• 2012年05月24日 すこしだけ組んでみました。[日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう!]

    こんにちは。学芸課のAです。

    今日から「日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう!」二週目の作業が始まりました。

    今週の主な作業は、先週カットした竹に、杭をとおす穴を開けることです。杭も引き続きつくります。

    作業の場所も、美術館のトラックヤード(車庫)に移りました。

     

    そういえば、トラックヤードは、関係者以外は知らない、美術館の秘密の場所です。

    場所は葵タワーの1階。

    展覧会準備のために運ばれてきた作品の搬入作業場(奥のエレベーターで3階の美術館フロアまで運び入れます)、または、展示室設営業者さんや、関連イベントの講師用駐車場などなど、実はわりと活躍するスペースです。

    大きさは、10t車まで入ることができます。

     

    ・・・そんなスペースが、いまは・・・・・

     

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    床一面、竹で覆われています!

    ・・・4~5mの竹50本を、約140本にカットしましたからね。かなりの存在感です。

    歩くスペースを見つけるのも厳しいため、足場用に、竹の上にコンパネを敷いてます。(画面左)

    さて、作業風景です!

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    まずは採寸。

    決まった竹を順序立てて組み上げていくため、開ける穴の位置を間違えると、大変なことになります。

    慎重に。慎重に。

    日詰さん気合い入ってます。

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    そのあと、先に細いドリルで下穴を開けます。

    両脇の女性スタッフ、何をしてるか分かりますか?

    じつは2人で、各方向から垂直を見ているのです!

    日詰さんが手にしているドリルにも、水平器が付いています。

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    竹を置く台座と、空いた穴それぞれに竹ヒゴを通し、横から見て二本が重なっているか、

    ここでもチェック。

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    下穴が全て開いたら(表裏4ヵ所ずつ)、杭を通すために、太いドリルで改めて穴を開けます。

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    これを繰り返します。今日は30本ほど開けました。

     

    穴を開け終わり、ひと段落だ、と思ったその時。日詰さんからある言葉が。

    「ちょっと組んでみましょうか。テストを兼ねて。」

     

    や、やってみましょう!(ちょっとびっくりしつつ、ワクワクしました)

    日詰さん、手慣れた様子で組んでいきます。

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    並べて・・・

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    杭を差し込みます。

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    組み合わさるとこんな感じ。

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    ちょっとかたちが・・・見えてきました!

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    竹の角度によって、杭が入りにくいところもありました。みんなで調整!

     

    そして・・・

     

     

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    組み上がり!五角形になりました!!

    みんなで記念撮影。

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    休憩がてら座ってみました!(笑)

    いま写真では6人が座っていますが、竹はびくともしません。

    杭だけで繋がるというシンプルな構造ながら、とても堅牢なんです。

    なんだかこのままベンチになってしまいそうな和やかな雰囲気に。

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    日詰さんの即席数学講座も始まりました。

    「黄金比の造形物は、いやってほど非周期的なかたちをしています。でもそれが面白いんです。」

    作家と一緒に作業し、作品の魅力を知る。これぞワークショップの醍醐味ですね!

     

    今週いっぱい、こうした作業が続きます。

    作業は、ボランティアスタッフの方のおがけで、とても順調です。

    引き続きレポートしてゆきます。どうぞお楽しみに!

     

    (R.A)

     

  • 2012年05月23日 「七夕の美術」展 前売チケット発売開始しました!

    当館からの最新のお知らせを掲示している掲示板。

     

    あれ、何か変わっている??

     

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    そう、いよいよ今週から「七夕の美術」展の前売りチケット発売です!!!!

     

     

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    一般の方は当日800円が600円!
    70歳以上の方と大学生・高校生は400円!

    これはもう買うしかないでしょう!!!!
    美術館のほか、市内主要書店、チケットぴあ、ローソンチケット等でも販売しています!

     

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    そして今回のポスター、チラシ。

     

    黒バックの中の黄色い文字は七夕の星空をイメージしています。
    スタッフの中でも好評ですが、ご来館の皆様からも大変好評をいただいています。
    ちなみにチラシでは、黄色の部分は蛍光色を使っていて、

    さらに夜空に星がきらめいているように見えますよ♪

     

    「笹の葉さらさら」「短冊」「織姫と彦星」など、七夕という言葉を聞いて連想するものはたくさんありますが、
    もともとは古代中国の「乞巧奠」という魔除けの風習に端を発しています。展覧会では、日本の近世・近代美術を中心とした様々な七夕をめぐる表現をご紹介します。

     

    展覧会会期中は、関連事業を多数実施するほか、
    JR静岡駅前に位置する静岡音楽館AOI、静岡科学館る・く・るでも

    「七夕」をキーワードに、コンサートや夏の夜空の観望会など様々なイベントを実施します!

    今年の七夕は是非静岡で過ごしてみませんか?

    (K.O)

  • 2012年05月20日 タワー制作はじまりました! [日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう!]

    こんにちは。学芸課のAです。

    みなさま、この週末はどこかお出かけになりましたか?天候に恵まれた、気持ちの良い日でしたね。

    美術館では、この週末に新しいイベント「日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう!」がスタートしました。

    これは、6/23(土)から8/19(日)まで開催する夏の展覧会「七夕の美術-日本近世・近代の美術工芸にみる」展の関連事業として、川根本町在住の造形作家、日詰明男(ひづめあきお)さんをお呼びし、実施するものです。

    日詰明男さんHP

    http://www.starcage.org/japaneseindex.html

     

    内容は、28名の一般のボランティアの方とともに、竹を使って、約8mのタワーを、葵タワー1階の国道側ロビーに8日間で作る、というもの。

    ・・・いまちょっとサラッと言いましたが。

    くりかえしますね。8mの竹のタワーです。

    気になりませんか・・・?

    さっそくご報告です!

     

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    この方が日詰さん。

    植物の葉の付き方や、惑星の運行など、自然界に存在する不思議な比率「黄金比」をテーマに、造形作品や音楽を制作されています。

    イベント初日となる19日(土)は、午前中、事前説明会が行われました。

    日詰さんから参加者のみなさまに、今回のイベントのことや、日詰さんが研究している「黄金比」のこと、ご自身の作品のことなどなど・・・約2時間に及ぶ、熱の入ったレクチャーでした。

    午後は、作業現場となる「石上木材竹材店」さんに移動。

    素材である長い竹の切り出しと、タワーを組み立てる際に、竹と竹をつなぐための「杭」の制作にかかりました。

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    まずは、竹林から切り出したままの、竹の根元を切って、かたちを整えます。

     

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    太さごとに仕分け。

     

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    みんなで頑張ります!

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    この竹の量。そしてこの長さ!

    これをタワーの部材用に、一本一本カットしていきます。

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    全部で約140本に切り分け。

    ミリ単位で長さを調整するため、慎重に採寸。(黒のキャップの男性が日詰さん)

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    切るときは思い切ってカット!

    みなさん、みるみるうちにノコギリの使い方が上手くなっていました。

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    竹の杭もみんなで作りました。

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    制作予定数は300本!ガンガンつくります!

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    そんななか、石上さんちをブタくんが訪問。

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    ・・・かわいかったです。

    仕事を忘れてたわむれるみんな。ブタくんは食欲旺盛でした。

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    あんなに長かった竹が、作業終了時刻にはこんなかたちに。

    (これはほんの一部。20日の午前中に全て切り終えました)

     

    19日、20日と、非常に多くのスタッフの方にご参加いただいたおかげで、とてもスムーズに

    作業を行うことができました。

    これからは、作業現場を美術館に移動し、切り出した竹に穴を開けていく作業となります。

    進捗、随時レポートしていきます!

     

    最後に。

    このタワー、どんな姿になると思いますか?

    予告の意味も込めて、ちょっとだけ紹介です。

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    6/3(日)に完成予定です!

    みなさま、こうご期待。

     

    (R.A)

  • 2012年05月17日 母の日ワークショップを開催しました。

     

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    5月13日の母の日に
    プレゼントワークショップvol.3
    「母の日だ!2世代で贈るプレゼントづくり」を開催しました。

    昨年度よりスタートした”プレゼントワークショップシリーズ”。

    記念日に合わせて、家族や大切な人へ贈る、
    プレゼントをつくるワークショップです。
    プレゼントを「つくって、贈る」ことの大切さや、
    そこから生まれるコミュニケーションを見つめ直します。

    vol.1は父の日に(当日の様子はこちら
    vol.2は敬老の日に(当日の様子はこちら
    そして3回目である今回は、母の日に実施しました。

    今回は子どもからお母さんへ、お母さんからおばあちゃんへ、
    2世代でプレゼントをつくって贈り、
    いつもお世話になっているお母さんへ、感謝の気持ちを伝えます。

    プレゼントは”オーブン陶土”という、自宅のオーブンで焼くことのできる
    陶芸用粘土3色(ベージュ・赤・黒)を使用して
    土の風鈴…土鈴(どれい)をつくりました。

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    母の日のシンボルと言えば”カーネーション”ですが、
    今日は参加者ひとりひとりが、カーネーションに代わるお母さんのシンボルを考え、
    それをモチーフに風鈴をつくります。

    まずは、お母さんワークシートにチャレンジ。

    お母さんお名前は? 年齢は? 好きな食べ物は?

    お母さんのことをどのくらい知っているか、
    かんたんな問題に答えてもらいました。

    お母さんたちも一緒にチャレンジ。

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    次に、もう少し深く、お母さんについて考えてもらいます。
    お母さんのどこが好き? お母さんとのいちばんの思い出は?

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    この内容をヒントに、カーネーションに代わる、
    自分のお母さんだけのシンボルを考えます。

    音楽が好きなお母さんは、音符のかたち。
    お料理が得意なお母さんは、エプロンやお鍋のかたち。
    ディズニーランドの思い出をもとに、ミッキーマウスの顔のかたち。
    などなど。

    成形後は、”どべ”という、同じ粘土を水で溶いて泥のようにしたものを、表面に塗ります。

    ベースとは色違いの”どべ”を塗り、

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    その表面を竹串でひっかく”掻き落とし”という技法を用いて絵を描きます。

     

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    そうすると…ベースの色の線が引けます。


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    風鈴の”リンリン”と鳴る玉の部分も、思い思いの形に仕上げます。

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    作品完成後、お母さんに手紙を書きます。

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    午後4時。おばあちゃんの到着です。

    作品の上にかけていた目隠しを一斉にはずして…

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    子どもからお母さんへ。お母さんからおばあちゃんへ。
    2世代で同時に手作り風鈴をプレゼント。

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    どんな想いでつくったのか、お母さんとの今までの思い出とともに、お母さんに伝えます。

    お母さんからおばあちゃんへプレゼントを渡すとき、
    子どもたちは熱心にその話を聞いていました。

    お母さんとおばあちゃんにも、ふたりだけの大切な思い出があるんだね。

    その後も、お手紙を渡したり、お母さんワークシートの答え合わせをしてもらったり、
    しばらく会場は、みんなの笑い声で溢れていました。

    風鈴は、3日~1週間程度乾燥させた後、
    オーブン等で焼くと素焼きのような風合いになります。
    ひもを通して風鈴のかたちにすると、”カラン、コロン”と素朴な音がします。

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    風鈴のかたちによって、ひとつひとつ音がちがうんですよ。

    みんなの風鈴はどんな音がするのかな?
    お母さんの風鈴と聞き比べてみてくださいね!

    最後に、現在申込み受付中のプレゼントワークショップのお知らせです。
    来月は2回も開催します!

    vol.4 6月10日(日) 父の日だ!2世代でつくるプレゼントづくり」
    (※父の日当日ではありませんのでご注意ください。)

    Vol.5 6月17日(日) 「親子の日だ!ブルース・オズボーン 親子写真展 ~未来の私たちへの贈り物~」

    どちらも申込締切日は5月31日(木)です。
    皆さんからのたくさんのご応募、お待ちしております!

    (m.y)

  • 2012年05月13日 森村泰昌映像作品、シズオカ×カンヌウィーク2012で特別上映!!

    「森村泰昌モリエンナーレまねぶ美術史」展、開幕から1カ月が経ちました。あっという間です…。

     

    さて、「静岡市」と「カンヌ市」が、姉妹都市だということ、皆さんご存知ですか?
    カンヌといえば、カンヌ映画祭という言葉が浮かぶ方も多いと思います。
    このカンヌ映画祭の時期にあわせて、5月25日(金)~27日(日)に
    「シズオカ×カンヌウィーク2012 〜野外と映画とフランスの3日間〜」が静岡市で開催されます!
    会場は映画館やミニシアターだけでなく、海辺や街角など野外でも上映されるとの事。面白そうです。

    シズオカ×カンヌウィークに、静岡市美術館もお邪魔させていただくことになりました。
    「世界予告編映画祭」にて、森村泰昌映像作品を特別上映いたします!!
    入場無料ですので、この機会にぜひご覧ください。
    ※静岡市美術館で開催している「ドキュメンタリー上映会」の映像とは別の作品です。

     

    日時:5月25日(金)19:10頃~、5月26日(土)、27日(日)15:20頃~
    会場:青葉シンボルロード メインテント (静岡市美術館から徒歩5分ほどです)
    詳細は、シズオカ×カンヌウィーク2012公式ホームページ(http://www.cannes-shizuoka.jp/)をご覧ください。

     

     

     

    そして昨日は、「森村泰昌モリエンナーレまねぶ美術史」展とシズオカ×カンヌウィークの
    広報活動(チラシ配りなど)のため、アウトソーシングスタジアム日本平に行ってきました。

     

     

     

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    階段の下までたくさんのお客さんが並び、開場を今か今かと待っています。

     

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    開場前、警備員さんの指導を受ける(ふりをしている?)、清水エスパルス・マスコットキャラクターのパルちゃん。

     

     

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    スタジアムの大型ビジョンでは森村展のCM映像も放映!

     

    皆さん、5月25日(金)~26日(日)はシズオカ×カンヌウィークへ!
    そして映画を楽しんだ後は、静岡市美術館へ!
    展覧会「森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史」は6月10日(日)までの開催です。
    ご来館を、お待ちしております。

    (c.o)

     

  • 2012年05月05日 「まねぶこころ」とは? [森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史]

    「森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史」のカタログは、みなさまご覧になりましたか?

     

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    森村さんが高校生の時に描いたデッサンを表紙に使った、印象的な表紙です。

    まるで教科書のようにしっかりしたハードカバーでしつらえてあります。

    キラリとひかる箔押しの文字。

    そして黄色いシールに書かれた「まねて、まなんで、今の私がここにいる。」という、森村さんの言葉。

    もう表紙からグッとくるポイント満載です!

    デザインは「UMA/design farm」の原田祐馬さんです。http://umamu.jp/

     

    あ、先に図録のことを説明してしまいましたが。

    ここで紹介したいのは森村さんが寄せた巻頭テキスト「まねぶこころ」についてです。

    4ページに及ぶテキストのなかで、森村さんは、「まねぶ」という言葉について、そして、美術を志す若い人へのメッセージを語っておられます。

    それはどういうメッセージか?

    じつは、いま「CINRA.NET」さんhttp://www.cinra.net/のなかに、森村展特設ページがありまして。

    そこで森村さんご本人のインタビューとして、詳しく掲載されてるのです!!

    http://www.cinra.net/tu/morimura-shizuoka/

    ぜひご一読を!森村さんが本展に込めた思いが分かります。

    ページを開いた瞬間に、ちょっとした仕掛けもあるので、見てみてくださいね。

     

    あと図録も好評販売中です!

    遠方の方、通信販売も行っております。

    美術館のミュージアムショップまでお問い合わせください。

    静岡市美術館ミュージアムショップ&カフェ 054-260-5531

     

    (R.A)

     

  • 2012年05月04日 HPに森村さん動画をアップしました! [森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史]

    みなさま、ゴールデンウィークは楽しんでらっしゃいますか?

    現在開催中の「森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史」展について、お知らせです。

    当館ホームページのトップ、「EVENT」のページで、森村さんの写真がアップされてるのはお気づきですか?

    じつはコレ、森村さんご本人が、この展覧会を紹介している動画なのです!!

    ページはこちらから→https://shizubi.jp/exhibition/120407_05.php

     

    昨夜の雨も上がり、明日も静岡はいい天気のようです。

    森村さんの紹介を見て、少しでも気になった方、美術館でお待ちしております!

     

    (R.A)

     

  • 2012年04月07日 3/20「春分の日だ!春もようのパンをつくろう」を開催しました。

     

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    3月20日春分の日に、ドミニック・ジュラン静岡駅前店の協力のもと、
    暦とあそぶワークショップvol.1
    「春分の日だ!春もようのパンをつくろう」を開催しました。

    今回作るのは、食べられるパンではなく、飾ることを目的とした”飾りパン”です。

    フランスやドイツには伝統的な飾りパンの文化がありますが、
    日本では飾りパン自体、あまり知られていません。

    今回の講師、ドンクのグランシェフ・江﨑さんは、
    日本における飾りパンの第一人者です。

     

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    今回は、江﨑さんから直接飾りパンづくりを教えていただける貴重な機会。
    また、江﨑さんのほか、5名のパン職人さんが丁寧に作り方を指導してくださいました。

    まず、当日は”春分の日”ということで、
    みなさんに”春”について考えていただきました。

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    春といえば? 春に食べるものは? 春に咲く花は?
    「入学式! 桜! いちご! つくし!」
    思い浮かんだものを、みんなでワークシートに書きこんでいきます。

    次に、開催中の展覧会「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展(3/25終了)をみんなで鑑賞。
    今日は、夢二の作品の中から春のもようを見つけ、それを飾りパンのテーマにします。

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    椿に桜、ふきのとう、いちご、よもぎの葉…
    作品をよーく見てみると、春をイメージさせるモチーフがいっぱい。

    ワークショップ室へ戻り、展示室で見つけた春のもようと、
    ワークシートに書きだしたみなさんの春のイメージを合わせ、
    飾りパンのイメージを絵にします。

    下書きが完成したら、早速飾りパンづくりに入ります。

    まずは伝統的な飾りパンのモチーフ、チューリップ作りに挑戦です。


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    あらかじめご用意いただいた土台と、カラフルな色の生地。

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    江﨑先生の作り方をよーく見て…


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    みんなもさっそくチューリップ作りに挑戦です。

    約1時間で、みなさん素敵なチューリッププレートが完成。

    次に、チューリップ作りで学んだ飾りパンの技術を活かし、
    本番の”春もよう”の飾りパンづくりに入ります。

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    そして…完成した飾りパンがこちら!

    みなさん、はじめてとは思えないほど素晴らしい作品が出来上がりました。


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    最後に…江﨑さんからみなさんにバラの飾りパンのプレゼントが!
    参加者の皆さんのために、丸3日かけて作ってくださったそうです。


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     ワークショップ終了後、みなさんの飾りパンは
    地下1階のドミニック・ジュラン静岡駅前店へ運び、焼き上げた後、
    再びワークショップ室へ移動し、ニスを塗ります。

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    ニスを塗って完成した作品がこちら。

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    作品には夢二作品の中から見つけた春や、
    皆さんの春のイメージのモチーフがいっぱい。

    皆さん、ぜひお家に飾ってくださいね!

    暦とあそぶワークショップは今年度も継続して実施していきます。
    次回をどうぞお楽しみに!

    さて、昨年度は計114回のワークショップを実施し、
    なんと1,193名の方にご参加いただきました!

    今年度もさまざまなワークショップを開催していきますので、
    皆さんHPをこまめにチェックしてくださいね。

    只今参加者募集中のワークショップはこちらです。

    「母の日だ!2世代で贈るプレゼントづくり」

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    (m.y)

     

  • 2012年03月16日 知られざる名コレクション③ 江尻が生んだ平野富山

    「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展前期展示で紹介した中川雄太郎作品と同様に、現在清水文化センターで保管している静岡市所蔵の富山作品と彼自身のコレクションも、旧清水市および遺族の協力なくしては成しえなかった、静岡市にとってかけがえのないコレクションです。

    このコレクションは、旧清水市が遺族より寄贈を受け、以来、毎年清水文化センターで少しずつ公開していましたが、全作品を彼自身が作品制作の参考に蒐集したであろうコレクションとともに展示することは今回が初めてでしょう。

     

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    富山は知る人ぞ知る、彩色木彫の名手。
    彩色木彫とは、木を素材とした彫刻に、日本画で使う胡粉(ごふん)をぬり、その上に色をつけるというもので、日本の伝統的な木彫、例えば木の仏像、あるいは木でできた人形、置物などの彩色は、このような手法で作られているものが多くあります。

     

    明治末期から大正初期にかけて、東京藝術大学の基礎となる東京美術学校を創立した岡倉天心を敬愛し、天心に認められ、写実的な木彫で有名な平櫛田中という日本を代表する木彫家がいます。
    富山は、この田中の木彫の彩色の協力者でもあり、田中の彫刻の殆どの彩色を請け負っていました。
    もちろん自身の彩色木彫作品も制作しています。

    富山は、西欧のロダン風の彫塑(ちょうそ)が全盛だったころ、彩色木彫をより深めるために、彫塑を学び、日展の彫塑作家としても名の知られる存在にまでなりました。
    晩年の作には、日本の伝統的な主題、例えば《羽衣》《鏡獅子》や仏像などの他に、《花ごころ》など、モダンな女性像も制作しています。
    仏像や能に取材した作品の着物の織り目までも描きだした、迫真的な描写力はまさに見事ですが、裸婦像にみる白い肌もまた美しく、まさに彩色木彫の美といえるでしょう。

     

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    この度、当館でこうした優れたコレクションを展示公開することが、雄太郎や富山といった静岡が生んだ作家の再評価につながり、かつ市民の皆様に静岡の生んだ優れた美の遺産を伝えることができれば幸いです。

     

     

    「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展は3月25日(日)までの開催です。
    ご来館、お待ちしております。

     

    (e.y)

     

     

  • 2012年03月16日 知られざる名コレクション② 瀬名の中川雄太郎 

    「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展も、残すところあと10日ほどとなりました。
    この展覧会は、前期・後期で一部の作品が入れ替わっています。
    本展の有料観覧券を持参いただくと、団体料金でご鑑賞いただける”リピーター割引”も実施しています。
    前期展示は観たが、後期は観ていない!という方、もう一度展示を観たい!という方、ぜひご活用ください。

    さて、今回は前期展示で紹介した中川雄太郎(1910~75)のお話を…。

     

     

    「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展では、前期に中川雄太郎、後期には清水・江尻出身の平野富山(1911~89)の特別コーナーを設け、それぞれ雄太郎約60件(含む資料)、富山36点を展示する好機に恵まれました。

    前期展示で紹介した中川雄太郎は、竜爪山の南麓、竜南の里にある瀬名(旧西奈村瀬名)に生まれ、生涯この地で村の人と共に生きた版画家であり、郷土史家であり、教育者でした。
    河童の研究でも知られ、頼まれれば村人たちのために絵を描く、気さくな版画家でした。
    一時期、村の助役をも務め、また若いころから竜南の民俗・伝説に関心をよせ、晩年その成果をまとめた著書を刊行しました。
    作品のテーマも最晩年には再び郷土の伝説、民俗に関するものとなる、まさに「ふるさとの版画家」というにふさわしい生涯でした。
    そんな雄太郎作品を、静岡市美術館は15点所蔵しています。

     

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    雄太郎の郷土愛が静岡人に今も通じているのでしょう、静岡市西奈生涯学習センター(リンク西奈)では、これまでもしばしば雄太郎作品の展覧会が開催されており、本展準備中も、その頃、雄太郎作品に魅せられた方々、ご遺族、町の方々の地道な調査研究と作品保存、蒐集力に多くを助けられました。

    雄太郎の作品は、後期展示でも一部紹介しています。ぜひご覧ください。

     

    (e.y)