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2014年11月21日 【国宝・久能山東照宮展】11月24日(月・祝)まで。静岡市美術館と久能山東照宮のセット券もあります!
前々回のブログでは、関連イベントのフォトモワークショップのご報告をしました。今回は、静岡市生涯学習センターとの連携事業「ウォークツアー 久能山探検!」のご報告です。「ウォークツアー 久能山探検!」は、静岡市美術館の展覧会を鑑賞した後、久能山東照宮を観光ボランティアガイドの駿府ウエイブの解説で見学するというもの。東部生涯学習センター(2014年10月9日(木))、西部生涯学習センター(2014年10月30日(木)~31日(金))の2回開催。各回とも申込多数の人気イベントとなりました!ここでは、東部生涯学習センターの回をご紹介します。まず、静岡市美術館に集合し、美術館と久能山東照宮を結ぶ「共通チケット」を購入。(「共通チケット」は、観覧券、バス、ロープウェイのチケットが一枚つづりになっています。詳しくはブログの最後で!)静岡市美術館学芸員によるレクチャーの後、展覧会を鑑賞しました。つぎに、静岡駅からバスに乗り込み、日本平ロープウェイ乗り場まで移動。さらに、ロープウェイで久能山東照宮へ向かいました。久能山東照宮では、3班に分かれて駿府ウエイブさんの解説を聴きながら境内を歩きました。少人数グループでじっくり解説を聞くことができたのが好評で、参加者からは「駿府ウエイブさんのお話がとてもわかりやすくよかった」という声をいただきました。久能山東照宮博物館の見学後、ロープウェイとバスを使って移動し、静岡駅で解散となりました。途中で雨が降ったりと、あいにくのお天気でしたが、みなさん楽しんでいただけたようです。駿府ウエイブの皆さん、ご協力ありがとうございました!最後に、「ウォークツアー 久能山探検!」でも大活躍した、静岡市美術館と久能山東照宮を周遊する、本展会期中限定の「共通チケット」のお知らせです。共通チケットの内容は、・静岡市美術館「国宝・久能山東照宮展-家康と静岡ゆかりの名宝」観覧料・久能山東照宮 拝観料及び博物館入館料・静岡鉄道バス「日本平線」 往復分・日本平ロープウェイ 往復分通常の料金で計算すると、4,160円かかるところ、今回は2,800円の特別割引価格!チケットの有効期限は「国宝・久能山東照宮展」会期中(~11月24日(月・振休))ですので、1日でチケットを使い終わらなくてもOK。本展会期中であれば、静岡市美術館鑑賞と、久能山東照宮の見学は別の日に設定いただけます。※「ウォークツアー 久能山探検!」でも、東部生涯学習センターは1日で、西部生涯学習センターは2日間に分けて実施しました。また、静岡駅⇔日本平ロープウェイ乗り場のバスの臨時便増発もあります。チケットは、静岡市美術館、しずてつジャストライン静岡駅案内所で11/24まで販売しています。「国宝・久能山東照宮展」も、残すところ数日となりました。明日からの3連休、静岡市美術館と久能山東照宮に出かけてみてはいかがでしょうか?皆さまのご来館を、お待ちしています!(c.o)会期:2014年10月4日(土)~11月24日(月・祝)観覧料:一般1,200(1,000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料*( )内は当日に限り20名以上の団体料金*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料静岡市美術館、久能山東照宮を周遊する共通チケットを販売します。観覧料、交通費あわせて4,160円のところ、2,800円の特別割引価格で販売!!バスの臨時便増発も決定!ぜひこの機会にご利用ください。 -
2014年11月11日 【国宝・久能山東照宮展】 家康吉祥の具足、歯朶具足(しだぐそく)
伊予札黒糸威胴丸具足(いよざねくろいとおどしどうまるぐそく)。なんだか漢字がたくさん並び、とても難しそうに感じる名前ですが、そんなことはありません。伊予札(いよざね)と呼ばれる甲冑の材料となる鉄・革の小板を黒糸(濃いこげ茶色)で威(おどし/緒を通し=縫い付けること)、冑(よろい)は右で結ぶ胴丸という種類の具足(甲冑・冑と兜(かぶと))であるということが並べ立てて説明されているだけで、わかってしまえば「そのまんまじゃん」と言いたくなります。この冑、徳川家康が所用し、現在久能山東照宮に納められている甲冑の名前です。兜の前に立てる前立(まえたて)が植物のシダの葉の形であることから「歯朶具足」とも呼ばれています。家康が天下分け目の決戦、関ヶ原の戦いと豊臣家を滅ぼした大坂の陣に携行し、見事勝利を収めたことから徳川家”吉祥の具足”として、大切にされてきた特別なものです。大河ドラマ「天地人」で有名になった直江兼続の「愛」の前立に見られるような戦国時代特有の奇抜さはありませんが、黒漆塗の重厚なデザインは質素倹約を旨とした家康らしさを表すようにも感じます。重要文化財「伊予札黒糸威胴丸具足(歯朶具足)」 久能山東照宮博物館蔵(展示期間:10/21-11/24)ちなみに、家康は大坂冬の陣でも別の歯朶具足を作成し、駿府から大坂に向かう道中、奈良の漢国神社に奉納しています。残念ながらこちらの具足は奉納する際に兜が落ちてしまい、縁起が悪いと兜は奉納されなかったようです。※展示替えのため、既に展示が終了しています(10月4日~10月19日までの展示)奈良県指定文化財「伊予札茶糸威胴丸具足 附具足櫃」漢国神社蔵(展示期間:10/4-10/19)今回、「国宝・久能山東照宮展 家康と静岡ゆかりの名宝」では、会期を分けてこの二つの歯朶具足を紹介しています。その他、南蛮胴具足(なんばんどうぐそく)や徳川歴代将軍の武具・甲冑も一堂に会するまたとない機会です。ぜひご覧ください。(s.o)会期:2014年10月4日(土)~11月24日(月・祝)観覧料:一般1,200(1,000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料*( )内は当日に限り20名以上の団体料金*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料静岡市美術館、久能山東照宮を周遊する共通チケットを販売します。観覧料、交通費あわせて4,160円のところ、2,800円の特別割引価格で販売!!バスの臨時便増発も決定!ぜひこの機会にご利用ください。 -
2014年11月08日 【国宝・久能山東照宮展】フォトモワークショップのご報告&作品展のお知らせ
「国宝・久能山東照宮展 家康と静岡ゆかりの名宝」では、様々な関連イベントを実施しています。今回のブログは、美術家・写真家の糸崎公朗さんを講師に迎えた、フォトモワークショップのご報告です。糸崎さんを講師としてお招きするのは、実は2回目です。前回は静岡市美術館が開館したばかりの年。ワークショップ「フォトモで作ろう!静岡の街」を行いました。■過去のワークショップの様子■今回は、展覧会「国宝・久能山東照宮展」にあわせて開催しました。久能山350年祭当時の絵葉書や古写真などを題材に、フォトモ(フォト+モデルの造語)と呼ばれる、写真を切り貼りして、懐かしい静岡の町並みを立体的に再現した作品を作りました。静岡市美術館では、子ども編(小・中学生対象)として、ワークショップ「フォトモで作ろう 静岡の街「いま」「むかし」」を開催。10月5日(日)、10月13日(月・祝)の2日間にかけて行いました。1日目は、『むかし』編。「国宝・久能山東照宮展」を鑑賞したあと、静岡の古い写真や絵はがきなどを使って、復元フォトモ(古写真をもとに街並みを再現するフォトモ)をつくりました。糸崎さんの自己紹介と、フォトモのお話。展示室で、学芸員の解説を聞きながら国宝・久能山東照宮展を鑑賞。糸崎さんのフォトモ作品も展示されています。「どうやって作ったの?」と、質問も。ワークショップ室に戻って、フォトモ制作へ。各自、気に入った古写真や絵葉書を選び、モチーフを決めます。糸崎さんに教えてもらいながら・・・切って、貼って・・・立体的に・・・なってきた!完成!2日目は、『いま』編。静岡市美術館周辺を散策し、自分で撮影した写真を素材にフォトモを作成しました。この日はなんと台風が接近していて…。雨が弱まっているうちに、美術館周辺を撮影!美術館のお隣にある浮月楼さんや、紺屋町商店街、美術館館内でも撮影しました。ワークショップ室に戻り、撮影した写真を選び、プリントアウトします。1日目と同じ要領で、切って、貼って…。自分自身の写真も取り入れて・・・。糸崎さんに教えてもらったり、参加者どうしで助言しあったり!完成!最後は、糸崎さんに一作品ずつ講評いただきました。自分の写真などさまざまなパーツを自由にレイアウトし、自分だけの箱庭のような世界ができあがりました!また、静岡市南部生涯学習センターでは、10月2日(木)、10月9日(木)に、大人編として「フォトモで復元!むかしの静岡」を開催しました。1日目は南部生涯学習センターでフォトモを制作、2日目は静岡市美術館で展覧会を鑑賞しました。現在、葵タワー1階エントランスで、南部生涯学習センターで制作した受講者のフォトモ作品を展示しています。11月16日(日)までの展示です。静岡市美術館へお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。静岡市南部生涯学習センター×静岡市美術館 連携事業「フォトモで復元!むかしの静岡」作品展平成26年10月2日(木)~11月16日(日)講師:糸崎 公朗 氏(美術家・写真家)場所:葵タワー1階エントランス (静岡市葵区紺屋町17-1)主催:静岡市南部生涯学習センター・静岡市美術館協賛:葵タワー管理組合法人(c.o) -
2014年11月07日 【国宝・久能山東照宮展】1万人達成!& 洋時計は、11月9日までの公開!
現在開催中の「国宝・久能山東照宮展 家康と静岡ゆかりの名宝」。10月31日に来場1万人を達成しました!1万人目のお客様は、静岡市内からお越しの仁科さん。ご友人と一緒にご来館くださいました。おめでとうございます!※画像は、記念品贈呈後の取材の様子です。また、展示替えを経て、いよいよ重要文化財「歯朶具足」が登場!国宝「久能寺経」も総入れ替えしました!そしてなんと、家康が風よけに使っていたという、今は皇室の名宝のひとつとなった、「南蛮人渡来図屏風」も里帰りしています。今後も、少しずつ展示替えがあります。作品リストはこちら⇒国宝・久能山東照宮展―家康と静岡ゆかりの名宝 作品リストスペイン国王から贈られた家康遺愛の品、重要文化財「洋時計」は、11月9日(日)までの展示です。ゼンマイ式の時打ち付き時計としては、日本最古のもの。みなさま、お見逃しなく!重要文化財「洋時計 (1581 年マドリッド製刻銘)」久能山東照宮博物館蔵(展示:10/4-11/9)(c.o)会期:2014年10月4日(土)~11月24日(月・祝)観覧料:一般1200(1000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料*( )内は当日に限り20名以上の団体料金*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料静岡市美術館、久能山東照宮を周遊する共通チケットを販売します。観覧料、交通費あわせて4,160円のところ、2,800円の特別割引価格で販売!!バスの臨時便増発も決定!ぜひこの機会にご利用ください。 -
2014年07月26日 この夏、静岡市美術館と静岡科学館る・く・るが相互にイベントを告知します!
いよいよ夏休みがやってきましたね!みなさん、この夏はどのように過ごしますか?きっと、お休みを使って遠方に出かけたり、海やプールに出かけたり、キャンプに行ったりと、楽しい予定を組んでいらっしゃる方も多いかと思います。そんなみなさんに、静岡市美術館と、静岡科学館る・く・るからご案内です。静岡市美術館と静岡科学館る・く・るでは、この夏に実施する様々な親子向け、お子様向けのイベント情報を、互いのtwitterアカウント、facebookアカウントでお知らせします。静岡市美術館では「山本二三展」を、静岡科学館る・く・るでは、日々の催事や「しずおか科学技術月間」で行われるイベントをご案内します。◆静岡市美術館「日本のアニメーション美術の創造者山本二三展 ~天空の城ラピュタ、火垂るの墓、時をかける少女~」山本二三(1953年-)はアニメーションの美術監督・背景画家として、「天空の城ラピュタ」(1986年)、「火垂るの墓」(1988年)、「もののけ姫」(1997年)、「時をかける少女」(2006年)など、日本を代表する数々の名作に携わり、今日まで作品を特徴づける背景画を描き続けています。本展では、未公開作品を含む、作者自らが選んだ手描きの背景画やイメージボード(準備段階に描かれるスケッチ)など、初期から最新作まで約200点を一堂に紹介し、今なお私たちを魅了してやまない、山本二三の背景画の世界に迫ります。◆静岡科学館る・く・る「科学イベントのスタンプラリー しずおか科学技術月間」「科学」の不思議さ・面白さをもっともっと広めたい!静岡科学館では大学や研究所、公共施設、NPOなどと協力して「科学」をテーマにしたスタンプラリーを行います。子ども向け・親子向け・大人向け、色々なイベントを用意しています。この夏、科学の世界に足を踏み入れてみませんか?静岡市美術館と静岡科学館る・く・る、皆さんは来たことがありますか?学校で教わる「図工」や「理科」とは違う世界が、美術館や科学館にはあります。絵と出会い、好きな絵をじっと見ながら、思いを馳せること。あるいは、工作、実験、観察で科学の不思議を体験すること。そのどちらにも、日常生活とはちょっと違う「発見」があります。美術館と科学館は、それらを分かりやすく、楽しく体験できるよう、皆さんにお届けします。今年の夏はいつもと違う、美術と科学をめぐる夏休みにしてみませんか?どちらも、JR静岡駅から、それぞれ歩いて5分の距離にあります。静岡市内にお住いの方はもちろん、市外、県外の方でも、JRを使えば大変アクセスの良い立地です。この夏、静岡市美術館と静岡科学館る・く・るからお届けする情報を見て、ぜひ興味のあるイベントに来てみてください。皆さんのご来館を心からお待ちしています。(R.A) -
2014年07月18日 法隆寺展、来場2万人突破!
本日、「法隆寺展 聖徳太子と平和への祈り」の来場者が2万人を突破しました!2万人目のお客様は、静岡市内からお越しのお母さんと娘さんでした。娘さんは、修学旅行のための事前学習に。お母様は、現地へ仏像を観に行く事はなかなか難しいので、今日は1点1点丁寧に観たい、とお話しくださいました。お二人には、記念品をプレゼントしました。おめでとうございます!法隆寺展は7月27日までの開催。いよいよ、会期も残すところ、あと8日となりました。悪夢を吉夢に変える”夢違観音” 奈良・法隆寺の「国宝 観音菩薩立像(夢違観音)」関東伝来の古代金銅仏の白眉 東京・深大寺の「重要文化財 釈迦如来倚像」盗人に金槌でたたかれアイタタ!と腰を曲げた”アイタタ観音” 兵庫・鶴林寺の「重要文化財 観音菩薩立像」清らかで明るい法隆寺の童形像の典型 奈良・法隆寺の「重要文化財 文殊菩薩立像」全国各地にある白鳳仏を一度に観覧する機会は、滅多にありません。白鳳のほほえみ・・・その魅力を、じっくり味わってくださいね。このほかにも、聖徳太子信仰にまつわる名宝や、徳川家康が法隆寺に奉納した品々もご覧いただけます。どうぞお見逃しのないよう、皆さまのご来場をお待ちしています。(c.o)会期:2014年6月14日(土)~7月27日(日)観覧料:一般1200(1000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料*( )内は当日に限り20名以上の団体料金*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料 -
2014年07月17日 法隆寺展作品紹介⑤ 「徳川家康と法隆寺」
徳川家康と法隆寺というと、あまり関連がないと思われる方もいらっしゃるかと思います。家康といえば、慶長五(1600)年関ヶ原の戦いで勝利し、征夷大将軍となって江戸幕府を開いた天下人!ですが、わずか2年で秀忠に将軍職を譲り駿府(静岡)に隠居し、「駿府の大御所」として実権を握りました。その大御所時代、亡くなる前年の慶長二十(1615)年には、「大坂夏の陣」で家康最大の脅威であった豊臣家を滅亡させています。記録によれば、家康は前年に行われた大坂の陣の前哨戦、「冬の陣」のさなかの11月16日、戦勝祈願のため奈良・漢國神社に甲冑を奉納、法隆寺に参拝、聖徳太子が物部守屋討伐に用いたとされる弓矢を拝し、法隆寺子院の阿弥陀院に宿泊しています。この剣はその際に家康が奉納した宝物の1つ。剣の表に「卍【まんじ】」、茎裏と白鞘には「源家康」とあり、白鞘・剣袋にも徳川家の家紋「三つ葉葵紋」が配されるなど、徳川家康との関係を示す”証”が随所にみられます。大きな戦を前に仏の加護を求め、太子の勝利にあやかりたいと願った家康の心の表れではないでしょうか。なお、10月4日から11月24日まで開催する「国宝・久能山東照宮展―家康と静岡ゆかりの名宝」には、漢國神社に奉納された甲冑も展示予定です。こちら、なんと関ヶ原に着用したと言われる家康吉祥の具足、「歯朶具足」(久能山東照宮蔵)と同じ歯朶具足。(もちろん久能山の歯朶具足も出ますよ!)法隆寺展と久能山展併せてご覧いただくのもお勧めです。
重要文化財「歯朶具足」久能山東照宮博物館蔵 ※「久能山東照宮展」で展示
「伊予札茶絲威胴丸具足」漢國神社蔵 ※「久能山東照宮展」で展示
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会期:2014年6月14日(土)~7月27日(日)観覧料:一般1200(1000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料*( )内は当日に限り20名以上の団体料金*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料 -
2014年07月12日 法隆寺展作品紹介④ 「聖徳太子の物語」
聖徳太子は一度に大勢の言うことを理解できた、そんな話を聞いたことがあるでしょう。太子がこの世をさってから約100年後の『日本書紀』に、超人的な太子像が記されています。太子信仰の高まりとともに、平安前期に編まれた『聖徳太子伝暦』に基づき、太子に関するエピソードが散りばめられた数幅の掛軸からなる絵伝(伝記絵)が多数描かれ、絵解きされました。中には、太子が二十七歳の時、甲斐の国より献上された黒駒に乗って富士山に登るというものもあります。太子が建立した大阪・四天王寺の遠江法橋筆の絵伝は、ほぼ事績の年代順にエピソードが描かれ配置されています。なかでも物部合戦の場などは臨場感に富み、人物描写が活き活きとした優品です。太子の御廟前の叡福寺の絵伝は、エピソードがほぼ四季の順に描かれています。そして、緑青、群青、金泥が用いられた、色彩の美しい魅力的な作品です。重要文化財 聖徳太子絵伝 第三幅 遠江法橋筆 大阪・四天王寺蔵 画像提供:奈良国立博物館(撮影 佐々木香輔)(e.y)会期:2014年6月14日(土)~7月27日(日)観覧料:一般1200(1000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料*( )内は当日に限り20名以上の団体料金*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料 -
2014年07月05日 法隆寺展作品紹介③ 「孝行と仏教」
―16歳の太子聖徳太子の父君は、太子が15歳の時に即位し用明天皇となりました。しかしほどなく病に伏してしまいます。太子は帯もとかず、日夜、父の看病をし、香炉を捧げて祈りましたが、翌年、用明天皇はお亡くなりになりました。法隆寺は、この用明天皇の遺志を継ぎ、推古天皇と太子が建立したといいます。父・用明天皇の病気平癒を祈る16歳の太子の姿は、「孝養像」と呼ばれ、太子信仰の高まりとともに、孝行と仏教崇拝の象徴として造形化されました。“播磨の法隆寺””刀田の太子さん”と呼ばれる兵庫・鶴林寺には、香炉を持つ太子の左右に童子、剣と弓矢を持つ天部形を従えるという珍しい図像の孝養像があります。大らかで堂々としたこの作品の魅力は、太子や童子の大きな目、ふくよかな頬や唇の表現のゆったりした筆使いによるものでしょう。まさに中世の太子像の優品です。重要文化財 聖徳太子孝養像及び二王子・二天像 兵庫・鶴林寺蔵 画像提供:奈良国立博物(撮影 佐々木香輔)(e.y)会期:2014年6月14日(土)~7月27日(日)観覧料:一般1200(1000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料*( )内は当日に限り20名以上の団体料金*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料 -
2014年07月04日 法隆寺展 来場1万人突破!
本日、静岡市美術館「法隆寺展 聖徳太子と平和への祈り」の来場者が1万人を達成しました!1万人目のお客様は、掛川市からお越しのご夫婦。静岡市美術館には何度も足を運んでくださっているとの事!展覧会サブタイトルの”聖徳太子と平和への祈り”とは、どういうものなのか、これまで観てきたものとは違う発見があるのではないか…そんな事を考えながらご来館くださいました。お二人には記念品を贈呈しました。おめでとうございます!「法隆寺展 聖徳太子と平和への祈り」の前期展示は7月13日(日)まで。一部作品を入れ替え、7月15日(火)から後期展示が始まります。※出品リストは展覧会詳細ページからダウンロードください皆さまのご来場をお待ちしております!(c.o)
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