• 2019年10月10日 英国王室より、アン王女ご夫妻がご来館!

    10月9日(水)、静岡市美術館にアン王女ご夫妻が来館され、開催中の「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」をご鑑賞されました。

    アン王女は、スコットランドラグビー協会の総裁を務めており、エコパスタジアムでのラグビーワールドカップ、スコットランド対ロシアを観戦するため来静、観戦前に当館にお立ち寄りいただきました。

    「印象派への旅」展では、スコットランドのグラスゴーで船舶の売買で大成功し「海運王」と称されたウィリアム・バレルが築いたコレクションを中心に紹介しています。

    バレル・コレクションすべてが日本初公開となる本展では、「グラスゴー・ボーイズ」や「スコティッシュ・カラリスト」といったスコットランドの画家など絵画作品も展示しています。

    アン王女は、展示作品を1点1点熱心に、特に馬の絵や海景画の作品をじっくりとご覧になっていました。

    当館にとっても、素晴らしい時間となりました。ありがとうございました!

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    アン王女とサー・ティモシー・ローレンス氏

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  • 2019年09月05日 「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」来場1万人達成!

    本日9月5日(木)に、「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」の来場者が1万人を達成しました!

     

    1万人目のお客様は、静岡県内からお越しの深澤さんご夫妻。
    前回の浮世絵展では母と娘で、今回はご夫婦で来館されたとのこと。
    お二人には、当館館長から記念品を贈呈しました。

     

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    展覧会をご覧になり、「油絵の作品のみと思っていたが、水彩画も印象的だった」とお話しいただきました。
    取材にも快く応じていただき、ありがとうございました。
    またのご来館をお待ちしています!

     

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    「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」

    会期:2019年8月7日(水)~10月20日(日)

    観覧料:一般1,300(900)円、大高生・70歳以上900(700)円、中学生以下無料

    *( )内は当日に限り20名以上の団体料金

    *障がい者手帳等をお持ちの方及び介助者原則1名は無料

  • 2019年08月01日 海運王のコレクション、すべてが日本初公開!

    英国、スコットランド最大の都市グラスゴーにあるバレル・コレクションは、船舶の売買で大成功し「海運王」と称されたウィリアム・バレル(1861-1958)が築いたコレクションからなる美術館です。

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    現在のバレル・コレクション © CSG CIC Glasgow Museums Collection

    バレル・コレクションは時代や地域、ジャンルが多岐にわたるのが特徴ですが、本展ではそのなかから19世紀のフランス絵画、オランダのハーグ派、「グラスゴー・ボーイズ」や「スコティッシュ・カラリスト」といったスコットランドの画家など絵画作品をご紹介します。

    室内の風景や街中の人々の姿、海を描いた作品など、落ち着いた雰囲気の作品を眺めていると、バレルが好んだ作風というのが見えてきます。もし自分だったらどの作品を家に飾ろうか、そんな視点で作品を眺めてみるのも良いかもしれません。

    バレル・コレクションのなかでも特に大事にされてきた印象派の画家ドガの《リハーサル》は必見です。

    練習に励むダンサーたちを覗き見るようなひっそりとした空気が流れていますが、その構図は大胆です。

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    エドガー・ドガ《リハーサル》 1874 年頃 油彩・カンヴァス バレル・コレクション

    ©CSG CIC Glasgow Museums Collection

    また本展では、ファン・ゴッホが描いた画商アレクサンダー・リードの肖像が、同じくグラスゴーにあるケルヴィングローヴ美術博物館より出品されます。

    バレルはこのリードの他、何人かの画商から作品を購入することで、フランスやオランダの文化に触れていました。

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    フィンセント・ファン・ゴッホ《アレクサンダー・リードの肖像》 1887年 油彩・板

    ケルヴィングローヴ美術博物館 ©CSG CIC Glasgow Museums Collection

    バレルがグラスゴー市へ作品を寄贈する際、「大気汚染の影響が少ない郊外に作品を展示すること」「国外に持ち出さないこと」が条件だったため、この世界屈指のコレクションは永らく現地でしか見ることができませんでした。

    その門外不出のコレクションが、同館の改装に伴い海を渡って初来日を果たします。

    スコットランド議会の承認を経て海外への貸出が可能となったのですが、当初バレルが提示した条件は、海で荷物を運ぶことの恐ろしさを熟知していた海運王ならではのリスク回避と言えるでしょう(バレル卿、今回は空路で大事に輸送されるので、ご安心ください!)。

    (a.i)

    「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」

    会期:2019年8月7日(水)~10月20日(日)

    観覧料:一般1,300(900)円、大高生・70歳以上900(700)円、中学生以下無料

    *( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金

    *障がい者手帳等をお持ちの方及び介助者原則1名は無料

     

    ★前売券:8月6日(火)まで販売

     

    静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード:769-762]、ローソンチケット[Lコード:41811]、セブンチケット[セブンコード:076-081]、谷島屋(パルシェ店、マークイズ静岡店、高松店、流通通り店)、戸田書店静岡本店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店

  • 2019年07月12日 初摺と後摺 摺りの違いを楽しむ 歌川広重「名所江戸百景 両国花火」

    真っ暗な夜空にあがる大きな花火。
    川には舟がたくさん浮かんでおり、橋の上にも多くの見物客が描かれています。

    右の初摺(しょずり)は、打ち上げ花火がパッと花開いた瞬間を捉えたもので、
    周辺の風景も花火により明るく照らされています。
    対して左の後摺(あとずり)は花火があがった後のキラキラとはかなく散っていく様子が表現されています。
    周辺も夜空と境目がわからないほど暗く、寂寥感が漂う作品です。

    同じ作品でも異なる摺りを比較し楽しめるのは版画ならでは。
    どちらも広重最晩年の大作「名所江戸百景」を代表する夜景の傑作です。

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    歌川広重「名所江戸百景 両国花火」 安政5年(1858)8月、大判錦絵、アレン・メモリアル美術館蔵
    右:初摺、左:後摺

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  • 2019年07月11日 富士は日本一の山 葛飾北斎「富嶽三十六景 山下白雨」

    白雨(はくう)とは夕立のこと。
    山下を暗くし、右下に稲妻を走らせることで、雨を描かずとも山麓に降る夕立を示しています。
    対して富士の頂は青空の中に堂々とそびえています。
    まさに「雷さまを下に聞く、富士は日本一の山」という唱歌のとおり、雨雲すら届かない富士の高さが表現されています。
    「富嶽三十六景」シリーズの代表作のひとつです。

    北斎がこの揃物を描いたのは70歳を過ぎた天保2-4年(1831-33)頃。
    北斎は「森羅万象を描き尽くした」と言われるほど、
    90歳で没するまで美人画、風景画、花鳥画など肉筆・版画を問わず旺盛な作画活動を続けました。

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    葛飾北斎「富嶽三十六景 山下白雨」 天保2-4年(1831-33)頃、大判錦絵、アレン・メモリアル美術館蔵

    (s.o)

  • 2019年07月10日 歌麿の大首絵-表情に迫る 喜多川歌麿「婦人相学十躰 面白キ相」

    鏡を手に身支度をする女性。
    お歯黒を差していることから、新婚女性の初々しい化粧の様子を描いたものでしょうか。
    ほつれた髪もそのままに口を突き出し、熱心にお歯黒を確認する微笑ましい姿が描かれています。
    表情やしぐさにより、女性の心情までもが見事に表現されています。
    歌麿は細部まで女性の魅力に迫った美人大首絵(おおくびえ/胸像)で人気を博しました。
    一方、髪の毛の繊細な彫りや背景の雲母摺(きらずり)、着物の空摺(からずり/エンボス加工)など、
    彫師・摺師の高い技術も見逃せません。
    この作品は、まさに浮世絵の黄金期を迎えた寛政期(1789-1801)の、歌麿を代表する美人画のひとつです。

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    喜多川歌麿「婦人相学十躰 面白キ相」 寛政4-5年(1792-1793)頃、大判錦絵、アレン・メモリアル美術館蔵

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  • 2019年07月09日 錦絵の祖・春信の見立絵 鈴木春信「縁先美人(見立無間の鐘)]

    障子の影に映る賑やかな宴の様子とは対照的に、
    思いつめたような表情で縁先に佇む白無垢姿の遊女が描かれています。
    視線の先には手水鉢(ちょうずばち)と柄杓(ひしゃく)があります。
    この作品は、撞けば現世で財宝を得るが、来世では無間地獄に陥るという「無間の鐘」の見立絵(みたてえ)です。
    歌舞伎では人気の題材で、遊女となった梅ヶ枝が夫・梶原源太を助けようと、
    手水鉢を鐘に見立てて柄杓で打つと、2階から小判が降るというのが代表的なストーリー。
    山吹の花が小判を暗示しています。

    この奇知に富んだ作品は、「錦絵」(にしきえ/多色摺木版画)の誕生に大きく寄与した鈴木春信が手掛けたもの。
    春信は見立絵を得意としました。

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    鈴木春信「縁先美人(見立無間の鐘)」 明和4年(1767)頃、中判錦絵、
    アレン・メモリアル美術館蔵

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  • 2019年07月06日 コレクション第一号!? 石川豊信「提灯と傘を持つ佐野川市松」

    当時大人気だった歌舞伎役者・佐野川市松を描いた作品です。
    雨夜の外出でしょうか、高下駄に道行(みちゆき/コート)を羽織り、手には提灯と傘を持っています。
    帯の石畳模様は市松が愛用したことから「市松模様」とも呼ばれるようになりました。
    退色が進んでいますが、筆で紅を中心に彩色した初期浮世絵(紅絵)で、
    当時は一層鮮やかで優美な作品だったことでしょう。

    この作品は、メアリー・エインズワースが明治39年(1906)の来日で初めて手に入れた浮世絵とされています。
    それから約25年にわたり、貴重な初期の作品から幕末の広重まで1500点以上を収集しました。
    コレクションの中には、世界で1点しか見つかっていない作品もあります。

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    石川豊信「提灯と傘を持つ佐野川市松」 延享・寛延期(1744-51)、柱絵判紅絵、アレン・メモリアル美術館蔵

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  • 2019年07月05日 「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション」来場1万人達成!

    本日7月5日(金)に、「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション―初期浮世絵から北斎・広重まで」の来場者が1万人を達成しました!

    1万人目のお客様は、静岡県内からお越しの岩本さんと藁科さんのお二人。
    展覧会を振り返り、「歌川広重の東海道五拾三次のシリーズが印象に残った」とお話しいただきました。
    お二人には、当館館長から記念品を贈呈しました。

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    取材にも快く応えていただきました。
    ご協力ありがとうございました!

    藁科さんは、これまでも何度も当館に足を運んでいるとのこと。
    次回展も楽しみ!とお話しいただきました。
    またのご来場をお待ちしております。

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    「オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵
    メアリー・エインズワース浮世絵コレクション―初期浮世絵から北斎・広重まで」

    会期:2019年6月8日(土)~7月28日(日)
    観覧料:一般1,200(1,000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料
    *( )内は当日に限り20名以上の団体料金
    *障害者手帳等をお持ちの方及び介助者原則1名は無料

  • 2019年05月29日 メアリー・エインズワースが愛した浮世絵

    メアリー・エインズワース(1867-1950)はアメリカでも早くに浮世絵の収集を始めた目利きの女性コレクターの一人です。
    1906(明治39年)年、39歳の時に日本を訪れ、浮世絵に魅了された彼女は、以後約25年かけて1500点もの浮世絵版画を収集しました。

    そのコレクションの第一号は、初期浮世絵で、石川豊信の作品だといわれています。
    まず初期浮世絵を好む外国人コレクターというのは珍しいのですが、そもそも古いゆえに現存数が少ない初期浮世絵を、約90点も収集し、中には世界で一番しかない作品もあります。

    それだけでなく、浮世絵版画の歴史を網羅するかのように錦絵(多色摺木版)の誕生に大きく貢献した鈴木春信や、錦絵の黄金期に活躍した鳥居清長や喜多川歌麿といった美人画や東洲斎写楽の役者絵、幕末の風景版画の人気を支えた葛飾北斎や歌川広重といった六大浮世絵師の作品が揃います。

    特に広重作品はコレクションの過半数を占め、出世作の「保永堂版東海道」や最晩年の大作「名所江戸百景」といった代表作に美しい摺りの作品が多く揃っています。
    彼女が来日したころは広重が亡くなってから50年に満たず、まだ作品は収集しやすかったと思われます。
    ですが、とりわけ広重の風景版画を収集したのは、明治期に日本が急速に西洋化する中で失われつつある江戸の面影を作品の中に見出したのかもしれません。

    エインズワースの没後、この素晴らしいコレクションは遺言により母校であるオーバリン大学に寄贈されました。この展覧会は、メアリー・エインズワース浮世絵コレクションの全容を、選りすぐりの200点で紹介する初めての里帰り展です。
    これまでアメリカにおいてさえ、ほとんど紹介されることのなかった貴重な機会ですのでぜひ皆さまお越しください。

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    「オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵
    メアリー・エインズワース浮世絵コレクション―初期浮世絵から北斎・広重まで」

    会期:2019年6月8日(土)~7月28日(日)
    観覧料:一般1,200(1,000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料
    *( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金
    *障害者手帳等をお持ちの方及び介助者原則1名は無料

    ★前売券:6月7日(金)まで販売
    静岡市美術館(6月6日まで)、チケットぴあ[Pコード769-579]、ローソンチケット[Lコード45043]、セブンチケット[セブンコード072-698]、谷島屋(パルシェ店、マークイズ静岡店、高松店、流通通り店)、戸田書店静岡本店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店、中日新聞販売店(一部店舗を除く)