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2012年07月28日 8/3(金)まで!「七夕の美術-日本近世・近代の工芸にみる」展と併せてご覧ください!~JR清水駅前「マリナート」にて、平野富山展を開催中~
突然ですが、平野富山(ひらのふざん 1911~89)という作家をご存じでしょうか。当館の展覧会を毎回欠かさずチェックして下さっている貴方なら、ピン、と来て下さっているはず。そうです、当館の昨年度末に開催した「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展の後期展示にて紹介した、旧清水市江尻出身の彩色木彫家です。
”彩色木彫”という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、言葉どおり、木彫に日本画と同様の技法を使って彩色した像のこと。富山は、この”彩色木彫”という伝統的な日本の彫刻を現代に甦らせた、重要な作家です。
まずは作品をご覧ください。
いかがでしょう。これ、すべてが”木”でできています。
「えっ?」と思われた方もいるでしょう。実際、本物を見るとまるで木彫像に衣裳を着せたかのようです。お客様の中にも、説明をして初めて「えっ?このヒモも木なんですか!?」と驚かれる方がいます。
まずここで、富山の確かな木彫技術に気づかされます。
そして、富山の真骨頂は、木彫に施された彩色。
ため息が出るような、緻密で美しい文様に圧倒されます。衣裳のたわみに沿って、実に見事につじつまが合っています。そう、衣裳を本物と見間違えてしまうのは、木彫技術の正確さに加え、この素晴らしい彩色に理由があるのです。
さて、たいへん遅くなりましたが、8/1(水)にJR清水駅みなと口に新しくオープンする「静岡市清水文化会館マリナート」にて、7/25(水)より「平野富山展―江尻が生んだ彩色木彫の名匠」展を開催中です。
富山没後の平成元年、ご遺族より旧清水市に富山の作品や、彼の収集品がまとまって寄贈されました。本展は、マリナートのオープンを祝して、今後ますます富山が市民の方々に親しまれ、愛して頂けるようにと企画したものです。
会場には、富山の彩色木彫作品はもちろんのこと、富山が真に彫刻を理解するためにと取り組んだ、塑像(西洋彫刻)作品も展示しています。
彩色木彫に取り組む傍ら、日展の彫塑部門に塑像を毎年出品し、最終的には日展の評議員にまでなった方。その才能は専門家にも高く評価されています。
その他、富山が収集した膨大な作品群より、富山が師と仰いだ2人の作家の作品も紹介しています。
まずは17才の若き富山が単身上京し、弟子入りした人形師、池野哲仙(いけのてっせん)の作品。こちらは、平成元年に寄贈を受けてから、久々の公開となります。そして、富山が生涯の師と仰いだ、平櫛田中(ひらくしでんちゅう)。田中は、言うまでもなく日本近代彫刻の巨匠であり、実は、田中作品の彩色のほとんどを富山が手掛けているのです。富山に彫塑を学ぶようにとアドバイスしたのも田中です。
富山は田中より、講談社より発行された『平野富山木彫作品集』に、「集雅」という文字を題字に頂いています。今回、その原本を展示。田中と富山の温かな師弟関係が伺える作品です。
この展覧会は、8月3日(金)まで。会期残りわずかですが、ぜひ、多くの方々にご覧いただきたいと思います。なんと入館料は無料!!
現在静岡市美術館で開催中の「七夕の美術-日本近世・近代の工芸にみる」展を鑑賞したら、JRで約10分の清水駅へ!みなと口から徒歩3分です。新しく完成した「マリナート」に、ぜひお出かけください。
そして、最後に!
「マリナート」ではこの展覧会後より、平野富山作品の常設展示が始まります。小スペースではありますが、年間を通して3回の展示替え(4か月に1回作品を入れ替えます)を行います。
「マリナート」に行けば、いつでも富山作品が見られる!そんな風に皆さまに知って頂ければうれしいです。
(s.m)
展覧会の概要はこちら↓
静岡市文化振興財団公益財団法人移行記念・マリナート開館記念
平野富山展―江尻が生んだ彩色木彫の名匠開催期間:平成24年7月25日(水)-8月3日(金)※7月30日(月)は休館
会場:マリナート1階 ギャラリー
開場時間:10:00~17:00
観覧料:無料
主催:(公財)静岡市文化振興財団/静岡市
企画:静岡市美術館
お問い合わせ:静岡市清水文化会館マリナート
TEL:054-353-8885
住所:〒424-0823 静岡市清水区島崎町214 -
2012年07月25日 天の川の写真が届きました☆
「七夕の美術」展に合わせ、美術館のエントランスホールに出現した「羽衣天の川」。
これを見学した静岡市立安東中学校芸術部の皆さんが、学校に天の川を作ってくれたそうです!
中学校の美術室前の廊下だとのこと。
細長い廊下の形を生かした天の川、とてもきれいです。天の川の星となっているのは、造形作家・日詰明男さんの考案した幾何学模型、トルネード。
黄金比を応用して作られた図形を、カッターで丁寧に切り抜いて立体を作ります。↓これが切り抜く前の姿。
↓切り抜いて折り目をつけるとこうなります。
作ってくださった皆さんの感想は…
「切るところと切らないところの幅が小さくて、めげそうになったことは
何度もあり、大変でした。でも完成したときは充実感でいっぱいでした。
一度でいいから自分が作った天の川を織り姫になって渡ってみたいです。」「みんなの思いが集まってできた天の川みたいな天井は、
とってもステキで、ずっと見ていたくなります。」とのこと。
本当に素敵ですね!安東中芸術部の皆さん、ありがとうございました!!
さて、「七夕の美術」も後期展示となり一部の作品が入れ替わりました。
伊東深水の《銀河祭り》(東京藝術大学蔵)をはじめ見逃せない作品が新たに加わっています。
展覧会は8月19日(日)まで。ぜひお見逃しなく!(k.y.)
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2012年07月22日 「ブルース・オズボーン 親子写真展」本日より開催!
本日7月22日(日)から8月26日(日)まで、静岡市美術館 多目的室にて
「ブルース・オズボーン 親子写真展 ~未来の私たちへの贈り物~」を開催中です。
写真家のブルース・オズボーンさんは、自身のライフワークとして
30年前から「親子」をテーマに写真を撮り続けてきました。今までに撮影した親子は3,500組を超えます。
また、10年前から7月の第4日曜日を「親子の日」とし、
親と子が向き合い、お互いの絆を強めるきっかけの1日にしようと提唱しています。…つまり、今日がその「親子の日」なのです!
毎年親子の日には100組の親子を撮影し、その活動も今日で10周年を迎えます。
今日も東京のスタジオで、オズボーンさんは100組の親子を撮影中とのこと!
6月17日(日)、ここ静岡市美術館でもオズボーンさんによる親子撮影会を開催しました。
(当日のワークショップの様子はこちら)その際撮影した、静岡の親子20組の写真に、
オズボーンさんが30年間に渡り撮り続けてきた貴重な親子写真52点を加えた、
計72点を展示しています。
静岡の親子20組の中には、なんと田辺静岡市長親子のお写真も!
その他にも…
さまざまなジャンルで活躍するの著名人親子の写真がずらりと並びます。
「あの人のお母さん(お父さん、お子さん…)、こんな方だったんだ!」
「やっぱり似てる!」
…と、作品を見ていると話しが尽きません。
初日である今日、早速「親子撮影会」に参加されたご家族が観に来てくださいました!
観覧無料ですので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
「ブルース・オズボーン 親子写真展 ~未来の私たちへの贈り物~」
詳細はこちら。
(m.y)
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2012年07月19日 ミュージアム カフェ トーク 七夕をめぐって
2012年
6月30日(土)13:30 静岡科学館る・く・る イベントホール
7月 1日(日)16:00 静岡市美術館 多目的室いま静岡市美術館で開催中の展覧会「七夕の美術」は、JR静岡駅前に位置する3つの文化施設による「静岡音楽館AOI×静岡科学館る・く・る×静岡市美術館 共同事業」のひとつ。それぞれで七夕をめぐるさまざまな事業が展開されているが、6月30日と7月1日にはミュージアム カフェ トークが行われた。
6月30日は静岡科学館る・く・るで国立天文台副台長・渡部潤一による講演会。織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)は16光年(諸説ある)も離れているので、光の速度でも毎年逢うことはできないが、星の生涯を人間の生涯に換算すれば10秒に1回(諸説ある)は逢っていることになる―なんていうおもしろ味たっぷり、子どもにも判りやすい語り口で、星空の壮大なパノラマを手にとるようにありありと想い描かせ、旧暦の七夕には舟のかたちに欠ける月が、天の川をはさんで位置するベガとアルタイルをとり結ぶのだという、天体の運動に七夕の伝説が生まれた背景を読み解くみごとな解釈は、ロマンティックでありながら、しなやかな説得力があってとても愉しかった。翌7月1日は静岡市美術館で。静岡音楽館AOI企画会議委員で国立劇場芸能部副部長の田村博巳をゲストに、この展覧会をつくった学芸員・吉田恵理がコーディネーター。この展覧会は、静岡音楽館AOIの委嘱作品、寺嶋陸也の作曲による箏歌《星合曲(ほしあいのうた)》から着想された。寂蓮、山上憶良の詩(うた)を田村博巳が構成したその詞章は、寂蓮の「七夕の 逢う夜の庭に おく琴の あたりにひくは ささがにの糸」に始まるが、それはいにしえの七夕の儀式、乞巧奠(きっこうでん)にまつわる。トークでは、たぶん30分以上かけて、この31文字(みそひともじ)を丹念にひも解き、乞巧奠の奥深い世界をつまびらかにした。いまも京都の冷泉家に粛々と伝わる乞巧奠、そこでしつらえられる祭壇《星の座》がこの展覧会で再現されている。まずふつうに眼に触れられるものではない。
さらにこのトークは、日本の伝統の範疇とはいえ、奈良・平安から現代も含み、京阪、江戸、琉球に及んで、音楽と美術に風俗・風習を交えて、七夕にまつわる文化を縦横無尽に渉猟し、そこに、季節のうつろいとともにある、つつましやかな「願い」や「想い」をかいまみせた。かつての日本には、そうした趣の豊穣な世界があって、どうして私たちはそんなすてきな感性を忘れかけようとしているのだろう―。あらためて北野恒富の《願いの糸》という作品を観ると、それがただたんに美人画として優れているだけでなく、描かれた彼女の心情を、生々しいまでに活き活きと実感できる。つい100年ぐらい前まで、七夕についての前提的な了解が日本の文化的な共通理解としてあったはずだ、という認識は、けっこう重たい意味を孕んでいると思う。重たい意味を孕んではいるけれど、こんな展覧会が、七夕のほんとうの季節、初秋の風にも似て涼しげに、さりげなく、私たちが失いかけているたいせつなものを想いおこさせてくれる。
小林旬(静岡音楽館AOI学芸員)
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2012年07月14日 「フィンランドのくらしとデザイン」前売券、発売開始しました!
「七夕の美術」展が好評開催中ですが、早くも次の展覧会
「フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活」の前売券が
本日7月14日から発売開始となりました!
本展は、皆さんご存知の「ムーミン」を案内役に、絵画・建築・工芸・デザインなど、約350点の作品で
フィンランドのライフスタイルを紹介する、これまでにない大規模な展覧会です。
先日チラシも出来上がったばっかりです。
フィンランドのデザインプロダクトに通じる、清潔感のある、爽やかなチラシに仕上がりました!
中を開くと…
盛りだくさんな展覧会の一部をご紹介しております。
日本ではなかなか馴染みがありませんが、フィンランドの国民的画家と呼ばれている
ガレン=カレラや建築家エリエル・サーリネンの作品や…『ムーミン』の原画や…
マリメッコのテキスタイルや、カイ・フランクの食器、アアルトの家具など…
これからまた少しずつ展覧会のご紹介をしていきますが、
フィンランドの魅力が詰まった展覧会となっております。
是非この機会にお得な前売券をご利用下さい!
一般 1,000円→800円
大高生・70歳以上 700円→500円
※中学生以下無料
※障害者手帳等をご持参の方および必要な介助者は無料販売期間:7月14日(土)-8月31日(金)
販売場所:静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード:765-259]、ローソンチケット[Lコード:40701]、
谷島屋呉服町本店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店そして!
展覧会関連イベントの
ヤンネ舘野トーク&コンサート「フィンランドの響き」(
詳細はこちら) と
ShizubiシネマアワーVol.5 「フィンランドを楽しむ映画」 『かもめ食堂』(
詳細はこちら) のチケットも発売開始となりました。
展覧会の会期は9月1日(土)~10月8日(月・祝)とちょっと短めですが、
会期中無休で開館し、毎週末、様々なイベントをご用意しておりますので、
あわせてご参加ください!
(a.i)
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2012年07月08日 七夕のまつりに
昨日は七夕
太陽暦の七月七日にしてはめずらしく雨にあわずに、雲の間からお星様一つ、見えました!ただ今当館では七夕の美術展、好評開催中です☆
この展覧会は、静岡音楽館AOIのコンサート、「日本の響きでつづる 七夕のまつりに」に触発されて、静岡駅前の音楽館、科学館、美術館が連携して七夕をテーマに事業展開する中で生まれたものです。三館がスクラム組んでできた”七夕”を静岡の皆さんに満喫してもらっております。
七夕の前日七月六日の夜は、美術館で、伶楽舎の三人の方による「雅楽:星空の調べ」というミュージアムコンサートが、七夕の夜は、静岡音楽館AOIでコンサート「日本の響きでつづる 七夕のまつりに」が開かれました。
七夕前夜のミュージアムコンサートでは、美術館の多目的室に幻想的な風景が広がりました。宮田まゆみさんのお話も、笙の音も、無限に広がる宇宙が展開していくようで、とても不思議な気持ちになりました。
七月七日の「七夕のまつりに」も、とっても素晴らしいコンサートでした。
まず、朗詠「二星」
「二星適(たまたま)逢えり、
未だ別緒(べっしょ)依々(いい)の恨みを述べざるに
五夜将に、明けなんとす
頻りに、涼風颯々(さつさつ)の声に驚く」
透き通った、清らかな声が、体中にしみわたりました。。。続いて、義太夫節「杉酒屋の段」
人形浄瑠璃がなくても、こんなにリアリティーがあるんだなあと改めて思いました。
お三輪が思いをよせる、求馬(もとめ)の心が変わらないよう七夕様に願をかけ、赤い糸の苧環を持たせ、自分は白い糸の苧環を持つ。このお三輪の恋心がひしひしと伝わってきます。そして、琉球舞踊「かせかけ」
ゆったりとした、そして品格のある、まさに琉球王国の調べ、とでもいうのでしょうか。なんともいえない風格がありました。そして舞踏がまた素晴らしい。頭の先から足の先まで隙が無い!もちろん衣装も色鮮やかで、この世のものとは思えないほどの美しさでした。そしてそして、なんといっても
箏歌「星合曲(ほしあいのうた)」
七夕の 逢ふ夜の庭に おく琴の あたりにひくは ささがにの糸
乞巧奠を象徴するような、この和歌をはじめ、ゆったりと、清らかに、澄んだ音に体中が包み込まれ、別世界へつれていかれるような、そんな気持ちになりました。
こんな素晴らしいコンサートとコラボレーションして作った七夕の美術展
展示室では、コンサートの清らかさ、崇高さに負けないくらいの美しく、人々の思いが込められた作品がたくさん展示されています。
ポスターで御馴染になった、橋本花乃の懐かしく純粋な心持の《七夕》、夢二の薄物の着物が見事な《七夕》、北野恒富の《願いの糸》。盥桶に天の川が映ったところまでも描いた、小村雪岱の《星祭り》。そして冷泉家の乞巧奠星の座。名匠隅谷正峯による《七星剣》は、まさに太古へ思いを馳せるに相応しい名刀。
さらに、もう一つの七夕、天稚彦の物語絵巻きは三種類展示されています!
七月七日は、この天稚彦の物語について、大月千冬さんという若い研究者によるとても明解なご講演もあり、本当に七夕尽くしでした!展覧会は本当の天の川が見える、旧暦の七月七日(本年は八月二十四日)までは無理でしたが、八月十九日まで続きます。七月二十二日で前期が終了し、大きく展示替えがあります。(因みに旧暦の七夕、八月二十四日はエントランスで旧暦七夕コンサートが開かれます!)
皆様のご来館をお待ちしています☆(e.y)
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2012年07月04日 エントランスホールに天の川が登場!
展覧会「七夕の美術-日本近世・近代の美術工芸にみる」開幕から約2週間。
あと数日で7月7日、もうすぐ七夕の日がやってきますね。静岡市美術館のエントランスホールには、長さ約30mの天の川が流れています。
天の川にはカラフルなお星様がたくさん!この天の川を設計したのは、黄金比の研究者で造形作家の日詰明男さん。
一風変わったお星様は、日詰さんが考案した幾何学模型「トルネード」です。
わずかな風にも反応し、くるくると回るさまはまるで風車のよう。今回、天の川に飾っているお星様は、島田市立川根中学校の生徒の皆さん、
静岡市藁科生涯学習センター「みのり大学藁科学級」受講者の皆さんが、日詰さんと一緒に作ってくれました。
よーくみると”健康第一””孫のお嫁さん”などなど…願い事が書かれているお星様もあります!
天の川は8月24日(金・旧暦の七夕)まで展示していますので、ご来館の際は天の川を見上げてみてください。日詰さんによる「アーティストトーク&ワークショップ黄金比の七夕飾りをつくろう!」
7月14日(日)《プレアデス》を作る
7月16日(月・祝)《星籠》を作る
いずれも若干名ですが、参加申込みを受け付けています。
静岡市美術館へ、お電話でお申込みください(TEL:054‐273-1515)。そして・・・
静岡市美術館のお星様が、アイセル21(静岡市葵生涯学習センター)に飛んでいったようです!
エントランスに飾られている七夕飾りの中に、お星様がかくれています!この七夕飾りは、7月8日(日)まで展示されています。
お出かけの際は、ぜひお星様を探してみてくださいね。静岡市生涯学習センターのホームページには、講座情報・イベント情報がたくさん!
楽しい”学び”を見つけるチャンス!ぜひご覧ください。
静岡市生涯学習センター http://sgc.shizuokacity.jp(c.o)
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2012年06月24日 6/17、親子撮影会を開催しました!
6月17日、プレゼントワークショップvol.5
「親子の日だ!ブルース・オズボーン 親子撮影会 ~未来の私たちへの贈り物~」
を開催しました。当館のワークショップシリーズのひとつ「プレゼントワークショップ」は、
母の日、父の日などの記念日に合わせ、
家族や大切な人への想いをかたちにし、プレゼントをつくるワークショップです。「作って、贈る」ことから生まれるコミュニケーションに主眼を置きます。
今年度は、
5月13日に母の日ワークショップ
(1週間早いですが)6月10日に父の日ワークショップ
を開催しました。5月の第2日曜日が「母の日」。
6月の第3日曜日が「父の日」。
じゃあ、7月の第4日曜日を「親子の日」にしよう!年に一度、親と子が向かい合う日があったっていいじゃないか。
そして、親と子が向き合い、お互いの絆を強めるきっかけの1日にしよう!
・・・と10年前から提唱されている方が、
今回の講師で写真家のブルース・オズボーンさんです。
また、オズボーンさんは自身のライフワークとして
30年前から「親子」をテーマに写真を撮り続けています。
今までに撮影した親子は、なんと3,500組を超えます!毎年親子の日には親子撮影会を開催し、なんと1日で100組の親子を撮影!
今年でその活動も10周年を迎えます。(親子の日HP)今回、ここ静岡市美術館でも、オズボーンさんによる親子撮影会を開催。
当日は21組の親子が参加しました。
オズボーンさんは、とっても笑顔が素敵で元気いっぱい!
みなさん、最初は緊張気味でしたが…
オズボーンさんたちの掛け声に合わせ、体を動かすうちに
少しずつ表情が柔らかくなっていきます。会場にはオズボーンさんの選曲による楽しい音楽が流れ、
見ている私たちまで自然と体が動きます。
飛んだり、跳ねたり、走ったり、
寝転がったり、抱き合ったり、肩車したり…汗だくになりながらの撮影!
最初は泣き顔だった女の子も…
オズボーンさんがカメラを向けると、自然と笑顔に!
そして、今回はなんと…!
田辺静岡市長とご両親にもご参加いただきました。
市長の素敵な笑顔は、ご両親譲りだったのですね!
参加者の中には、さまざまなアイテムや衣装を持ってきてくださった方も!
そして、撮影の合間に、10年後の自分たちへ宛てた手紙を書きます。
今回、この親子撮影会を
「プレゼントワークショップ」シリーズとして実施したのは、オズボーンさんに撮っていただいた親子写真と、
10年後の自分に宛てた手紙を
未来の私たちへの贈り物にしてほしい、と考えたからです。皆さんに書いていただいたお手紙は、
後日現像した写真と共にマットに入れ、プレゼント。10年後の親子の日…2022年7月24日に、
親子で、家族で、このマットを開け、手紙を読んでください。イメージは、平面タイムカプセル!です。
そして、オズボーンさんに撮っていただいた写真を、
みんなで、改めて、見てください。オズボーンさんの撮る親子写真は、
親子の目には見えない絆やつながりを、
未来の私たちへ残し、伝えてくれるメッセンジャーです。10年後の親子の日、みんなはどこで、何をしているでしょう。
今日の日を思い出して、10年後も、親子で、笑って、過ごせますように。
最後にみんなで集合写真!
今回オズボーンさんに撮影いただいた20組の親子写真は、
7月22日(日)の親子の日から8月26日(日)まで
静岡市美術館 多目的室で展示します。静岡の親子写真と併せて、オズボーンさんが長年撮り続けてこられた
貴重な親子写真数十点も展示します!
みなさんも知っている有名人の親子写真も多数展示予定です。皆さん、ぜひお越しください!
会 期:2012年7月22日(日)~8月26日(日)10:00~19:00 観覧無料
会 場:多目的室
休館日:毎週月曜 但し8月13日(月)は臨時開館
8月7日(火・終日)、8月26日(日・16時まで)は他事業開催のため観覧いただけません。また、静岡市美術館ミュージアムショップでは、
入手困難なオズボーンさんの親子写真集等を取り揃えております!
他ではなかなか手に入りません!
数量に限りがありますので、ご希望の方はお早めにお買い求めください。※掲載しているカラー写真は、美術館スタッフが撮影したものです。
オズボーンさんの撮影した親子写真は、ぜひ写真展会場でご覧ください!(m.y)
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2012年06月23日 6/10 『父の日だ!2世代で贈るプレゼントづくり』を開催しました!
父の日より1週間早い6月10日(日)に、
プレゼントワークショップvol.4
『父の日だ!2世代で贈るプレゼントづくり』を開催しました。参加してくれたのは、小学生とそのお父さん9組18名。
タイトルにもあるように、子どもからお父さんへ、お父さんからおじいちゃんへ、
2世代でプレゼントを贈り感謝の気持ちを伝えよう、
というのがこのワークショップのコンセプトです。お父さんにも参加してもらうワークショップは当館初の試みで、申込が心配されましたが、
当日はちょっと照れながらも輝くような笑顔で、親子そろって参加してくれました!さっそく、ワークショップの様子をご紹介します。
まずはじめに、子どもとお父さんは別々の席にすわって、
“お父さんチェックシート”に挑戦。もちろん、お父さんもおじいちゃんのチェックシートに挑戦します。
「お父さんの趣味は?」
「お休みの日は何してる?」
「お父さんとのいちばんの思い出は?」ちょっと苦戦ぎみな子ども達も、お父さんのことを考えている様子はうれしそうです。
チェックシートの次は、カンディンスキー、クレーら著名な美術家の抽象絵画を鑑賞します。
「どんなかたちが見えるかな?」の問いかけに、
こちらが狙っていた通りの答えが。「まるとか、さんかくとか、しかくとか!」
「あ、森の中にねこがいる!」
その後、今回のワークショップの原案にもなった、
開催中の展覧会「森村泰昌モリエンナーレ学ぶ美術史」出品作である、
森村さんが描いた絵をじっくり鑑賞します。子ども達は●▲■を基調とした抽象的な作品を自由に何かに見立て、
どんどんと声に出していきます。お父さん達も、なるほど~と感心した様子。
ここで初めて、今回制作するものについての説明を。
「●▲■でお父さんとの思い出をTシャツに描きます!」
そう、今回は「お父さんとの思い出」という、
絵で表現しようとするとちょっと難しいテーマを、
●▲■という形を使って、子どもたちでも簡単に、
照れてしまいがちなお父さんも気軽に取り組んでもらおうというものです。
ここから、子どもとお父さんは隣同士で座って、制作開始。
Tシャツに描く前に、●▲■の様々なパズルをつかって
「お父さんとの思い出」の下図を作っていきます。「お父さんと川に魚釣りにいった時のようすだよ!」
「お父さんと工作して遊んだ思い出にしたいんだけど…」
お父さんの下図を覗き込んだり、相談に乗ってもらったり。お父さんも子ども達もとても楽しそう。
いよいよ、本番です。
●▲■に切り抜いた型枠をTシャツに当て、
その上から布用インクをしみこませたスポンジで、
ポンポンと押していきます。用意した色は7色ですが、
色と色を重ね合わせればとても面白い表現ができあがります!お父さん達は真剣そのもの、お一人お一人、
こだわって作っていらっしゃいました。終わった人から、おじいちゃんが来るまでの時間を利用して、
子どももお父さんも、お父さんに向けてお手紙を書きます。おじいちゃんが到着されたところで、みんなで一斉にTシャツを手渡し。
せっかくなので、お父さん、おじいちゃんにTシャツを着てもらいました!
そして、一列にならんで記念撮影。
お父さんも子どもも、みんないい表情をしていますね。
普段はお仕事などで忙しいお父さんと、
ワイワイいいながら、時にはケンカしながら?
半日がかりでTシャツを制作。お父さんについて、お父さんと自分との関係について
じっくり考える機会にもなりました。こうやって、お父さんと一緒に、Tシャツづくりをしたという思い出自体が、
父の日の思い出として、ずっと子ども達の心の中に残ってくれればいいなと感じた、
スタッフたちもとても幸せな気持ちになれた一日でした。お父さんとの工作の思い出 ハサミが効いてます!
(s.m)
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2012年06月05日 タワー完成しました![日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう]
先週末の6/2(土)、3(日)に、フィボナッチタワーの組立作業を行いました。
前回の記事では、部材の制作について書きましたが、いよいよ、完成までのレポートです。
組立前日となる6/1(金)の夜、日詰さんが現場確認と、タワー基部となる杉板の搬入に来ました。
これが杉板。長いもので2m40cmあります。全部で35枚です。
カーペットを敷いて、実際の配置箇所に置いてみます・・・・
五角形になります。
この上に、竹を組んでいくわけですね。
さて、作業当日です。
10名前後のボランティアさんに加わっていただき、組立作業を行いました。
前日に杉板で作ったパーツに、次々と板を組んでいきます。
板の組み方は校倉造(あぜくらづくり)。
奈良の東大寺にある「正倉院」と同じ造りですね。
人の背丈ほどの高さになりました!
ここから竹を組んでいくわけですが・・・
竹を開口部に入れています。
タワーの内側から登り、組み上げて行きました。
上から見た一枚。
ヒモやビスなどは一切使いません。全て竹の杭を打ち込んで、組み立てます。
ここから早かったです。サクサク組んで行きました。
途中経過です。らせん状に組んであるのがお分かりになるでしょうか。
内側はこんな感じです。
ハシゴも使っていますが、白いヒモで結わえてあるのは、竹製の足場です。
細くてタワーの部材に使えない竹も有効利用しました。
タワーの傍らでは、このように部材をスタンバイ。
杭を刺した状態で、順次竹を手渡ししていきます。
ブルーのシャツでてっぺんにいるのが日詰さん。
途中の写真ですが、すごい高さ!
笑顔。いいお顔です。
タワーに登っての組立作業は、全て日詰さんが行われました。
133本の竹、しかも高所での作業ですので、大変な作業だったと思います。
作業は順調に進み、3日の午後に、タワーは完成しました。
8mの作品は、かなりの迫力です。
それは、見上げているボランティアの方の身長と比べてみても、お分かりいただけるかと思います。
道ゆく方々も「これは何??」という感じで、歩みを止め、見て下さいました。
内部から見上げるとこんな感じ。
らせんのかたちがキレイですねー。
てっぺんから鎖が降りています。これは何かというと・・・
鐘が繋がれてるんですね。
飾りではありません。塔の頂点から重りを吊るすことで、地震が起きてもタワーが揺れない免震構造を備えているわけです。
これ、京都の五重塔と同じです。
こんなに大きな作品は、作家や美術館スタッフだけでは、到底作ることはできません。
ボランティアで加わっていただいた、29名の方々のお力添えがあってこそだと思います。
本当にありがとうございました。
この作品は、8/24(金)まで展示します。
今年は現代アートの作品で、七夕を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
お買いもののついでに、ぜひお立ち寄り下さい!
(R.A)
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