます。
これは年に一夜の星の逢瀬(おうせ)を祝し、かつ技の巧みな星に自らの技を手向けて上達を祈る、というものだそうです。和歌の宗家である冷泉家では、七夕の日の夕方、二星にむかって雅楽を奏し、和歌を手向け、兼題を披講(ひこう/声に出して詠む)し、次に「流れの座」となり、白布を天の川に見立て、男女が相対し、歌を詠みかわして贈答するそうです。本展で展示している乞巧奠の祭壇 星の座は、織姫と彦星に手向けられた、お供物といっていいでしょう。
角盥(つのだらい)には梶(かじ)の葉を浮かべ、九本の灯台に明かりをともし、海の幸、山の幸を各九種、秋の七草、五色の絹・糸、そして雅楽の楽器(琴と琵琶)を飾る。この雅楽の楽器、本展では静岡浅間神社の御好意で、江戸幕府十五代将軍・徳川慶喜の父、徳川斉昭が自ら作り愛用したと伝えられる琵琶を二星に手向けています。
この琵琶は、雅楽の家である東儀家が、安政三年に斉昭より賜り、大正十三年に東儀家より静岡浅間神社へ奉納されたもの。平安時代以来、宮中の年中行事として伝えられた乞巧奠の形を、ほぼそのまま守り伝える冷泉家の星の座もなかなか目にする機会はありませんが、冷泉家の星の座と斉昭の琵琶が一緒に展示されることは、今後、おそらくないでしょう。
冷泉家も、静岡ならではのこの趣向を大いに喜んで下さり今回実現しました!因みに徳川将軍家には中華文人の書斎を飾る文具が「七夕飾文具」として伝来しています。幕末から明治期には既に、乞巧奠は主に女性の裁縫や書道の上達を祈るものとして浸透していましたが、高貴な男性の詩文書画の上達を祈り、七夕飾りに文房四宝が選ばれていたとすれば、これまた興味深いことですね。
本展では第十四代将軍家茂の所用品でガラス製の異国趣味の文具と、徳川宗家第十六代を継ぎ、初代静岡藩知事となった家達(いえさと)の文人好みの四君子(蘭竹梅菊)の意匠で統一された七夕飾文具を展示しています。
公家社会で伝えられてきた七夕の行事も、江戸時代には五節句の一つとしてどちらかといえば女子の行事としての色が強かったようにも思いますが、静岡や徳川家とのかかわりの中で、本展では意外な展開を見ることができました。
年に一夜の星の逢瀬(おうせ)どころか、もう二度とない、取り合わせでしょう。本展も残り2日となりました。この機会をぜひお見逃しなく!
(e.y.)
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2012年08月15日 「夏の星空を観察しよう」7月29日実施
今回の講座は、静岡市美術館の「七夕の美術」の美術館学芸員によるギャラリートークで、美術作品から七夕の歴史を学び、美術展の中での静岡科学館スタッフによる「宇宙散歩」で天文学から見た七夕を学び、そして最後に市内小・中・高の教員ボランティアによる「観望会」で実際の星空を観察するという盛りだくさんの内容でした。
1週間ずっと曇天がつづくという、天文担当のスタッフを悩ませる中でスタートした講座でしたが、美術館の作品解説が始まると、参加者は伝統的な七夕の様子や、生き生きと描かれる七夕と人々のかかわりかたに、興味津々の様子でした。日詰明男氏と市民のコラボレーション作品「羽衣天の川」が出迎える。
学芸員の解説に、大人も子どもも納得。
静岡科学館スタッフによる「宇宙散歩」では、夏にみられる星座の紹介や、七夕の主役、織女星(ベガ)と牽牛星(アルタイル)や、その間に横たわる天の川の正体など、星々を宇宙からのぞいてみるプログラムに、参加者からは驚きの声が上がっていました。
会場を近隣の小学校(静岡市立森下小学校)の校庭に移し、最後の観望会です。天頂の星がかろうじて見える状態で惑星を観察することはできませんでしたが、月やこと座のベガとその周辺の星、うしかい座のアルクトゥルスなどを観察することができました。実際に自分の目で星を見るということは、参加した子どもたちにとって新鮮であり、講師と星について語ることで、星や宇宙への興味を膨らめていました。
今回の講座で感じたことは、星に思いをはせながら眺めることで、子どもたちは闇と星から創造力を膨らませ、大人は癒しを得られます。特別な道具がなくても、まずは星を見上げることから始めてみよう、ということでした。
観望会ではフラッシュがたけません。すべてこんな写真でした。
さて、「七夕の美術」最終日の7月19日(日)には、「展示場で宇宙散歩」を行います。
宇宙散歩では、国立天文台が制作した宇宙の映像を迫力ある大画面に映し出し、太陽系から宇宙の果てまで静岡科学館スタッフがご案内していきます。天文学から見た七夕をはじめとして、途中クイズも交えながら基本情報から最新の宇宙情報まで映像を使ってご紹介します。
前回行った際には、大人から子どもまで様々な質問も飛び出してアットホームな形で進めることができました。七夕の話をはじめ、宇宙のことを聞いてみたいという方も是非足を運んでみてください。静岡科学館 池田博史
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2012年08月08日 もう一つの七夕
昨日は8月7日、月遅れの七夕、今年、平成24年はこの日が立秋でした。
なるほど、今朝の静岡はいつもより涼しくて
秋きぬと 目にはさやかにみえねども 風の音にぞ おどろかれぬる でした。七夕の美術展も残すところあと2週間、まさに大詰めです。
8月6日の静岡新聞に、日詰明男さんの記事が掲載されました。
このブログでも紹介しましたが、七夕展の関連展示として葵タワー1階エントランスにフィボナッチタワーを、そして3階の美術館エントランスに羽衣天の川を、市民の皆さんと一緒につくってくださった、アーティストです。
今回、日詰さんに、葵タワー1階(地上界)エントランスに、展示室のある3階・美術館(天上界)まで届くような竹のタワーの制作を、そして美術館のある3階(天上界)に羽衣天の川の制作を依頼したのは、本展の見どころの一つでもある、「天稚彦の物語」のようなことを、現代作家と一緒にしてみたかったからです。
この天稚彦の話は、ぜひみなさんに楽しんでいただきたい、知っていただきたい、もう一つの七夕ともいうべき、とってもユニークな七夕のお話です。
本展では、とにかくいつ来ても、通してお話がわかるように、こんなふうに展示しました。
このお話、とっても面白いのです!
皆さんは、織姫と彦星の七夕の話は、小さい頃からよくご存知だと思います。
織姫と彦星のお話は中国からやってきたものですが、この天稚彦の話は、日本独自の物語!
しかも、天稚彦は天から地上に降りてきて、姫に構わず勝手に天に帰ってしまうし。
姫は天稚彦に会いたくて、自力で、まるでジャックと豆の木みたいにして天に昇るし。安城市歴史博物館本
天にいけば、箒をもった箒星や、昴に出会うし。
しかも昴(すばる/プレアデス)はセブンシスターズ(seven sisters)で描かれていてかわいいし。安城市歴史博物館本
それから天の川は、西洋ではミルキーウェイだけれど、この話では、天稚彦のお父さん(鬼)が投げた”瓜”が割れて誕生したり、姫の涙でできたり、、
専修大学図書館本
そういえば、冷泉家の乞巧奠 星の座で、織姫と彦星に捧げられたお供物、海の幸山の幸には、瓜がお供えしてありましたね
うりなすび ももなし からのさかづきに ささげらんかず むしあわびたい(瓜茄 桃梨 空の杯 ささげ 蘭花豆 蒸鰒 鯛)
「天稚彦の物語」に冷泉家の「乞巧奠 星の座」
ぜひご来館になってご覧ください!
統計をとってはいませんが、来館者アンケートやギャラリートークをしたときのお客様の反応から察するに、大変人気です!!遠方の方は図録でお楽しみください
今回、サントリー美術館本、専修大学図書館本、安城市歴史博物館本、の図様を比較できるようにして図版を掲載しました。
お陰さまで、売れ行きがよく、売り切れ御免!という状況です
お早めに!(e.y.)
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2012年08月08日 ストラスブール美術館展のポスターとチラシができました!
立秋を過ぎましたが、まだまだ暑い毎日ですね。
さて、少し早い登場になりますが、
10月27日(土)から当館で開催の
「ストラスブール美術館展 モダンアートへの招待」
のポスターとチラシが本日到着しました!!!
本展の注目作品、ポール・シニャックの《アンティーブ、夕暮れ》に合わせ、全体は淡いブルーで統一されています。
お菓子のパッケージのようなかわいらしいポスターとチラシになりました♪
チラシは本日から館内に設置を始めていますので、見つけたら是非お手にとってご覧ください。
前売券は、今週末8月11日(土)から発売です!
ストラスブールってどこ?関連イベントは?作品のみどころは?などなど、
徐々に展覧会情報はお知らせいたしますので、どうぞお楽しみに。
(K.O)
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2012年08月05日 東西七夕美人対決 深水VS恒富 そして雪岱
ただ今、後期展示の七夕の美術展展示室では、東西の近代美人画家による七夕対決!
東は、日本近代を代表する美人画家・伊東深水《銀河祭り》(左側)
西は、近年注目される大阪の美人画家・北野恒富《願いの糸》(右側)
本展を準備する中で、また実際作品を展示していて、改めて、近代を代表する日本画家たちにとって七夕という画題が大切なものだったんだということを感じます。
(その理由は、まだ私にはわからないけれど、、、)しかも、私たちが今では忘れている七夕の風習が描かれることが多いこと!
二人が描いた七夕の風習とは、、、、
旧暦の七月七日(本年は八月二十四日にあたります)、女性たちは盥(たらい)の水に”天の川”を映し、その上で針に糸を通すことで、裁縫の上達を祈ったといわれています。これは、冷泉家に今なお伝えられる乞巧奠(きっこうでん)と呼ばれる技芸の上達を祈る星祭りの風習にもよります。
左側の伊東深水《銀河祭り》と右側の北野恒富《願いの糸》
いずれも、この、私たちが忘れている七夕を描いた、とっても魅力的な作品です。
まず、左側の作品、深水からみてみましょう。
薄い青の着物を着た女性が、水がなみなみと張られた盥の前にしゃがんでいます。彼女は一心に針に糸を通そうとしています。その真剣な表情、真っ白い肌に赤い糸が印象的です。
頭上には笹の葉に短冊、そして「梶の葉」が象徴的に吊り下げられています。
そして短冊には「七草や 露の盛りを 星の花」と鬼貫の”秋の句”が認められているのです。
この作品は一九三八年頃から構想を練り、第二回日展へ出品した彼の渾身の大作!一点の破たんもなく研ぎ澄まされた美しさを感じます。
深水の師・鏑木清方に、ローマで開催された日本美術展へ出品した《七夕》絹本着色 六曲一双 昭和四年(一九二九)大倉集古館蔵がありますが、深水はいわばそのエッセンスをこの堂々たる大幅に描ききっているといえるでしょう。
右の作品、恒富も負けてはいません
女性の、物思う、なんともいえない表情は、深水の一途それとは違った味わいがあります。
髪飾りにも☆がきらめいています。何より、当時評判となったといわれる「恒富の赤」が画面を引き締め、効果的ですね
さらにさらに、
本展では、もう一点、この風習を描いた、とても素敵な作品を展示しています。
ちゃんと、盥の水に映った星を描いた作品、小村雪岱《星祭り》です。
小村雪岱《星祭り》金子國義氏蔵
大きな盥の前にしゃがみこむ華奢な美人。彼女が覗き見ている盥桶の中には、まるで蛍の放つ光りのような青っぽい星が五つぶみえるのです。
彼女の着物には秋の草花である桔梗と薄が描かれています。群青色の桔梗の花はお星様の形と同じ、五角形!薄の曲線は流水紋にもみえ、まるで天の川の衣をまとっているようにもみえますね。(ちなみに、この見方は、お客様に教えて頂きました。あの泉鏡花の装丁本などを手掛けた雪岱ですから、着物に描いた桔梗は、秋だけじゃなくて☆を、天の川を意識していたかもしれませね)
初秋の星祭り・七夕は、今も昔も私たちにとって魅力的な行事であることを、こうした作品群は何より雄弁に物語ってくれている、そんなことを考えます。
この展覧会は残すところあと2週間!今、ここでしか見られません!
ぜひぜひ静岡市美術館へご来館ください。
(e.y.)
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2012年08月02日 初秋の星祭り”七夕”
七月二十四日から七夕の美術展【後期】がスタートしました。
明日、八月三日~五日まで、静岡では第65回清水みなと祭りが開催されます。
お祭りを楽しむ前に、ぜひ、涼しい静岡市美術館にお立ち寄りください!
”ゆかた”でお祭りを楽しむ方、あなたの”ゆかた”に負けないくらい、素敵な和服を着た女の子たちの作品を静岡市美術館でみてください。期間限定で“ゆかた割引”開催中です!
和服に注目して、七夕の美術展でただ今展示されている作品をご紹介しましょう。
今回は、ポスターで大人気、橋本花乃《七夕》(昭和5~6年頃)大阪市立近代美術館建設準備室蔵です
“女性画家の描く初秋の星祭り”
七人のおかっぱ頭の少女たち。
どこか懐かしさ、純粋さただよう、ステキな作品です。
少女たちは、五色の短冊を切り、お習字をして、「七夕」と記された短冊を「はいどうぞ」と手渡し、笹竹につけている様子が、二曲一双の屏風の中で右から左へ流れるように展開しています。赤、青、黄色、白、緑の鮮やかな短冊に呼応するかのような、少女たちの着物の描写は、実に見事!
着物の柄もまたかわいらしいのです。
右の子は白地に団扇が散りばめられ、笹だけや菊の模様、赤い着物の子は、橘、薄緑色の子は紅葉。薄い赤の子は梅に菊、青い子は流水に紅葉、薄い青の子は真っ赤な菊。
そう、菊や紅葉は言うまでもなく秋の風物ですね。
七夕と言えば、現代の私たちの生活の中ではすっかり”夏の風物詩”ですが、旧暦では”秋”。つまり、”七夕は秋の初めの星祭り”なのです。昭和初年に描かれたこの作品の中の子どもたちが、こうした秋模様の着物を身にまとうのは自然なことなのです。
ちなみに短冊に願い事を書くというのも、ごく最近のことのようです。その証拠に画中の短冊にはどれをみても「をりひめさま」「天の川」「二星」などと七夕を象徴する語句が記されています。願い事は一つもありません。
こんな素敵な屏風を描いたのは、実は橋本花乃(1897~1983)という女性の画家です。彼女は大坂の美人画の名手・北野恒富の門下の雪月花星(星加雪乃、別役月乃、花乃、四夷星乃)の一人に数えられた優秀な画家でした。大正九年には母子の情景を暖かな眼差しで描いた《愛》で第二回帝展入選をはたしている実力者!
筆力の充実した本作は彼女もまた自信を持って帝展に出品した作品でした。しかし、なぜか落選してしまったそうです。以来、花乃は大規模な公募展への出品をやめ、昭和七年には家庭に入り、結婚後も城田花乃として活動を続けました。
でも、この「七夕の美術展」では、間違いなく一等賞!ですね。
(e.y.)
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