• 2020年10月03日 静岡市美術館 開館10周年記念ソング ikire「aoi(あおい)」が完成しました!

    2010年に開館した静岡市美術館は、今年10周年をむかえました。
    開館10周年を記念し、映画監督/マルチクリエーターの岩井俊二氏の率いるアコースティックユニット ikire(イキレ)に記念ソングを制作いただき、10月2日(金)のグランドオープン記念日に、特設サイトにて楽曲を公開しました。

    こちらからご覧いただけます → www.shizubi.jp/10th

     


    タイトルは「aoi」(あおい)。
    静岡市美術館の特徴やこれまでの活動をイメージしながら、当館にぴったりな10周年記念ソングを制作いただきました。
    美術に限らず、様々な表現を紹介しながら、“ちょっと面白い街のなかの広場”を目指して歩んできた当館の想いが、この音楽とともに広がっていくことを願っています。

    公開に先立つ2020年9月23日、当館のエントランスホールにて、ミュージックビデオの撮影を行いました。
    ikireの3人(岩井俊二さん、シンガーソングライターのChimaさん、ギタリストの市川和則さん)に加え、ピアノの中村由利子さん、ヴァイオリンの荒井桃子さん、チェロの林田順平さんとともに撮影スタート。

     


    広々としたエントランスホールの空間に6人が円形になって、カメラを360度回したり、メンバーひとりずつ撮影したり。
    岩井さん自らカメラを持ってカット割りの提案をするなど、およそ4時間かけて、じっくりと撮影に臨んでいただきました。
    ikireの透明感のある楽曲と、当館の開放感のある空間が重なり合うような、そんな素敵なミュージックビデオになりました。
    ぜひ、多くの方にご覧いただければと思います。

    この日は、当館のロゴマークを手掛けたアートディレクターの柿木原政広さんにも撮影に同席いただきました。
    実はこの10周年の特別企画は、「10周年の節目の機会に、しずびの想いを改めて伝えていきたい」と、昨年、当館から柿木原さんに相談をしたことをきっかけに始まりました。
    今回も全体のアートディレクションを担当してくださっています。
    視点と奥行きの変化によって見え方が変わる当館のロゴマークには、美術館が様々な視点を与えられる場所でありたいという想いが込められています。
    「ikireの楽曲を通して、また違う視点で、静岡市美術館を視ることができるのでは」と、長年しずびを見守ってきてくれた柿木原さんならではのコメントをいただきました。

    撮影後に、6人そろって記念撮影。

     


    みなさん、ありがとうございました!
    (この日、展示室内ではショパン展の撤収をしていましたが、「aoi」が心地よいBGMのように聴こえていたそうです)

    この後、岩井俊二氏監修による10周年記念映像も公開予定です。
    どうぞお楽しみに!

    (c.o)

  • 2019年08月08日 オリジナルビール開発裏話:「くるり」編

    もう一つのオリジナルビールは、静岡市文化振興財団をイメージした「くるり」です。
    こちらは、醸造長の斯波克幸さんが醸造してくださいました。
    斯波さんによると、こちらは濁った外見が特徴のHazy Pale Aleという今人気の高いスタイルで、
    通常の数倍ものホップを使って大胆に香り付けした、柔らかでふくよかな口当たりのビールとのこと!
    「くるりくるり」と軽やかに入れ替わる華やかな香り・・・ごくり。

     

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    (写真は昨年のもの)

     

    「くるり」は、多様な文化を振興し新たな文化の醸成に貢献する「静岡市文化振興財団」と、
    ワクワクドキドキが溢れる街づくりを目指す「静岡市」を象徴するような、
    “華やかで軽やか、ポップで楽しい”、そんなイメージのもと醸造してくださったとのこと!

     

    「あわい」と「くるり」、あなたはどちらのオリジナルビールが気になりますか?
    昨年度とはまたひと味違った2つのビール。
    既に心が決まっている方も、両方のビールが気になる方も、
    ぜひ今年の夜店市にて、2つのビールの飲み比べをお楽しみください♪

     

    夜店市は、8月10日(土)、11日(日)、12日(月・祝)(※各日15:00~21:00)の開催です。
    場所は、パルコの向かい側、小梳神社の目の前!皆様のご来場をお待ちしております。

     

    (a.y)

     

  • 2019年08月06日 オリジナルビール開発裏話:「あわい」編

    夜店市で販売するオリジナルビールは、「あわい」と「くるり」の2種類です。

     

    静岡市美術館をイメージした「あわい」は、
    華やかな香りのエール酵母と、スッキリとした味わいのラガー酵母の両方の特徴・・・
    ちょうど”あわい(間)”の特徴を持ったケルシュ酵母を使用したビールです。
    今回は、醸造士の福山康大さんが醸造してくださいました。

     

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    (写真は昨年のもの)

     

    ビールの名前の「あわい」は「間」を意味し、
    市民の皆さまと美術作品の「間」に立つ当館の役割をビールで表現してくださったとのこと。
    AOI BREWINGさんの熱い思いが伝わり、当館としては大変嬉しい限りです。
    どんな味がするのか、ますます気になります!

     

    「あわい」が楽しめる夜店市は、8月10日(土)、11日(日)、12日(月・祝)(※各日15:00~21:00)の開催です。
    パルコの向かい側、小梳神社の目の前のブースにて、皆様のご来場をお待ちしております!

     

    (次回は、もう一つのオリジナルビール「くるり」をご紹介します♪)

     

    (a.y)

     

  • 2019年08月03日 夜店市にてオリジナルビールを販売します!

    毎年恒例の「夜店市」にて、今年もAOI BREWINGさんとコラボしたオリジナルビールを販売します♪
    その名も静岡市美術館を表現した「あわい」と静岡市文化振興財団をイメージした「くるり」。
    昨年度からの継続性を大切に、今回も同じ2種類のビールをお願いしました。

     

    昨年と違うのは、それぞれのビールのご担当。
    AOI BREWINGさんの2人の醸造士(斯波さんと福山さん)が、昨年度とは担当するビールを交替して醸造。
    お二人の個性がどのようにビールに反映されるか…そのあたりも気になるところです。

     

    去る7月17日、「くるり」の仕込みにお邪魔してきました!

     

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    こちらは醸造長の斯波さんが、大袋から麦芽をお湯の入ったタンクの中に投入しているところです。↓

     

    2.麦芽投入.JPG

    ドババ~~~~~!重そう!
    1袋なんと25kgです。一気にあたりに香ばしくてやさしい香りが広がります。
    この容器1つでビール1,600杯分にもなるそうですよ。

     

    そして、パドルと呼ばれる金属の長い棒でタンクの中をかき混ぜます!
    酵素の働きをよくするため、しっかり攪拌(かくはん)します。
    (麦芽が容器にこびりつかないように…!)

     

    3.攪拌に挑戦.JPG

    実際やってみるとけっこう大変!
    ちょこっと混ぜただけでも、麦汁の熱気で体がぽかぽかしてきました。

     

    麦汁を隣のタンクに移送中、さきほどまで煮込まれていたタンクの中の液体の色を初めてチェックできました。

     

    4.ビールの色.JPG

    早くもビールの色ですね。
    どんな風味になるのか、楽しみです!

     

    「飲んで味わう静岡の文化」。
    気になる方は、8月10(土)、11(日)、12(月・祝)(※15:00~21:00)に開催する夜店市にぜひお越しくださいね♪
    場所は、パルコの向かい側、小梳神社の目の前です!

     

    また、その頃当館では「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」を開催中(8月7日(水)~10月20日(日))。
    外の暑さに疲れたら、ぜひ当館まで涼みにいらしてください!

     

    (a.y)

     

  • 2018年08月31日 Shizubiシネマアワー「ベル・エポックのパイオニアたち」(2)『リュミエール!』

    「Shizubiシネマアワー」は美術館ならではのセレクトで、さまざまな映画を上映するシリーズです。
    第22回は「ヴラマンク展」にあわせて開催。ヴラマンクの生きた19世紀末~第一次世界大戦勃発前までの、様々な芸術が花開いた「ベル・エポック」といわれる時代に焦点を当てます。

     

    ■9月9日(日)14:00~

    『リュミエール!』

    (ティエリー・フレモー監督/2016年/フランス/90分)*日本語字幕版

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    ©2017 – Sorties d’usine productions – Institut Lumiere, Lyon

     

    1895年12月28日パリ。
    フランスのリュミエール兄弟が発明した”シネマトグラフ”で撮影された『工場の出口』が、世界で初めて有料上映されました。
    1895年から1905年の10年間にリュミエール兄弟により製作されたフィルムはなんと1422本!
    本作品は、その中から選んだ108本で構成されています。

    当時、撮影されたフィルムは、1本約50秒でした。
    近代化する街並みや、人々の暮らし、コミカルな演出、実験的な表現、世界各地の映像・・・
    新しい映像表現が次々に生まれていく過程を見ると、なんだかわくわくしてきます。
    たった50秒に、今の映画につながる様々な表現がたくさんつまっているのです。

    フィルムの映像はモノクロで、セリフや音楽はありませんが、
    108本すべてに、本映画の監督であり、リュミエール作品の保存・復元に長年携わっているフランスのリュミエール研究所の所長フレモー氏の解説が入ります。
    この解説がとっても贅沢!ギャラリートークを聞きながら、映像を見ているようです。

    “映画のはじまり”を、みんなで、観ませんか?

    ☆静岡市美術館受付にてチケット販売中☆
    詳細はこちら→ Shizubiシネマアワーvol.22「ベル・エポックのパイオニアたち」

    (c.o)

  • 2018年08月29日 Shizubiシネマアワー「ベル・エポックのパイオニアたち」 (1)『ザ・ダンサー』 

    「Shizubiシネマアワー」は美術館ならではのセレクトで、さまざまな映画を上映するシリーズです。
    第22回は「ヴラマンク展」にあわせて開催。ヴラマンクの生きた19世紀末~第一次世界大戦勃発前までの、様々な芸術が花開いた「ベル・エポック」といわれる時代に焦点を当てます。

     

    ■9月8日(土)14:00-(開場13:30)

    『ザ・ダンサー』

     

    (ステファニー・ディ・ジュースト監督/2016年/フランス・ベルギー/108分)*PG12

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    ©2016 LES PRODUCTIONS DU TRESOR – WILD BUNCH – ORANGE STUDIO – LES FILMS DU FLEUVE – SIRENA FILM

    “モダン・ダンスの祖”と呼ばれ、パフォーマーとして今再び評価されているロイ・フラー(1862-1928)。
    自ら色や角度を設計した舞台照明の中で、シルクの衣裳が様々な形を織りなすダンスは反響をよび、ロートレック、ロダン、マラルメ、コクトーなど多くの芸術家たちを魅了しました。

    特に、1900年のパリ万国博覧会ではロイ・フラー専用の劇場が設けられ、公演は大評判となりました。
    映画では、子弟関係からライバルとなるダンサー、イサドラ・ダンカンとの出会いも描かれています。
    また、当時アメリカやロンドンで人気を集めていた日本の俳優、川上音二郎・貞奴もロイ・フラーの招きによりパリで公演を行いました。

    ちなみに、1900年のパリ万博では、ロイ・フラー振り付けのダンスがモチーフとなった《スカーフダンス》というセーヴル磁器が発表されました。
    次回展「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」では、《スカーフダンス》シリーズのうち、5点が展示されます。お楽しみに。

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    ダンサー No.13(テーブルセンターピース「スカーフダンス」より) 1899-1900年 セーヴル陶磁都市所蔵
    Photo © RMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF

    次回のブログでは、映画『リュミエール!』を紹介します。

    (c.o)

  • 2017年06月09日 Shizubi Project 6 彼方へ 大規模映像インスタレーション、スタート!

    3月末から開催中の「Shizubi Project 6 彼方へ」、いよいよ6月4日(日)から展示室に拡張しました。

    林勇気さん、宮永亮さんによる、展示室全室(約1000㎡)を使った大規模な映像インスタレーションが始まりました!

     

    展示室全室に映像作品が投影され、その中を自由に巡りながらご覧いただく展示です。

    映像が”物理的なレイヤー”として、展示室のガラスや壁に幾重にも映し出された空間の面白さ(宮永亮《Reciprocal》)や、何万もの切り抜かれた画像が、床から天井まで数百㎡の大空間に浮遊する迫力(林勇気《another world – alternative》)は、やはり実際に体験していただくほかありません。

     

    会期が来週6月18日(日)までと、非常に短く残念ですが、ともて力の入った展示ですので、是非、ご覧ください。

     

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    宮永亮《Reciprocal》(8 チャンネル)2017年  (写真撮影)木奥恵三

     

     

     

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    林勇気《another world – alternative》2017年  (写真撮影)木奥恵三

     

     

    「Shizubi Project 6 彼方へ 國府理・林勇気・宮永亮」

    ①エントランスホール・多目的室 2017年3月28日(火)~6月18日(日)

    ②展示室 2017年6月4日(日)~18日(日)

    [休館日]毎週月曜日(ただし5/1(月)は臨時開館)

    [開館時間] 10:00~19:00

    [入場料]無料

     

    ■映像と音楽によるライブイベント

    林勇気、宮永亮の映像とゲストミュージシャンによるライブイベント

    [日 時]6月17日(土) 16:00~

    [出 演]林勇気×宮内優里  宮永亮×Hakobune

    [会 場]静岡市美術館 多目的室

    [参加料]1000円(ワンドリンク付) ※申込不要(当日直接会場へ)

         ★公式カタログとのお得なセットも販売! 

    ※出演者等の詳細はこちら

     

  • 2017年05月16日 Shizubi Project 6 彼方へ③ 宮永亮

    美術館エントランスホール・多目的室で開催中の「Shizubi Project 6 彼方へ 國府理・林勇気・宮永亮」をシリーズでご紹介する3回目、宮永亮さんの展示をご紹介します。

     

    宮永さんの作品《地の灯について》(2010年)は、不思議な作品です。横一列に並んだモニターに、走る車上から撮影されたと覚しき夜の街の風景が流れています。といっても、夜の路肩で行われる道路工事の風景で、特に変わった情景でも、何かがおこるわけでもありません。暗闇のなかに明るい工事灯の光が揺れながら、あらわれては流れ去るだけですですが、何故か見てしまう。見ていると、何かざわざわした気持ちになります。それは皆が寝静まったあとに人知れず行われている、深夜の工事現場の寂寥感であり、普段はあまり目にすることのないもう一つの世界の、ざらついた空気を思い出すからかも知れません。

     

    映像は、車の屋根にカメラを固定して、作家が一人で郊外の街を走りながら撮影されました。カメラを固定するにあたって、揺れを防止するため、カメラがスイングするように工夫したそうですが、かえってそれが独特の揺れを生み出したとのこと。7つの小さなモニターには、加工せず、長さも様々な映像の断片が流れています。そして一番端の大きなモニターには、それらが流れ込むかのように、7つの映像がレイヤーとして重ねられています。共通する揺れが、共振するかのように”地の灯”の心地よい効果となっています。

     

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    多目的室奥のスクリーンには、作品《KIWA》(2013年)がプロジェクションされています。青森県の恐山で撮影されたということですが、こちらも淡々とした風景が、知らぬ間に反転し重ね合わされ、静かに変化していきます。

     

    宮永さんは、一人で旅をしながら撮影した映像を、レイヤーにして重ね合せて作品を作ることが多い作家です。あてなく旅に出たときに感じる茫漠とした感じや、あてがない故に感じる世界のリアルな手触りが、複雑に多層化された、けれどシンプルな映像の世界に感じられることが魅力です。

     

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    (写真撮影)木奥恵三

     

     

    会期末6月4日(日)からの2週間、展示室にも展示を拡張します。是非、こちらもご期待下さい。

     

    (a.ik)

     

     

    「Shizubi Project 6 彼方へ 國府理・林勇気・宮永亮」

    ①エントランスホール・多目的室 2017年3月28日(火)~6月18日(日)

    ②展示室 2017年6月4日(日)~18日(日)

    [休館日]毎週月曜日(ただし5/1(月)は臨時開館)

    [開館時間]10:00~19:00

    [入場料]無料

     ※多目的室は、4/16(日)、5/6(土)、5/7(日)、5/20(土)ほか、イベント実施時にはご鑑賞頂けません。

     

     

     

  • 2017年05月04日 Shizubi Project 6 彼方へ ② 林勇気

    美術館エントランスホール・多目的室で開催中の「Shizubi Project 6 彼方へ 國府理・林勇気・宮永亮」をシリーズでご紹介する2回目、今回は、林勇気さんの展示をご紹介します。

     

    林勇気さんの映像作品《もう一つの世界》は、ネット上から膨大な画像を切り抜いて浮遊させ、私たちをとりまくデジタル世界を鮮やかに可視化しています。芦屋市立美術博物館での展覧会(「窓の外、恋の旅。―風景と表現」2014年)や京都芸術センターでの個展(「電源を切ると何もみえなくなること」2016年)でも展示されたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

    いくつかのバージョンがありますが、今回は《もう一つの世界002》(2014年)を展示しています。窓際に置かれたいくつものパソコンやアイパッドなどの画面に、切り抜かれた無数の画像が、世界各地の写真をバックに流れていきます。

     

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    実はこの作品は、ネット上でも公開されており、世界中どこからでもアクセスできます。

    http://kanyukuyuki.jp/map/

    今回の展示でも、ネットに接続された1台のパソコンで、グーグルマップ上のピンをクリックすると、その場所の写真をもとにした作品をユーチューブを介して見ることが出来ます。

     

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    高い天井から吊り下げられたモニター上の《IMAGE DATA》(2016年)では、スライドショーで流れる無数の写真が、次第に細片に分割され、回転し始めます。画像が分割され回転を始めるとき、厚みのないはずの画像に厚みがあるような、不思議な感覚を覚えました。

    写真画像や映像などの「像」は、もともと厚みを持たず、今やデジタル情報でしかないわけですが、その画像がデジタル空間ではある厚みを持ちうるような・・・、画像やデータ、物質とは何かということを、優れて感覚的に考えさせられる作品です。

    そのほか、アニメーション的な手法の《the outline of everything》(2010年)も、今回はレトロなブラウン管テレビの画面で上映されています。

     

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    (写真撮影)木奥恵三

     

     

    会期末6月4日(日)からの2週間、展示室にも展示を拡張するときには、広い展示室の壁面一杯に作品を投影予定です。是非、こちらもご期待下さい。

     

    (a.ik)

     

     

    「Shizubi Project 6 彼方へ 國府理・林勇気・宮永亮」

    ①エントランスホール・多目的室 2017年3月28日(火)~6月18日(日)

    ②展示室 2017年6月4日(日)~18日(日)

    [休館日]毎週月曜日(ただし5/1(月)は臨時開館)

    [開館時間]10:00~19:00

    [入場料]無料

     ※多目的室は、4/16(日)、5/6(土)、5/7(日)、5/20(土)ほか、イベント実施時にはご鑑賞頂けません。

     

     

     

  • 2017年04月30日 Shizubi Project 6 彼方へ ① 國府理

    3月28日から、美術館エントランスホール・多目的室で「Shizubi project 6 彼方へ 國府理・林勇気・宮永亮」(6/18まで)が始まっています。遅ればせながら、展示風景をシリーズでご紹介します。

    「私が乗り物を作りたかったのは、それを手に入れれば、どこかへ行けると思ったから」

    國府理さんの《プロペラ自転車》1994年と、《Sailing Bike》2005年は、そう語った作家の初期の代表作です。天井が高く、白を基調としたエントランスの壁と窓辺に、美しく、静かに佇んでいます。

    独自の設計思想と、職人的な技術を持った作家の手から生まれた作品は、フレームの隅々まで研ぎ澄まされた感覚と仕上げへの拘りが行き渡り、今にも走り出しそうです。

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    (写真)撮影:木奥恵三

    1970年生まれの國府理さんは、2014年、青森県での個展開催中に不慮の事故で亡くなりました。享年44。昨日4月29日はそのご命日でした。多くの人が驚き、悲しんだその突然の死から3年、作品は変わらず私たちの想像力に力を与えてくれます。

    会場では、若き日の國府さんが仲間と帆を張った自動車《Natural Powered Vehicle》2004年で旅するドキュメンタリー映像も流れています。こちらはYouTubeでもご覧いただけますので、是非どうぞ。https://www.youtube.com/watch?v=Y6KmV6TGpcE

    展示は6月18日(日)まで。6月4日(日)からは、エントランスホール・多目的室に加えて、林勇気さん、宮永亮さんの映像作品で展示室にも拡張します。

    また、展示室では、「アルバレス・ブラボ写真展 メキシコ、静かなる光と時」(5月28日(日)まで)を開催中。100年を生きた20世紀を代表する写真家の日本では初めての大規模な回顧展、モノクロームの美しいプリントが多数並んでいます。是非、合わせてご覧ください。

    (a.ik)