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2011年09月11日 「ちぎって、はって、セガンティーニ ! 」子ども編
「アルプスの画家 セガンティーニ―光と山―」がスタートして1週間が経ちました。
本展もさまざまな関連イベントをご用意しております!今日は昨日開催したワークショップのご報告です。
9月10日、「アルプスの画家 セガンティーニ―光と山―」関連ワークショップ
『ちぎって、はって、セガンティーニ ! 』の子ども編を開催しました!セガンティーニの用いた色彩分割技法について学んだ後、
カラフルなマスキングテープを使って、
セガンティーニの作品「水を飲む茶色い雌牛」の牛さんを描きました。先ずは、展示室でセガンティーニの作品を鑑賞。
「山や空、見ると何色で描かれているかな?」
「ピンク!きいろ!…いろんな色が使われてる!」
そうなんです。
とても細かい櫛のようなタッチが特徴的なセガンティーニの作品。
鮮やかな色で描かれた山や空の中には、補色が使われています。今日は、この「色彩分割技法」や「補色」をキーワードに、みんなで作品を作りました。
制作の前に、色の不思議を体験。
補色残像や白黒写真がカラーに見える実験をしたり…マスキングテープで虹色の輪っか(色相環)を作ったり…
セガンティーニさんのパレットをつくったり再現したり…
マスキングテープはやや透過性があるので、
重ねて貼ると色が変わります。「濃い色の上に薄い色を重ねるときれい!」
パレットワークシートで、いろいろ実験。その後、3つの紙にマスキングテープを貼っていきます。
16色あるマスキングテープを、みんなで3つのグループに分けます。
明るい色のグループと、中くらいと、濃い色のグループ。さきほど作った「虹色の輪っか」を見ながら、
補色を意識して貼っていきます。3つの明るさの紙が完成!
この紙の裏側には切り取り線が印刷してあります。
これをはさみで切りぬいて、パズルのように組み合わせていくと…
カラフルな牛さんが完成!
額に入れて、サインを入れて…
みんな、とっても色鮮やかな牛さんが出来上がりました。
色彩分割を用いて作った牛さんは、近くで見たり、離れて見たりすると、
また印象が違って見えます。みなさんもぜひ、セガンティーニの作品を、
近くで見たり、離れて見たりしてみてください。
セガンティーニの鮮やかな色彩の秘密が、おわかりいただけるはずです。さてさて、来月10月9日・16日は
『ちぎって、はって、セガンティーニ ! 』大人編を開催します!!大人編は2日間じっくり時間をかけて、大作を制作予定です。
こちらは申込受付中です。
9月27日締切ですので、ご興味ある方はぜひぜひ、お申し込みください!詳細はこちらをご覧ください。
(m.y.)
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2011年09月10日 セガンティーニ展、はじまりました!
朝・夕の風がすこしずつ秋らしくなってきました。
さて、セガンティーニ展、無事始まりました!
入り口だけこっそりお見せしますと・・・
こんな感じです。
ここからどのようなセガンティーニワールドが始まるのか・・・
それは美術館に来てからのお楽しみ。。。
どのような作品が展示されているのかは、当館ホームページでも少しお見せしていますので、
是非是非こちら(https://shizubi.jp/exhibition/110903_02.php)をご覧ください。さて、国芳展に続いて、セガンティーニ展も、館内サインをたくさんつけています。
代表作《アルプスの真昼》が一番多いのですが、この柱につけた《水を飲む茶色い雌牛》も素敵な作品です。
今年の秋は3連休が3回もあります!
どこに行こうかな、まだ迷われている方、この秋は是非シズビへ!(k.o)
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2011年08月12日 国芳展 来場者2万人達成!!
暑い日が続きますね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
「没後150年 歌川国芳展」は、8月から後期展示になりました。
ちらしやポスターで使っている「坂田怪童丸」、関連イベントである「みんなで巨大鯨を描こう!」で取り上げている「宮本武蔵の鯨退治」など、後期も目玉となる作品が目白押しです。
そんな中、今日は、国芳展来場者が2万人を達成しました!
2万人目の方は、姉妹でご来館された4名の方々。びっくりされていましたが、当館館長より、図録と「きん魚づくし ぼんぼん」のTシャツをお渡ししました。国芳展は、来週21日まで。こんなにまとまった数で、しかも非常に良い保存状態で浮世絵を見る機会は、そうそうないと言っても過言ではありません。
皆さまこの機会をお見逃しなく!!(R.A)
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2011年08月02日 セガンティーニ展、前売券販売開始!
昨日の夜の地震、美術館のある葵区は震度4とのことでしたが、かなり揺れました。
幸い美術館には被害はなく、「歌川国芳展」後期展示、元気に開催しております。さて、今日は国芳展後期展示開始、なのですが、もうひとつ重要なことが。。。
そう。
今日は秋の開館1周年記念<Ⅰ>・NHK静岡放送局開局80周年記念「アルプスの画家 セガンティーニ -光と山-」展
の、前売券発売開始日です!!!!みなさま、おとといの「新日曜美術館」の特集見ていただけましたか?
アルプスに魅せられ、徐々に高みにのぼり、その澄んだ光を再現しようとしたセガンティーニ。
結構見入ってしまった方多いのではないでしょうか。静岡でもいよいよ9月3日から始まります!
チラシとポスターも出来上がってきました。
静岡市内への設置ももう間もなくです。もし見かけたら是非お手にとってくださいね♪今年は9月~10月に3連休が3回も!静岡市美術館はJR静岡駅北口から徒歩3分!
ちょっと町へ買い物のついでに、南アルプス登山の帰りに、スイス・アルプスの風を静岡市美術館で感じてみませんか?会期中は、本展監修者の千足伸行先生や、3月にセガンティーニに関する研究書の翻訳本を出版された慶應義塾大学名誉教授の末吉雄二
先生による講演会、当館スタッフによるワークショップ等々を実施します。この秋は、是非ShizubiへGO!
(k.o)
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2011年07月26日 講演会「後姿の感情-歌川国芳の自画像とその系譜」
前期展示は、早いもので今週いっぱいで終了
残すところ今日を含めて6日です。7月24日日曜日の午後、岡戸敏幸先生をお招きして講演会を開催しました。
そもそも、岡戸先生が”後姿”に興味をもったのも、1996年に開催された「生誕200年歌川国芳展」を担当され、国芳の後姿の自画像に出会った頃からだとのこと。
そして今回、没後150年を記念した国芳展でのご講演です
現在知られる限り、なぜか後姿でしか自画像を残していない国芳
“後姿”の意味・・・
絵の中の人物になって絵の中に入り込むような後姿・・・「浮世よしづ久志」(前期展示)を語ると、聴衆はぐっと岡戸先生のお話の世界へ、
国芳の絵の世界へ引き込まれてゆきます「浮世よしづ久志」(部分/前期展示)
いやはや
国芳は猫を抱いて”よしよし”しているんですねえ岡戸先生は本当に楽しそうに国芳の作品を語ります
国芳の絵の力は、江戸の人たちだけでなく、時代を超えて私たちに絵の魅力を教えてくれますね
視ることの新たな発見がたくさん!国芳の絵を見るのがますます面白くなるお話でした
(e.y)
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2011年07月23日 会期中いつでも誰でも「国芳とあそぼう!」
「没後150年 歌川国芳展」開幕から2週間。
当館多目的室で実施している「みんなで巨大鯨を描こう!」が始まり、早いものでもう1ヶ月が過ぎました。このように、皆さんにマスキングテープを貼り付けてもらっています。
完成に近づく鯨をみて、スタッフが感激したのは・・・ココ!!
鯨の背中部分は、もともと模様がついているマスキングテープを用意したのですが、
来館者の皆さんの観察眼はさらに鋭い!
他の色のテープを使って、鯨の背中や尾にある”斑点”を見事に表現してくれました。さらに鯨の目は細部まで丁寧に貼り付けてくださいました。
皆さんのお陰で、スタッフの予想を超えるほど完成度の高い巨大鯨が仕上がっています。
ちなみに「宮本武蔵の鯨退治」は後期(8月2日~8月21日)に展示されます。
ぜひ、本物の色合いを確かめに来てくださいね。そして、巨大鯨の隣には「武者絵トレカを作ろう!」のコーナーがあります。
武者絵クイズに答えて全部のトレカを集めると、スペシャルトレカがもらえます!
前後期でトレカの種類が変わりますので、ぜひ足を運んでくださいね!
美術館スタッフがデザインしたのですが、国芳の作品をモチーフにしました。
国芳の作品をじっくり観察すると、このような細部までこだわった、オシャレなフレームがよく登場します。作品を隅々までご覧いただくと、国芳の多彩さがより一層伝わるのではないかと思います。
(c.o)
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2011年07月10日 国芳展 ギャラリートークを開催しました。
お暑うございます
国芳展、はじまりました!初日、朝晩とギャラリートークをしたのですが、あまりに国芳の作品が面白く、あれも紹介したい、これも見てもらいたい、と思ってしゃべっていたら、一時間以上もしゃべってしまいました。
お付き合いいただいたお客様、ありがとうございました。
しゃべりすぎ?といいますか、ギャラリートークが長引いた原因は、そもそも展示作品が約210点、というボリュームたっぷりの展覧会であるから、なのです。
しかも、今摺ったかのような、美しい色彩の作品ばかりが並んでいます。
質、量とも見所満載!前期・後期で、総入れ替えしますので、展示総数はなんと421点!そのうち、初公開73点 、
新発見17点です!関連事業も満載
今日は、アダチ伝統木版画技術保存財団の方々による、浮世絵摺りの実演、子ども摺り体験がありますよ!
暑い夏、涼しい静岡市美術館で、国芳の魅力をお楽しみください!(e.y)
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2011年07月06日 山本耕史さんの音声ガイドが聞けます!
いよいよ夏本番になってきましたね。
静岡は一時的に全国一の暑さを記録しました…。
今年は節電の夏になりますが、皆さま無理して体調を崩されないよう十分ご注意ください。さて、当館では7月9日より「没後150年 歌川国芳展」を開催します。
日本の夏らしい、大規模な浮世絵の展覧会です。みなさん、展覧会をご覧になる際に受付付近で「音声ガイド」の貸出しを行っている事があるのはご存知でしょうか?
展覧会をより深く知るために音声で作品解説を行うもので、耳で聞く事で内容が頭に入りやすく、解説文のように作品と文章をいちいち見比べる必要もないため、展覧会鑑賞に非常に役立つ便利なアイテムです。実はなんと、今回の「没後150年 歌川国芳展」の音声ガイドは、俳優の山本耕史さんがナビゲーターを担当して下さっています!!
しかも、山本さんが国芳の弟子であった「芳宗」に扮し、江戸っ子特有のべらんめぇ口調で作品を解説してくれるスペシャルトラックもあります。
さらに、作品だけでなく弟子の立場から見た国芳についてや、江戸の風俗についてなど、作品解説だけでなく内容も充実した面白いガイドになっていますので、ファンの方もそうでない方にもお楽しみ頂ける内容になっていると思います。
ご来館の際にはぜひ、合わせてご利用してみて下さい。※音声ガイドは有料(500円)です。展覧会チケットをお求めの上、展示室前にてレンタルをお願いします。
(k.s)
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2011年07月01日 静岡市美術館 夏のイベント情報!!
6月15日にスタートした、没後150年 歌川国芳展関連イベント「みんなで巨大鯨を描こう!」
カラフルなマスキングテープを貼り付けて、みんなで巨大鯨を完成させようというものです。写真は7月1日の様子…ご来館いただいた皆さんのおかげで、ここまで進みました!
いつでも・誰でも国芳とあそぼう!
当館の多目的室で実施しています。ぜひ、ご参加ください。そして!国芳展の会期中には、その他にも様々なイベントを開催します。
「浮世絵摺りの実演と子ども摺り体験!」
日時:7月10日(日)
【午前の部】11:00~12:00 どなたでも(参加料無料、申込不要)
【午後の部】14:00~16:00 小学生以上30名(参加料200円、要申込。見学自由)
ワークショップ「国芳とあそぼう!」① 「浮世絵で飛び出すカードを作ろう」
日時:7月16日(土)
【子ども編】10:00~12:00 中学生以下20名
【大 人 編】13:00~16:00 高校生以上20名
参加料:各回とも500円(材料費含む)
ワークショップ「国芳とあそぼう!」② 「江戸の影絵あそびとうちわつくり」
日時:7月18日(月・祝)
【午前の部】10:00~12:00
【午後の部】13:30~15:3
各回とも中学生以下20名
参加料:各回とも500円(材料費含む)
まだ若干定員に余裕がございますので、皆さまぜひお申込みください。
問合せ・申込みは、お電話で静岡市美術館までどうぞ♪(先着順)
詳細は、各イベント情報をご覧ください。さらに!「歌川国芳」日曜美術館で再放送が決定しました。
・7月10日(日)朝9時~
・7月17日(日)夜8時~
の2回です。
歌川国芳の作品がたくさん紹介されるのはもちろん、国芳の生き方や魅力がたっぷり詰まっております。
前回見逃してしまった…という方、ぜひこの機会にご覧くださいませ。(c.o)
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2011年06月26日 学芸員のつぶやき どうしてこんなにコパー作品に惹かれるのか②
お陰様で、入館者も1万6千人を超えました。
北は北海道から南は沖縄まで、こちらがびっくりするような遠いところからわざわざ来て頂いた方や、
東京展など他会場ですでに見たけれどもう一度、という方など、熱心な方がたくさん、ありがとうございました。
さて、終了間際ですが、コパー作品の力に触発されて、もう1回だけつぶやきを。
前回、コパーの不思議な形について、それが轆轤挽きを基本に作られていることをご紹介しましたが、
轆轤はコパーにとって特別な道具でした。
ほとんど自身の言葉を残さなかった(最晩年に綴ったまとまった草稿も、亡くなる直前に、妻のジェーンさんに全て焼き捨てさせたという)コパーですが、
1969年のヴィクトリア&アルバート美術館での展覧会に寄せた、貴重な一文のなかで、
「――私の関心は、実験や探検にあるのではなく本質を引き出すことにある。
ろくろは簡潔さを要求し限界を決定づけ、勢いと連続性を与える。――」
と述べています。
轆轤挽きにより生まれた形を組み合わせたコパーの形には、どこか、円や球といった、
幾何学的な形への志向、洗練を感じます。それは、ギリシャ・ローマはもちろんエジプトやメソポタミアなど
古代から地中海世界に連綿と流れるものではないか――、
もちろん、こんな壮大な話を跡付ける知識もないのですが、コパー作品の不思議な魅力を前にしばしそんな空想を・・
轆轤は、人の手で、整った円形を生み出すことが出来る点で、人間にとって画期的な道具だったと思いますが、
完全な円や球といった幾何学的形態は、人間の精神が生み出す抽象的な観念であって、自然には実在しないものです。
(自然は不定形であり、特に生命の生み出す形には、不思議な無理数、黄金比が潜んでいることは良く知られています。)
コパーは、ドイツ生まれのユダヤ人で、生涯の大半を過ごしたのも、
若き日にナチスから逃れて亡命したイギリスの地でしたから、出自的には地中海というよりむしろ北方ですが、
大英博物館で見た、古代エーゲ海に栄えたキクラデス文明の、抽象的な石像に強い感銘を受け、
また、20世紀の彫刻家ブランクーシを敬愛していました。
西欧モダニズムに流れる、地中海的な形の洗練、抽象に向かう精神―――
しかし、完全な幾何形体を作るなら、それこそ今の時代、機械の方が精密に出来るわけですが、
轆轤という古い道具を使って、土と手から生み出された、厳密さを欠くはずのコパーの形に、
いやそれだからこそ、何千年にも渡る形と精神の洗練=イデアの影を見る・・・、
寡黙で静謐なコパーの形は、いろんな空想を誘います。
(a.ik)
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