• 2013年11月22日 ミュージアムショップ:地元デザイナーのグッズフェア実施中!

    朝晩の冷え込みがだいぶ冬らしくなってきました。
    みなさん、風邪などひかないようにお気を付けくださいね。

    さて、ミュージアムショップ&カフェでは
    現在開催中の徳川慶喜展と同じ期間の12月15日(日)まで、
    静岡を中心に活動するデザイナー、花澤啓太氏のプロダクトを
    『KEITA HANAZAWA POP UP STORE』と題して紹介しています。

     
    花澤フ~1.JPG

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    静岡出身の花澤啓太氏は大学で油絵を学んだ後、
    家具メーカーで家具・雑貨の企画デザインから製造まで携わりました。
    その後北海道に移り、活動の幅を広げ、
    2008年に地元静岡でデザイン事務所「mag design labo.」を設立、
    現在に至ります。

    花澤氏のつくるプロダクトは一見とてもシンプルですが、
    さりげない優しさと素敵なユーモアを感じることができるものばかりです。
    今回は少しではありますが、
    特にショップスタッフがおすすめする品を2点ご紹介したいと思います。

    まずは、出産祝いをお探しの方に一押し!
    『おしばなし文庫』です。(全6種類 ¥3,675~)

    花澤フ~2.jpeg

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    子どものへその緒、手形や足形、乳歯など、
    大切だけど、飾って毎日見るわけではないものも多いはず。
    それらをまるで押し花のように
    保存しておくための文庫本サイズの木箱です。

    続いては静岡の老舗和菓子屋、松柏堂本店と花澤氏が
    コラボレーションしたお干菓子、『茶園(さえん)』です。(1箱7本入¥1,050)

    花澤フ~3.jpeg 

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     まるで茶畑の風景を切りとって、桐箱に詰めたかのような茶園は、
    お茶の風味が濃厚で
    静岡茶にはもちろん、コーヒーとの相性もばっちり。
    寒くなってきた今の時期には、ホットミルクに茶園を溶かして
    抹茶ミルクにするのもおすすめです。

    当館カフェでは12月15日までの期間限定で、
    德川将軍珈琲と茶園のセットメニュー(¥450)もご用意しています。

    その他にもここでは紹介しきれない色々なアイテムを取り揃えています。
    徳川慶喜展にお越しの際は、ぜひミュージアムショップもお楽しみください!

     (y.s)

  • 2013年11月02日 ミュージアムショップ&カフェも慶喜公が好きだ~!

     

    慶喜展~1.JPG本日、11月2日(土)から「没後100年 徳川慶喜」展が始まりました。
    初日から多くのお客様にご来館頂いております。ありがとうございます。

    早速ですが、ミュージアムショップ&カフェから
    展覧会期間中のおすすめ書籍、グッズなどを紹介します。

    まずはもちろん、展覧会図録。
    歴史と美術、二つの視点から慶喜公を紹介します。

     

    慶喜展~2.jpgそして今回の展覧会ではお得な図録のセットが登場!
    「没後100年 徳川慶喜」展と
    2010年に当館で開催した「家康と慶喜―徳川家と静岡」展の図録を
    2冊セットの特別価格で販売します。
    通常2冊お買い上げ頂くと4,300円のところ、
    本展覧会の会期中は2冊セットで3,000円(税込)です!
    ぜひセットで図録をお求め頂き、”慶喜公づくし”をご堪能ください!

    その他、慶喜公や関連人物、当時の時代背景などに関する書籍も
    多数ご用意しています。

    グッズのおすすめはまずこちら。

     

    慶喜展~3.jpeg東京日本橋の老舗、はいばらの蛇腹便箋です。
    蛇腹状になった便箋の各折り目にミシン目が入っており、
    短い言葉の一筆箋にも、長文の手紙にも使用できとっても便利。
    柄は5種類ありますが、本展覧会でも出品されている
    慶喜公筆 書「日本橋」が印字された
    日本橋柄の蛇腹便箋が特におすすめです!

    その他にも慶喜公が愛した静岡の銘菓「追分羊かん」、
    慶喜公の曾孫、德川慶朝さんの監修のもと、
    史実をもとに慶喜公が飲んだとされるコーヒーを再現した、
    「德川将軍珈琲」なども取扱っています。
    德川将軍珈琲はショップでの販売だけでなく、会期中はカフェでも提供しています。

     

    慶喜展~4.jpeg展覧会の余韻をそのままに、
    ミュージアムショップ&カフェでも慶喜公を身近に感じてくださいね!

    (t.m)

  • 2013年10月26日 「はじめての美術 絵本原画の世界2013」展、いよいよ明日まで!

    9月14日に開幕した「はじめての美術 絵本原画の世界2013」展、会期も残すところあと1日…
    いよいよ明日までの開催となりました。
    会期中の平日は幼稚園や小学校の皆さんが、休日はご家族でご来館される姿が多くみられました。
    毎日、たくさんの方にご来場いただきました。

     

    さて、遅くなりましたが来場1万人記念・3万人記念のご報告です。

     

    開幕から10日目の9月25日に来場者が1万人を達成しました。

    絵本原画 1万人.JPG

     

     

    1万人目のお客様は、静岡市内よりお越しのご家族二組!
    お子さんたちが幼稚園のお友達同士とのことで、今日はご一緒にご来館いただきました。
    ありがとうございます!

     

     

    そして、10月17日には3万人を達成しました。

    絵本原画 3万人①.JPG

     

     

    3万人目のお客様は浜松市からお越しのご家族3人。
    親子3世代でお越しいただきました。
    当館にはよく足を運んでいただいているとの事。また遊びに来てくださいね!

     

    「はじめての美術 絵本原画の世界2013」展は、明日までの開催!
    沢山のご来場をお待ちしております。

     

    (c.o)

     

  • 2013年10月19日 ぞうくんと一緒に、JR静岡駅から静岡市美術館へ歩いてみました

    「はじめての美術 絵本原画の世界2013」の会期も、あとわずか…。
    10月27日(日)までの開催、そして静岡市美術館が最終会場です。この機会をお見逃しなく!

     

    さて、当館はJR静岡駅北口にある葵タワーの3階にあります。

    地下道を利用すれば徒歩3分と駅から大変近い場所です。
    今回は、JR静岡駅から当館までのアクセスを、ぞうくんたちと一緒にご案内します。
    ※【地下道編】と【地上編】があります。

     

    【地下道編その1】

    ① JR静岡駅北口の地下道入り口
    新幹線・在来線の改札を出て右手が北口です。階段を降りて、地下道へ。

    ①静岡駅北口.JPG

     

     


    ②静岡駅北口.JPG


     

    ② 北口駅前地下広場
    展覧会の大きな看板が見えます。看板のある壁に沿って、進みます。

    ⑤静岡駅地下道局面壁.JPG

    ③ 葵タワーの入り口が見えてきました。左手と前方に看板があります。

    ⑥紺屋町地下道.JPG


    ⑦紺屋町地下道葵タワー前.JPG


    ④ ③をまっすぐ進んだら、正面に見えてくるエスカレーターをつかって、3階へ!
    (エスカレーター手前の飲食店フロアを通ると、美術館への直通エレベーターもあります!⇒⑥へ)

    (地下~1階)

    ⑧葵タワー地下エスカレータ.JPG


    (2階~3階)

    ⑨葵タワー2階戸田書側エスカレータ.JPG


    ⑤ 3階美術館入り口です(紺屋町商店街側)
    《ぐりとぐら》に登場するたまごのからを再現した、写真撮影コーナーです。

    ⑩3階 戸田書側.JPG


    ⑥ (③より)葵タワー地下1階にある飲食店街を抜けると、静岡市美術館直通の専用エレベーターがあります。
    ドアが展覧会仕様になっています!ぞうくんが、ぞうくんと対面しました。

    ⑪地下専用エレベータ.JPG


    エレベーターをおりた左手が静岡市美術館入り口です(国道1号線側)

    ⑯市美に着いた!.JPG


    【地下道編 その2】
    ① 北口を出ると、目の前にバス乗り場、左手にタクシー乗り場があります。
    バス乗り場とタクシー乗り場の間を通ると、地下道への入り口があります。
    大きな看板が目印です。
    (左手前方にみえるのが、葵タワー)

    ③静岡駅吹抜け.JPG

     

     

     


    階段・エスカレーター・エレベーターのいずれかを使って、地下道へ。

    ④静岡駅吹抜け.JPG

     

     

     

     


    ② 北口駅前地下広場に出ます。あとは、【地下道編その1】③以降と同じ道すじです。

    ⑤静岡駅地下道局面壁.JPG

     

     

     

     


    【地上編】
    ① 北口を出て左手に進むと、正面に静岡音楽館AOI(静岡中央郵便局)の建物が見えてきます。
    横断歩道を渡らずに右折し、静岡音楽館AOIを左に見ながら進むと、大きな道路があります。

    これが国道1号線です。国道1号線を渡ると、葵タワーです。

    ⑫aoi.JPG


    ⑫葵タワー外観.JPG

     

     

     


    ぞうくんたち、信号待ちです。
    葵タワーはもう目の前!3階の窓に美術館のロゴマークも見えます。

    ⑬葵タワー外観2.JPG

     

     

     

     


    ② 葵タワー1階のエントランス。
    エスカレーターもしくは、直通の専用エレベーターで3階へ!

    ⑭葵タワー1階エントランス2.JPG

     

     

     

     


    ちなみに、葵タワーエントランスでは、写真展「徳川慶喜の姿」を開催中です!

    葵タワーエントランス.JPG

     

     

     

     


    ③ 3階に到着!エレベーターをおりた左手が入り口です。

    ⑮3階国道側.JPG

     

     

     

     


    ようこそ、静岡市美術館へ!

    ⑯市美に着いた!.JPG

     

     

     

     


    今回のブログ作成のために、街中をぞうくんたちと歩いていたら、いろんな方に「ぞうくんがお散歩してる!」と声をかけていただきました。ありがとうございます。
    なお、本展会期中、ぞうくんたちは館内の案内をしていますので、街中にはいません。
    今回ご紹介した看板等を目印にしてくださいね。
    皆さまのご来館をお待ちしております。

     

    竹千代くん.JPG

     

     

     


    静岡駅北口の竹千代像と一緒に。

     

    (c.o)

     

     

  • 2013年10月14日 写真展「徳川慶喜の姿」展、開催しています!

    今から146年前の慶応3年10月13日は、政権を朝廷に返上する旨(大政奉還)が在京の諸藩に伝えられた日。

    日本を近代国家へと導く、その重大な判断を下したのが江戸幕府十五代、最後の将軍となる徳川慶喜です。

     

    徳川慶喜、と聞くとまさにこの大政奉還が一番に思いつく方も多いと思います。
    では将軍職を辞した慶喜はその後どのように暮らしたのでしょうか?
    11月2日から当館で開催する「没後100年 徳川慶喜」展は、慶喜の幼少から晩年までを紹介する展覧会です。特に将軍職を辞した後の慶喜に焦点をあて紹介します。

     

    その展覧会に先んじてただ今静岡市美術館がある葵タワー1階のエントランスでは、写真展「徳川慶喜の姿」展を開催しています。
    本展では慶喜の幼少期、幕末期(将軍時代)、静岡時代、そして晩年の東京時代まで4つの時代にわけ、慶喜の”姿”からその生涯を辿っていきます。
    今回は数ある慶喜の肖像画や肖像写真のうち、14点を厳選。展覧会の予習もこれでばっちり(かも)です!
    会期中はご自由にご覧いただけますので、ぜひ見に来てください。

     

    写真展「徳川慶喜の姿」
    会期:10月5日~12月15日 7:00~23:00
    会場:葵タワー1階エントランス
    観覧料:無料
    協賛:葵タワー管理組合法人

     

    写真展.JPG

  • 2013年09月29日 今日は徳川慶喜の誕生日!

    秋晴れのさわやかな日曜日、皆さんいかがおすごしですか。
    今年、2013年は江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜の没後100年にあたります。
    当館では11月2日から、「没後100年 徳川慶喜」展を予定しており、鋭意準備中です。
    (図録は只今印刷中!)

     

    100年前の9月29日は、なんとなんと、慶喜が最後の誕生日を迎えた日でした。

    そして、2ヶ月後の11月22日に満76歳でその波乱に満ちた生涯を閉じることになるのです。

     

    古写真 徳川慶喜 小.jpg


    図版 古写真 徳川慶喜 茨城県立歴史館蔵

     

     

    折にふれて
    楽しみはおのが心にあるものを 月よ花よと何求むらむ 慶喜

     

    明治を代表する写真師・小川一真が撮影した、最晩年のお姿とともに、晩年の境地を詠まれた歌を皆様にお届けします。

     

    松戸市戸定歴史館と静岡市美術館が共同で、「歴史と美術」、双方からみる「没後100年徳川慶喜」展、乞う御期待!

     

    松戸会期:10月5日~12月15日
    静岡会期:11月2日~12月15日

     

    (e.y.)

     

  • 2013年09月14日 徳川慶喜展 前売券販売開始です!

    美術館では、本日から「はじめての美術 絵本原画の世界2013」が始まりました。
    初日から大変多くのお客様にご来館いただきました。ありがとうございます。
    本日より、11月2日(土)から開催する「没後100年 徳川慶喜」展の前売券が販売されています。
    料金は以下の通りです。

    ◆一般
    当日:1,100円 → 前売:900円

    ◆大高生・70歳以上
    当日:700円 → 前売:500円

     江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜(1837-1913)は、明治元年からの30年間、30歳から還暦を迎えるまで静岡で過ごしました。前将軍という政治性を消し去るかのように、銃猟や囲碁、刺繍、当時最新の油彩画に打ち込み、写真術もマスターするなど、ここ静岡で政治家から文人へと変貌を遂げたのです。
     本展は、徳川慶喜家第四代当主・德川慶朝氏のご協力のもと、松戸市戸定歴史館と静岡市美術館の共同企画として実施します。重要文化財である、高橋由一筆「美人(花魁)」、「太刀 銘 正恒」を含む400件で、歴史と美術、双方の視点から慶喜の全貌に迫ります。  
     

     

    川村清雄筆 徳川慶喜像.jpg

                         川村清雄筆「徳川慶喜像」 (公財)徳川記念財団蔵

     

     

    当館では、前売券を近隣の各書店様で扱っていただいておりますが、絵本原画展から、新たに「谷島屋マークイズ静岡店」様が加わりました。

    マークイズでお買いものの際には、是非お立ち寄りいただければと思います。

    今後、「没後100年 徳川慶喜」展については、展覧会ページにて詳しい情報を掲載していきます。
    ご期待下さい。

     

     

    ※前売券情報※
    販売期間:9月14日(土)から11月1日(金)まで
    販売箇所:静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード:765-819]、ローソンチケット[Lコード:40693]、セブンチケット[セブンコード:024-942]、谷島屋呉服町本店、谷島屋マークイズ静岡店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店

     

    (R.A)

  • 2013年08月27日 「わた死としてのキノコ」 9/1記念対談&ライブ!

    天井の高い美術館のエントランスホールの空間全体に、菌糸がはびこり、まん中にはぽっかりと巨大なキノコが浮かんでいる― 

    現代のさまざまな美術を紹介するシズビプロジェクト、8月6日から始まりました。

    3回目の今年は、「軽やかな彫刻」で知られる美術家・今村源(いまむら はじめ/1957~)さんです。

     

     

    キノコ1.jpg 

     

    見上げると、2,3mはありそうな傘の裏側には、薄緑色の襞がびっしり、近くの柱に取り付けられた「滑り台」の階段を登ると、オレンジ色に輝く傘の上部が見下ろせます。

    ちなみに、「滑り台」の滑る部分は、反対側の柱から伸びていて、あれれ、どうなってるの?! 

    ほかにも、カフェの椅子が菌糸に絡めとられて、逆さまに浮かんで回転していたり、まっ白な男の裸体像がきゅっとひしゃげて逆立ちし、昔懐かしい冷蔵庫の中にはシダが茂っていたり・・

     

     

    回転イス.jpg

     

    キノコ3.jpg

     

     

    キノコは普段、菌糸として森の地下にひっそりと広がっています。

    落ち葉や生き物の死骸を分解し森の生態系を支えている菌類。

    私たちの目には見えないところで、しかし確実に存在し世界を支えているキノコは、そんな菌類が胞子を飛ばし子孫を残すために、つかの間、地上に顕れた姿です。

    私たち人間も、そんな命の流れを考えるとき、個としての私など流れのなかのほんの一瞬の姿に過ぎない。

    日々悩んでいる「わたし」もやがて大いなる命の流れの中に戻っていく― キノコの姿に今村さんの思索は、広がります。

     

     

    実はこのキノコ、巨大なラッパになっていて音も出るとか・・ 今週日曜日、9月1日には、記念対談&ライブも開催します。

    第1部の対談は、今村さんご本人と、今村さんの作品をその最初期からずっと見てきた建畠晢先生(美術評論家/現京都市立芸大学長)に、今村さんが出発した80年代の美術状況も踏まえて、”軽やかな彫刻”についてお話を伺う予定です。
    第2部では、ピアノとサックスによる現代音楽ユニット「.es(ドットエス)」のおふたりを関西からお招きして、実際に巨大な「キノコ」を演奏して頂きます。

    一体、キノコはどんな音が出るのでしょうか?
    どちらも、参加無料、申込み不要ですので、是非、お出かけください。

     

    ●記念対談&ライブ
    日時:2013年9月1日(日) 
     第一部 記念対談 14:00~15:30(開場 13:30)
         対談者  ∥  今村源 [美術家]
         建畠晢 [京都市立芸術大学 学長]
         司 会 ∥ 以倉新 [静岡市美術館 学芸課長]
         会 場 ∥ 静岡市美術館 多目的室

      第二部 記念ライブ 16:00~17:00
          出 演 ∥ .es  (ドットエス)
               橋本孝之(サックス、ギター、ハーモニカ、改造尺八等)と
               sara(ピアノ、パーカッション、ダンス他)の二人の即興演
               奏家によるコンテンポラリー・ミュージック・ユニット。                     

    参 加 料 : 無料
    対  象 : どなたでも50名
    申  込 : 不要 当日直接会場へお越し下さい

    9月21日(土)には、今村さんと菌類学者の小川眞先生との対談も予定しています。

    昨年出版された岩波新書『キノコの教え』の著者で、80歳にならんとする気骨ある、しかし飾らない小川先生のお話は面白く、こちらもお勧めです。お楽しみに。

    作品集刊行記念対談「キノコの教え」 9月21日(土) 14:00~16:00

     

    キノコ5.JPG

     

     

    (a.ik)

     

  • 2013年08月17日 ルドン展 見逃せない作品!【後篇】

    8月25日(日)までの会期となる

    「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」は全国4会場を回る巡回展です。

    当館は東京の損保ジャパン東郷青児美術館さんに続く、2会場目の会場です。

    見逃せない作品【後篇】は、静岡展で展示が終了してしまう2点と、

    静岡展と岐阜展にしか出品されない1点の油彩作品をご紹介します。

    ギャラリートークでは、時間の都合もあり、なかなかご紹介出来なかった作品たちです。

     

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    オディロン・ルドン≪アレゴリー―太陽によって赤く染め得られたのではない赤い木≫1905 年 油彩、画布 三重県立美術館

     

    ≪アレゴリー≫または≪太陽によって赤く染められたのではない赤い木≫と呼ばれている作品です。

    右側の真っ赤な木の前に、腰布を巻いた裸の男性と、その傍らにははっきりとはしませんが

    ヴェールを被った女性らしき人物が描かれています。

    印象的な赤い木は、晩年のルドンの作品にしばしば出てくるモチーフで、

    今回の展覧会チラシのメインイメージにもなっている≪神秘的な対話≫(1896年頃、岐阜県美術館蔵)でも、

    女性が赤い枝を手にしています。

     

    主題もタイトルのアレゴリーも何かははっきりとはしないですが、右側の男性をよく見ると…

    大きな貝の上に立っています。

    貝殻の上に人物が立っている人物、といえば、皆さんもご存知の

    ボッティチェッリの≪ヴィーナスの誕生≫がすぐに思い浮かびます。

    けれど、この人物をウェヌス(ヴィーナス)と見るには、

    あまりにも男性的なプロポーションですし、ホタテガイではなく何故かムール貝のような形をした貝…。

    ルドンには、ウェヌスの誕生を題材にした作品や、貝殻だけ写生した他の作品もあります。

    お気に入りのモチーフを繰り返すルドンですが、他の作品と比較してみるのも面白いかもしれません。

     

     

    17.jpg

    オディロン・ルドン≪ペガサスに乗るミューズ≫1907年-10年頃 油彩、画布 群馬県立近代美術館

     

    お気に入りのモチーフを繰り返すルドンが、「色」の世界で数多く描いたのが、

    ギリシャ神話に登場するアポロン。

    ルドン晩年のヒット作ということでもありますが、

    本展ではそのアポロンシリーズを3点並べて展示しています。

    特にボルドー美術館の作品は油彩とパステルの混合技法で描かれた、

    サイズも大きくて見応えのある作品です。

     

    この≪ペガサスに乗るミューズ≫は、ルドンがアポロンのシリーズを

    描いていたのと同じ時期に描かれた作品です。

    ミューズとは、ギリシャ神話の女神のことですが、

    研究者のなかには、この描かれた人物をアウロラではないかとする人もいます。

    アウロラはアポロンの姉妹で、夜の間に天空を駆け、昼を導く「曙」の神と言われています。

    アポロンも太陽神ですが、ルドンはこの光を司る2人を扱いながら、

    どこまでも飛躍するイメージを作り出しています。

     

    そして、周りに広がるピンクや紫色の空と雲、

    右側の花や植物を思わせる筆跡など、印刷物や写真ではなかなか再現できません。

    ルドンの作品は、どれも印刷で再現するのは難しい微妙なニュアンスがあるのですが、

    だからこそ!是非本物の作品に出会いに来てください。

    「色」の世界の作品は、絵と対峙すると本当に色々なことに気づかされます。

     

    130.jpg

    オディロン・ルドン≪若き日の仏陀≫1905年 油彩、画布 京都国立近代美術館

     

    そして最後の見逃せない作品は京都国立近代美術館所蔵の≪若き日の仏陀≫。

    実はこの作品、日本画家の土田麦僊(1887-1936)が、パリに滞在した際、

    現地で購入し日本に持ち帰った作品です。

    今回出品されている大原美術館の≪鐘楼守≫と同時期に日本に入った最初のルドン作品です。

    ルドンは仏陀を主題にした作品を8点ほど制作しているのですが、

    仏教だけでなく、オルフェウス教、ピタゴラス教などに共通する輪廻転生の思想は、当時の西洋人を魅了しました。

     

    穏やかな雰囲気の本作、周りには≪眼をとじて≫や≪オフィーリア≫など、

    眼をつぶる人物が描かれた作品が並び、展示室に静かな空気が流れています。

     

    どの作品も国内の美術館に所蔵されている作品ですが、

    他の作品と一緒にご鑑賞頂ける貴重な機会です!どうぞお見逃しなく!

    (a.i.)

  • 2013年08月16日 ルドン展 見逃せない作品!【前篇】

    6月29日から始まった「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」も

    会期残すところ、あと8日。

     

    会期中は、本展監修者の山本敦子先生や多摩美術大学教授の本江邦夫先生の講演会をはじめ、

    閉館後にワインと展覧会を楽しむ特別鑑賞会、ルドンと同時代の音楽をピアノで楽しむ「ミュージアム・サロン・コンサート」、

    ギャラリートークなど、さまざまなイベントが行われました。

    そして、ルドンも使っていたパステルで絵を描くプログラム

    「しずびオープンアトリエ ルドンの”色”とあそぼう!」も、いよいよ今週末18日までとなります。

    redon-matome.jpg

    残りわずかの会期ですが、ルドン展のこれだけは見逃せない!

    という作品をご紹介したいと思います。

     

    今回の展覧会はルドンが生まれたフランス、ボルドーにある、

    ボルドー美術館から約40点が出品されています。

    ボルドー美術館は、ルドンの青年期の作品をはじめ、

    画家のルーツを辿ることができるような重要な作品を所蔵しています。

     

    ルドンは39歳の時、版画集『夢のなかで』を制作し、実質的な画家としてデビューします。

    皆さんお馴染の、にやりと笑う10本足の蜘蛛や、目玉のついた気球、

    人間の顔がついた花など、黒一色の怪奇で幻想的な世界を展開するのですが、

    50歳をすぎると油絵やパステルを使った色の世界へと変貌します。

    この≪神秘的な騎士、あるいはオイディプスとスフィンクス≫は、

    ルドンが「黒」から「色彩」へと移行する時期に描かれた作品です。

     

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    オディロン・ルドン≪神秘的な騎士、あるいはオイディプスとスフィンクス≫1892年頃 木炭、パステルで加筆、画布で裏打ちした紙 ボルドー美術館

    神殿のような背景や描かれた人物から、ルドンが影響を受けた画家の一人

    ギュスターヴ・モローの≪オイディプスとスフィンクス≫や≪オルフェウスの首をもつトラキアの乙女≫を思わせます。

    けれどこの作品は、2つの神話の要素が入り混じっていたり、細部まで描いていなかったり…

    と曖昧な部分が多いです。ルドンにとっては、神話や宗教の物語を正確に描くことよりも、

    自らの内面のイメージを描くことが大事だったのかもしれません。

     

    また、この作品は黒の時代に多用していた木炭で描いた上に、パステルで加筆されています。

    白のハッチングや、青の光るような深い色彩は、実際の作品を前にしてこそわかる美しさです。

    謎めいた主題、描ききらない曖昧さ、禁欲的な色彩など、決して派手さはないですが、

    観るものに様々なことを想起させる、まさに象徴性を感じさせる一枚です。

    この作品は神秘主義的な美術雑誌『心(ル・クール)』で大体的に紹介され、

    評判を呼んだ作品としても知られています。

    ちなみに、ルドンはこの時期、神秘主義者たちが集まるオカルトちっくな書店で個展も開いていたりもします。

     

    そして、会場の最後に飾られているこの作品。

    Vierge.jpg

    オディロン・ルドン≪聖母≫1916年 油彩、画布 ボルドー美術館(オルセー美術館からの委託)

    ルドンは1916年76歳で亡くなりますが、

    亡くなった時にアトリエのイーゼルに載せられていたのがこの作品でした。

    時代は第一次世界大戦の真只中、ルドン最愛の息子アリは前線にいて、父親の最期には間に合いませんでした。

    祈るような聖母の姿は、アリのために描かれたようです。

    ボルドー美術館には、そのアリが保管していたコレクションが寄託されています。

    本作は未完の作品ですが、このような作品に出会えるもの、本展だからこそ。

     

    どうぞお見逃しなく!

     

    (a.i.)