• 2015年11月21日 【いよいよ11/23まで】「絵本をひらくと」展 大変賑わってます

    今日から3連休ですね。静岡では朝から晴天となり、絶好の行楽日です。

    当方で開催中の「ちひろ美術館 世界の絵本原画コレクション展 絵本をひらくと」では、

    今日は開館からすぐに多くのお客様にご来館いただけました。

     

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    絵本原画を中心とした展覧会ということで、普段の美術館ではなかなか見られない、親子で作品と絵本を楽しむ姿をよくお見かけします。

     

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    本展では、出品された絵本原画が使用われた絵本も閲覧できるよう、展示室内の至るところに絵本のブースを作りました。

     

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    また、展示室奥には「絵本の森」という特設コーナーがあり、親子で絵本を楽しむことが出来ます。

    お気に入りの絵本に夢中になるお子さんもおられました。

     

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    展示室は4章に分かれており、第1章は「イメージはどこからくるの?」、第2章は「色をたのしむ」、

    第3章は「息づく子どもの頃の感覚」、第4章は「母のまなざし-いわさきちひろ」という構成です。

    日本人作家ではいわさきちひろ、赤羽末吉、長新太、茂田井武を中心に、荒井良二やスズキコージ、

    海外作家ではエリック・カールやモーリス・センダック、ブライアン・ワイルドスミス、マークシモントなど、

    計48名、約180点の作品をご紹介しています。

     

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    本展は他の美術館に巡回する予定はありません。

    出品作品は、2万6千点の収蔵作品を誇るちひろ美術館のなかでも、選りすぐりの作品たちです。

    いわさきちひろの作品も、約40点をご覧いただけます。

     

    展覧会最終日まで、あと2日となりました。

    この連休は静岡市美術館で、絵本の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

    絵本をひらくとあらわれる、時代や国境、文化を超えて存在するイメージや、あらゆる感覚にひらかれた絵本をとおして

    子どもの頃のみずみずしい記憶を再発見してみませんか。

    そして、印刷物としての絵本とはまた違った、原画の持つ魅力をぜひお楽しみください。

    ご来館をお待ちしております。

     

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    ※画像提供:中日新聞社  

     (R.A)

  • 2015年11月19日 次回「芹沢銈介生誕120年記念展 しあわせの色 たのしい模様」は、2館同時開催!

    静岡市美術館では、「ちひろ美術館 世界の絵本原画コレクション展 絵本をひらくと」を開催しています。
    おかげ様で、毎日多くの方にご来場いただいています。
    11月23日(月・祝)の閉幕まで、のこり数日となりました・・・皆さまのご来館をお待ちしています。

     

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    さて、12月からは「芹沢銈介生誕120年記念展 しあわせの色 たのしい模様」を開催します。

     

    人の心を楽しませ、幸せにする、膨大な量の作品を残した芹沢銈介。

    その生誕 120 年に当たる 2015 年、静岡市にあるふたつの美術館が、異なる切り口から芹沢銈介の展覧会を行います。

     

    当館・静岡市美術館では、のれんやふきん、装幀本、カレンダー、うちわなど、生活にかかわる芹沢銈介のデザイン約500点を展示し、偉大な”デザイナーとしての側面”をご覧いただきます。

    (静岡市美術館 会期:12月5日(土)~1月11日(月・祝))

     

    一方、芹沢銈介美術館では、染色作品から約 100 点を厳選し、芹沢の”代表作”を展示します。

    (芹沢銈介美術館 会期:12月5日(土)~3月13日(日))

     

    芹沢の壮大な創作世界と、その魅力をたっぷりとお楽しみください。

    ※自主企画展ですので、他館には巡回しません!

     

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    展覧会チラシ両面に、2館のメイン作品を掲載しました。
    左は、芹沢銈介美術館で展示される《飛の字》、
    右は、静岡市美術館で展示される《耳付き壺文のれん》です。
    どうぞ、お手に取ってご覧ください。
    (ポスターも、”静美版”と”芹美版”の2種類あります!)

     

    前売券も好評販売中です。
    この機会に、ぜひお買い求めください。

     

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    静岡市美術館「芹沢銈介生誕120年記念展 しあわせの色 たのしい模様」
    2015年12月5日(土)~2016年1月11日(月・祝)
    休館日:毎週月曜日(1月11日はのぞく)、12月28日(月)~1月4日(月)
    料金:一般700(500)円 大高生・70歳以上500(400)円 中学生以下無料
    ※(  )は、前売および20名以上の団体料金(団体券は来館当日に限り購入可能)。  
    ※障がい者手帳等をご持参の方および介助に必要な方は無料。

     

    前売券:12月4日(金)まで以下の箇所にて販売
    静岡市美術館(12月3日(木)まで)、チケットぴあ[Pコード767-119]、ローソンチケット[Lコード42559]、セブンチケット[042-249]、谷島屋呉服町本店、谷島屋マークイズ静岡店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店

     

     

  • 2015年08月28日 「春信一番!写楽二番!」開幕しました!!

    8月23日日曜日、朝10時、無事に静岡会場開幕しました!!

    美しい浮世絵版画がずら~っと

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    千社札もずら~っと、壮観です

     

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    浮世絵の通史が学べるように

    六大浮世絵師(春信、清長、歌麿、写楽、北斎、広重)は拡大パネルをご用意しました!

    同時代、あるいは後世の人の”言葉”も添えられています。

     

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    夏休みもあとわずか、宿題に励む小学生の姿も(笑)
    月曜日、つまり8月31日も開館していますよ、宿題まだの人、静岡市美術館へ急げっ!!

     

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    そしてそして、午後は監修者の浅野秀剛先生のご講演

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    講演会申込みの往復はがきに「待ってましたMr.UTAMARO SHUGOさん」とメッセージをいただくほど、静岡の皆さんが待ちに待った講演会でした!

     

    もちろん、浅野先生は歌麿研究の第一人者で、前職の千葉市美術館の開館の時には、空前絶後の「歌麿展」が開催されましたが、”浮世絵何でも博士”です。

     

    ご講演はいつも浮世絵をコツコツ調べている浅野先生らしい見事な考察が次々披露され、改めて、メインピースの春信「やつし芦葉達磨」のスゴサを知り

    写楽の「四代目岩井半四郎の重の井」の手に持つ袋が、別れた子へあげた同じお守り袋だったことが、一挙に出された雲母摺の大首絵の役者と役柄の同定に繋がった記念的な作であること、感動的な話が続く中で、、、、

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    「タイトルの”春信一番!写楽二番!”ってどういう意味ですか?って、5人ぐらいの人から聞かれたんですけど、あれは、私が言ったっていうんですけど、全然覚えてないんですよね。”春信一番!写楽二番!”って展覧会タイトルに静岡市美のYさんが提案して、いいねえ、斬新だねえ、採用!って賛成したんです。確かに、春信が30点もあって一番だね、次に写楽が11点もあっていいねって言うことは言ってましたけどね」

     

    ちょっとショック、、、でした

     

    その後、ほどなく『芸術新潮』が届きました。

    なんと、「萬美術屋 安村敏信が見て歩く 今月の逸展 №5」で、三井記念美術館さんでの本展が採りあげられました!!
    さすが安村さん、本展の本質を見て下さって素敵な記事を書いて下さっています
    皆さまぜひご一読を

     

    そうなんです、”春信一番!写楽二番!”は本展の特徴をよく言いあわらした、監修者ならではの言葉なのです!(と、私は思いました!!)

    最初に本展参加のお誘いを頂いたときに、
    「フィラデルフィアの膨大なコレクションの中から、浮世絵の歴史の中のいいところ、を抽出して展示を組んでみると、春信と写楽にいいものがあることが特徴になる、だから”春信一番!写楽二番!”って売り出そうと思って」と、
    実際、現地調査に参加したときも(お忘れかもしれませんが、、、)
    “春信一番!写楽二番!”っておっしゃってましたし、、、
    調査のとき、毎日、本当だなって実感しました。

     

    錦絵誕生250年の本年に、錦絵の創始者、春信の名品ばかりを30点も1コレクションから展示できるなんて、本当にすごいことです

    錦絵黄金期の、しかも謎の絵師ゆえに希少な写楽が11点も展示できるなんて、これまたすごい!!

     

    カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂じゃないけれど、

    “春信一番!写楽二番!”、展覧会は静岡市美術館!

     

    当館では展示替えなし、会期中無休、しかも、”美しく”展示しています

    皆さまのご来館を心よりお待ちしております

     

    (e.y.)

  • 2015年08月22日 「春信一番!写楽二番!」のあれこれ ③-会期中無休!?展示替え無し!?

    展覧会「春信一番!写楽二番!」の見どころを、ロゴマークくんと担当学芸員の会話形式でお届けします。

    -会期中無休!?展示替え無し!?-

    ? :会期は8月23日(日)から9月27日(日)・・・。えっ! “会期中無休”!?

    担 当:会期が短いので(全36日間)、休館日を無しにしました!働きます!

    (職員はシフト制で勤務します。皆、交替で休みますのでご心配なく。念のため)

    ? :”展示替えなし”とは?

    担 当:

    浮世絵など素材が脆弱なものは、色が飛んだり、紙が変色しやすい。

    作品を守るため、展示期間が短めに設定されていることが多いです。

    今回の展覧会は、会期が短いことと、一部を除き長年展示されておらず、所蔵元から許可をいただいたことから、前期・後期を分けずに、まとめて展示することになりました。

    ! 静岡会場では、チケット一枚で、全ての出品作品が一度に鑑賞できる!

    チケットの図版は、春信!

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    「錦絵誕生250年 春信一番!写楽二番! フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」

    会期:2015年8月23日(日)~9月27日(日) 会期中無休!展示替え無し!

    観覧料:一般1,100(900)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料

    *( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金

    *障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料

    前売券:8月22日(土)まで販売

    静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード766-801]、ローソンチケット[Lコード47347]、セブンチケット[040221]、谷島屋呉服町本店、谷島屋マークイズ静岡店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店

  • 2015年08月21日 「春信一番!写楽二番!」のあれこれ ②静岡会場オリジナル構成って?

    展覧会「春信一番!写楽二番!」の見どころを、ロゴマークくんと担当学芸員の会話形式でお届けします。

    -静岡会場オリジナル構成って?-

    ? :みどころのひとつ、”静岡会場オリジナル構成”とは?

    担 当:

    巡回会場の中でも静岡会場は展示スペースが広い方なので、特別構成を作ってみました。

    ①風景版画の成立

    ・・・本展の章立てから少々寄り道し、初期浮世絵から葛飾北斎や歌川広重に至るまでの浮世絵版画における風景画の成立について紹介します。

    ②錦絵ができるまで

    ・・・復刻版《富嶽三十六景 凱風快晴》版木、順序摺、彫・摺の道具一式を展示、錦絵はいかに作られたかを紹介します。”見当をつける”という言葉は、浮世絵版画から生まれた!?

    ③千社札(せんじゃふだ)全5帖を、ドーンと一挙公開!

    ?  :千社札(せんじゃふだ)、ドーン・・・?

    担 当:

    千社札とは社寺参りの記念に柱などに貼る紙製の納札のこと。今でも、お寺や神社の柱に貼ってあるのを見ますよね。江戸後期には、旅ブームによって、千社札の愛好者も生まれ、交換用の札も制作されました。

    今回展示する千社札貼込帖は、大交換会が行われた安政期(1854-60)を中心に、千を優に超す千社札が貼り込まれています。しかも、渓斎英泉(けいさい えいせん)や歌川派の国芳、広重、芳艶(よしつや)、そして梅素亭玄魚(ばいそてい げんぎょ)など、当時活躍した浮世絵師の下絵のものもたくさん入っています!

    静岡会場ではその面白さ、魅力を存分に味わってもらうため、全5帖を一挙公開します。その長さ約35メートル!!

    ! :千を優に超すコレクション・・・千社札に対する学芸員の熱も伝わってきます。

    担 当:現地調査中、「千社札がおもしろい、千社札が」ってずっとアピールしていました(笑)

    ? :全5帖一挙公開・・・さ、35メートル!?どんな展示になるのやら・・・!?

    担 当:展示ケースをフルに使って、ドーンと!!札の一枚一枚は小さいので、じっくり見てね。

    展覧会図録の千社札ページ。なんと、16ページも使って掲載!実物を見るのが楽しみです。

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    「錦絵誕生250年 春信一番!写楽二番! フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」

    会期:2015年8月23日(日)~9月27日(日) 会期中無休!展示替え無し!

    観覧料:一般1,100(900)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料

    *( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金

    *障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料

    前売券:8月22日(土)まで販売

    静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード766-801]、ローソンチケット[Lコード47347]、セブンチケット[040221]、谷島屋呉服町本店、谷島屋マークイズ静岡店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店

  • 2015年08月20日 「春信一番!写楽二番!」のあれこれ ①展覧会タイトルの謎

    展覧会「春信一番!写楽二番!」のみどころを、ロゴマークくんと担当学芸員の会話形式でお届けします。

    -展覧会タイトルの謎-

    ! (ロゴマークくん):

    こんにちは!もうすぐ新しい展覧会「春信一番!写楽二番!」が始まりますね!
    今日は展覧会のみどころを聞きにきました。よろしくお願いします!

    担 当:はい、よろしくお願いします。

    ? :早速ですが、このちょっと変わった展覧会名「春信一番!写楽二番!」って、どういう意味ですか?(カステラかな?(笑))

    担 当:監修の浅野先生の”つぶやき”です!

    ? :もう少し詳しく教えて~

    担 当:

    昨年1月のフィラデルフィア現地調査で、実際に作品を観ながら出品作品を選定しました。

    その時に、あべのハルカス美術館館長の浅野秀剛先生が、「春信一番、写楽二番・・・春信一番、写楽二番・・・」と、しきりにつぶやいていらっしゃった。この言葉が、展覧会の特徴をズバリ言い当てているのです。

    ? :「錦絵誕生250年」というのは・・・?

    担 当:

    今回の展覧会は「錦絵の誕生」に焦点を当てています。錦絵というのは、250年前の明和2年(1765年)に誕生した、多色摺の浮世絵版画のこと。錦のように色鮮やかなことから「錦絵」と呼ばれ大評判になりました。

    これまで単色や色数も少なかった浮世絵が、一気にカラーに!浮世絵が大きく発展した出来事でした。

    その錦絵の誕生に大きく関わったのが「鈴木春信(すずき はるのぶ)」です。

    展覧会では、錦絵誕生の立役者・春信の出品数がダントツに多く30点。いずれも名品ばかり。

    間違いなくこの展覧会の主役です。

    次の主役は「東洲斎写楽(とうじゅうさい しゃらく)」、 代表作を含む11点が揃います。こちらも稀少性が高い。

    ! :なるほど!

    錦絵誕生の立役者・春信は30点、その後に登場する写楽は11点出品。
    量だけでなく質、稀少性も高い名品が揃う・・・まさに”春信一番!写楽二番!”なんですね!
    春信が主役ですが、展覧会ポスターのメイン図版は「写楽」ですね。

    担 当:そこは・・・知名度をとりました(笑)

    ! :確かに、これは「見たことある!」という作品!

    担 当:チラシは、春信・写楽の両面印刷にしますよ。精緻な春信!迫力の写楽!

    フィラデルフィア美術館の浮世絵コレクションは、初期浮世絵や上方浮世絵も豊富です。

    今回の展覧会は、錦絵誕生以前の初期浮世絵から錦絵の誕生・展開・成熟の課程を紹介し、浮世絵の歴史を辿ります。

    浮世絵初心者から、コアなファンまで楽しめる展覧会になると思います。

    チラシの表紙。春信《やつし芦葉達磨》・写楽《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》の図版を両面に。

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    「錦絵誕生250年 春信一番!写楽二番! フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」

    会期:2015年8月23日(日)~9月27日(日) 会期中無休!展示替え無し!

    観覧料:一般1,100(900)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料

    *( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金

    *障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料

    前売券:8月22日(土)まで販売

    静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード766-801]、ローソンチケット[Lコード47347]、セブンチケット[040221]、谷島屋呉服町本店、谷島屋マークイズ静岡店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店

  • 2015年08月19日 「春信一番!写楽二番!」のあれこれ

    「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで」が8月16日に閉幕しました。

    たくさんのご来場、ありがとうございました!

    次回「錦絵誕生250年 春信一番!写楽二番! フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」は、8月23日(日)からの開催です。
    次回展まで、あと1週間・・・開幕に向け、急ピッチで準備しています!

    さて、ここからのブログ『「春信一番!写楽二番!」のあれこれ 』では、展覧会の見どころを、当館のロゴマークくんと担当学芸員の会話形式でお届けします。

    ? (ロゴマークくん) 「どんなお話が聞けるかな~?」

    (出品作品の解説などは、学芸員のコラムでご紹介します。こちらもお楽しみに。)

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    「錦絵誕生250年 春信一番!写楽二番! フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」

    会期:2015年8月23日(日)~9月27日(日) 会期中無休!展示替え無し!

    観覧料:一般1,100(900)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料

    *( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金

    *障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料

    前売券:8月22日(土)まで販売

    静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード766-801]、ローソンチケット[Lコード47347]、セブンチケット[040221]、谷島屋呉服町本店、谷島屋マークイズ静岡店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店

  • 2015年08月13日 開館5周年記念コラボビール、完成間近!!(後篇)

    “完成間近”と題した本ブログでしたが…

    申し訳ありません、実は既にビールが完成してしまいました!!

     

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    完成した当館フレンチセゾン(左)と音楽館アルト(右)

     

    去る8月10日には、一般発売に先駆けて、各マスコミや関係者を対象とした「完成お披露目会」を開催しました。

     

    AOI BREWINGの満藤社長、高醸造長をはじめ、当財団の望月専務理事、静岡音楽館の山村館長、静岡市美術館の田中館長、そして静岡商工会議所の熱川専務理事(実は、音楽館開館当時の副館長!)が、AOI BREWING併設ビアバー「BEER GARAGE」に集合。
    皆様から御挨拶や祝辞をいただいた後・・・

     

    いざ、カンパーーーイ!!!

     

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    「Prost!!!」アルトにあやかりドイツ語で乾杯!

     

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    ビールについて語る高醸造長と生まれたてのビールたち

     

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    記者の皆様、暑いなかありがとうございました!

     

    私も試飲させていただきましたが、両ビールともホントに!おいしいです!!
    しかも、ある意味対照的な両館のキャラクターがばっちり際立っている…!

     

    高醸造長曰く、「イメージでビールを作るのは難しい」とのことですが、とても良い出来栄えに、両館長もたいへんご満悦なご様子でした。

     

     

    さて。

    すっかり遅ればせながら…といった感じではありますが、前篇に引き続き今回は、各ビールの特徴や、博学多識な高醸造長によるネーミングの由来などについて、詳しくご紹介します。

    それではまず、静岡音楽館AOI(以下、本文中では「音楽館」)からご紹介。

     

    ■静岡音楽館AOI開館20周年記念エール「ホルツノーテンシュレッセル(アルト)」

     

    音楽館からイメージされた「アルト」は、ドイツ・デュッセルドルフ市発祥の古典的なビアスタイルで、直訳すると”古いビール”。といっても決してビール自体が古いわけではなく、これは、現在世界中で一番作られている下面発酵ビール(ラガー)に対して、それ以前のビールの主流であった上面発酵ビール(エール)の伝統的製法で作られていることに由来します。

     

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    濃褐色の見た目から、一見重そうなイメージを抱きがちですが、飲んでみると想像以上に飲み口すっきりで、思わず「!」。3種類のドイツ産ホップがばっちり効いているので、すっきりの直後、すぐさましっかりとした苦味が迫ってきます。このど真ん中ストレートな味わいは、いかにも”優等生タイプ”と言った印象。音楽館のコンサートの余韻に浸りながら飲むにもふさわしい、とても品格ある仕上がりです。
    ビールの温度とともに変わる味わいの変化もおもしろい。焙煎したモルト(麦芽)のほんのりとした香ばしさに包まれ、コク深いのにスイスイ飲める…優等生とはいえ、これは少々危険なビールかもしれません(笑)

     

    高醸造長が命名した「ホルツノーテンシュレッセル」という名前は、 “木製の音符”というニュアンスのドイツ語。

     

    「音楽の都ウィーンの楽友協会ホールに似た残響音設計になっている音楽館は、ふんだんに使われた木材の温かなぬくもりを感じる素敵なステージと、シンプルかつ落ち着いた豪華さを持つホールです。そこからイメージして閃いたのが”木製の音符”でした。」

     

    音楽館のイメージに、なんともぴったりなネーミングです。

    いつか、こんなビールを音楽館のバーカウンターでも味わってみたいものです…♪

     

     

    さて、続いては、静岡市美術館のビールをご紹介!

     

    ■静岡市美術館開館5周年記念エール「月白風清(フレンチセゾン)」

     

    「セゾン」は、ベルギー南部及びフランス北部でつくられるビアスタイルです。もともと夏の農作業の際、水がわりに飲まれていたもので、夏に飲むために決まった季節(農閑期)に仕込みをしていたことからセゾン(シーズン)ビールと呼ばれるようになりました。

    実は明確なレシピが規定されているわけではなく、地方や醸造所によっても味の違いが大きく異なる、幅の広いスタイルのビールです。

     

    「セゾン」といえば、ベルギーセゾン酵母を用いた”ベルジャンセゾン”が一般的ですが、今回は当館の”お洒落感”を出したいと、極めて希少なフレンチセゾン酵母を使用して、あえての「フレンチセゾン」に。小麦を使って、ややマイルドな飲み口に仕上げました。

     

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    こちらはやや白味がかったゴールデンイエロー。まず印象的なのは、コリアンダーや柑橘系ハーブが醸し出す華やかな香り。そして、一口飲んでみると…、やっぱり「!!」。
    “すっきり””爽やか”な第一印象に続くのは、やや複雑で、芳醇な風味。絶妙な調和を保ち、徐々に喉奥に広がります。

     

    このビールには、当館の開館5周年にちなみ、5種類のハーブスパイス、そして贅沢にも5種類のホップが使用されています。
    しかも、使用したホップは、パール、サファイヤ、オパールなど、いずれも煌めく宝石の名前。
    5種類ものホップを使うのは、通常「あまりやらない」ことだそうですが、高醸造長の大奮発のおかげもあって、香りや味わいの奥行きや広がりが半端ない、とてもエレガントなビールに仕上がっています。

     

    この「フレンチセゾン」に命名された「月白風清」(げっぱくふうせい)という言葉は、中国・宋代一の詩人と謳われた蘇軾の長文の一節。高醸造長の好きな言葉のひとつでもあるそうです。

     

    「白くこうこうと輝く月明かりに照らされた青白いモノトーンの世界が、白を基調にした静岡市美術館のイメージと重なります。そして夜の静寂にそよぐ秋風のごとく香るさわやかなセゾンの香り…。今年の立秋は8月8日、季節的にもぴったりです。」

     

    音楽館がドイツだから、こっちはフランスか…?!と思いきや、こちらはいとも上品な四字熟語と来た(笑)

    醸造長のハイセンスぶりに、平伏です!

     

     
    …と、ご紹介ばかりが長くなりましたが、
    「ホルツノーテンシュレッセル」と「月白風清」。
    皆様への初お目見えは、いよいよ今週末8月14日(金)!
    8月16日(日)までの3日間、静岡市中央商店街で開催される「第53回静岡夏祭り 夜店市」にて特別先行販売いたします。
    小梳神社前の「静岡市文化振興財団」ブースに、ぜひお立ち寄りください。

     

    その後、8月17日(月)からは、アオイビール取扱店舗でも順次開栓予定ですが…!

    残念なことにこれらのビール、今回は何せ”特別限定醸造”していただいたものですから、各450リットル、計900リットルのビールがなくなってしまえば、その場でもちろん「売り切れ御免」となります。

     

    全国初、世にも珍しいコラボビールで、しかも今しか飲めない”特別限定醸造”!!

    そうと聞いては、ほら。あなたはもう飲まずにはいられないはず…(笑)

     

    さてさて、あなたは、音楽館の「アルト派」?それとも、市美の「フレンチセゾン派」?

    ぜひ、飲み比べも楽しんでくださいね。

    一期一会のこの機会、皆様ぜひお飲み逃しなく!!

     

    IMG_3565.JPG

    セゾン越しにセゾンを味わう醸造長(笑)

    「おいしいって言ってもらえてほっとした…」
    ご尽力いただき、心から感謝です!
    (m.m)

  • 2015年08月05日 開館5周年記念コラボビール、完成間近!!(前篇)

    静岡市美術館は、今年開館5周年。
    そのメモリアルイヤーに、なんとも珍しいコラボ企画が持ち上がりました。

     

    なんと、今年醸造開始1周年を迎える、静岡市唯一のクラフトビール醸造所「AOI BREWING」(以下「アオイさん」)さんが、同じJR静岡駅前にあって、同じ(公財)静岡市文化振興財団が管理運営を行う静岡音楽館AOIの開館20周年と、当館の開館5周年を祝して、それぞれの施設をイメージした「開館周年オリジナルビール」をつくってくれることになったのです!

     

    aoi brewing outside.JPG

    旧醤油蔵を改造した醸造所。静岡浅間神社のすぐ近くにあります。

     

    クラフトビールが全国的なブームとなっている昨今、「クラフトビール×店舗」、「クラフトビール×地場産品」、「クラフトビール×キャラクター」など、様々なコラボ企画をあちらこちらで目にします。

     

    しかし!
    「クラフトビール×公共施設」のコラボレーションは全国初!(おそらく。)
    期せずして、歴史的瞬間を目撃することとなりました。

     

    元を辿れば、アオイさん側から静岡音楽館AOIに、「同じ”AOI”同士、何かコラボしませんか?」と、ご提案をいただいたことに端を発するこの企画。
    その後、周年記念ビール醸造に話が大きく発展したことで、めでたく当館も企画の仲間入り。
    熱狂的なビールファンを多数?有する当財団としても、大きな快挙となりました…!

     
    具体的に話が動き始めたのは5月のこと。
    それからこれまでの間、醸造長の高さんやマネージャーの福島さんとともに、どんなビアスタイルにするか、どんなホップを使うか、PR作戦をどうするか、ネーミングをどうするか等々、かなり綿密に打ち合わせを積み重ねてまいりました。(おかげで酒量が増えました(笑))

     

     

    詳しいビールの紹介などは後篇に回すとして、今回は、案外すんなり?決まった各館のビアスタイルのみ発表させていただきます。

     

    まずは、静岡音楽館AOIから。

    aoi hall(300dpi).jpg

    1995年5月に室内楽専用ホールとして誕生した静岡音楽館AOI。
    JR静岡駅前の文化施設では、最も格式高く、古典的な風格が漂います。
    そんな優雅さと荘厳さをあわせもつ音楽館からイメージされたのが、ドイツ・デュッセルドルフ市発祥・正統派「アルト」。

     

    静岡音楽館AOIといえば「やっぱりドイツ!」とは、醸造長の談。
    “オールドイツ”にこだわったアルトづくりがスタートしました。

     
    次に、静岡市美術館です。

    shizubi entrance (within people).jpg

     

    白くて、シンプルで、開放的な雰囲気の静岡市美術館。
    そんな当館からイメージされたのは、すっきりスタイリッシュな「フレンチセゾン」。
    もともとは田舎で飲まれていた「セゾン」ですが、今ではなんだか「とんがっててお洒落な雰囲気」。
    当館のイメージに合うように、小麦を使ってやや白く、マイルドな飲み口のセゾンづくりが始まりました。

     

     
    去る7月10日には、財団トップと各館長が、ビールの仕込みのお手伝い。
    夕方、担当者のみで再訪したときには、おまけでホップやハーブスパイスの計量や投入まで体験させていただきました。

     

    aoi brewing tank.JPG

    工場内部。なんだか近未来的!?

     

    aoi brewing molt stirring.JPG
    モルト撹拌中の田中館長。意外と重たいのです…

     

    aoi brewing molt stirring (all).JPG
    こぞって麦芽の投入や櫂入れのお手伝い。とても楽しそう(笑)

     

    aoi brewing hop.JPG
    投入前のホップ。一粒で、とっても苦―いです!

     

    aoi brewing herb,spice.JPG
    ハーブスパイス粉砕中。工場内部はまるで家庭科室×理科室!

     

    aoi brewing sprash.JPG
    ホップ一発目の投入では、100度を超える麦汁が一気に噴出!
    今回はサービスショット。いつもより多く溢れています(笑)

     

    ビール1.jpg
    発酵中のビールはこんな感じ。

    どこぞのマキアートかと見紛うアルトに、超フレッシュなフレンチセゾン。
    まだまだ酵母が混在しているので、かなり濁っています。でも、飲めました…。

     

     

    発酵が終わった後、1日2℃ずつ、ゆっくりゆっくり時間をかけて温度を落として、
    ゆっくりゆっくり酵母を沈殿させて…

    ビール2.jpg

    ようやくここまで透明に!!
    いわゆる”若ビール”。この状態でもう十分おいしく飲めました。

     

     
    ・・・と、今回はここまで。

    こんな風に、普段はなかなか知ることのできないビールの醸造過程を紹介できるのも、まさにオリジナル企画ならではのことではないでしょうか。

    さて次回は、いよいよ完成間近のビールについて、写真とともに詳しくご紹介します。
    乞うご期待!

     

    aoi brewing brewer.JPG
    最後に、まさに職人な醸造長の背中を。
    我らのビールを、どうぞよろしくお願いします!!

     

    (m.m)

  • 2015年06月11日 「理想の”青”を求めて―憧れの色への挑戦」

    今週末に開幕する展覧会「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで」。

    作品が搬入され、展示作業もいよいよ大詰めです。

     

    さて、今回のブログは、青磁の”青”についてのお話です。

     

     

    「天青(てんせい)」「粉青(ふんせい)」「翠青(すいせい)」・・・。

    これらはすべて青磁の”青”を表した言葉です。

    中国を起源とするこの美しい釉色のやきものを、かつての中国皇帝は雨上がりの澄み切った天空の色になぞらえて「雨過天青(うかてんせい)」と言い表しました

    青磁は、しばしば空や碧玉(へきぎょく)といった自然界の青に喩えられますが、その中でも最も印象的な言葉の一つと言えます。

     

    その青磁の色は、マットで濁りのない淡く澄んだ青緑色の「粉青」、 ヒスイのような透明感を持つやや緑色の強い淡く明るい青緑色の「翠青」をはじめ、オリーブ・グリーンや淡い黄色のものもあり、一言では言い表せない豊かな”青”の世界が広がります。

     

    この青磁の”青”の発色源は、釉薬や土に含まれるわずかな鉄分。

    空気中ではすぐにさびてしまう鉄も、還元焔焼成(かんげんえんしょうせい)という酸素不足の状態で焼かれることで青みを帯び、それがガラス質の釉薬の中に閉じ込められて永遠に青く保たれます。

     

    しかしながら青磁は、初めから美しい青を呈していたわけではありません。

     

    今から3500年前の中国・商時代中期、青磁の祖とも言うべき木灰(もっかい)を主原料とした灰釉(かいゆう)の陶器が焼かれます。

    紀元後1世紀の後漢時代には灰釉から成熟した青磁が誕生しますが、まだまだくすんだ暗緑色。

    ここから中国における理想の”青”を求めた長い挑戦の歴史が始まります。

    そして、南宋時代(12−13世紀)、ついに青磁は頂点へと達します。

     

    さて、これら中国の青磁は同時代の日本にも伝わり、時代を超えて大切に受け継がれていきます。

    日本においても中世、近世と青磁への挑戦は見られますが、憧れの南宋青磁の再現に成功したのは明治時代以降。

    近代の陶芸家らの試みは、やがて独自の創作へと移っていきます。

    そして時代は今。作家の想いが投影された様々な青磁作品を見ることができます。

     

    本展は、第Ⅰ章で日本に伝来した12−13世紀の中国・南宋時代の至高の青磁を、 第Ⅱ章で近代の日本の青磁の成果を、第Ⅲ章で現在の青磁の到達点を見ることができる、オール青磁の展覧会です。

    いつの時代も理想の”青” を求めて生み出された青磁。あなたの理想の”青”に出会って頂ければ幸いです。

     

     

    (s.m)

    商店街バナー デザイン.jpg 

    ※商店街のバナーデザイン