• 2012年10月16日 ストラスブール展、準備中!

    朝晩冷えるようになってきましたが、いよいよ「芸術の秋」も本番ですね!

    さて、静岡市美術館の「芸術の秋」は、「フィンランドのくらしとデザイン」に変わりまして、

    「ストラスブール美術館展 モダンアートへの招待」 です(10月27日から開催)。

     

    フランスのアルザス地方の町・ストラスブールの近現代美術館の作品を中心に、

    ロセッティ、ゴーギャン、シスレー、シニャック、ピカソ、マグリットなど、

    どこかで耳にしたことのある西洋美術の巨匠たちが多数展示されますよ~

     

    現在美術館は「ストラスブール美術館展」に向けて、少しずつ準備が始まってます。

     

    エレベーターの扉(B1、1階)はマリメッコから、模様替え。

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    エレベータを降りた、3階のエントランス前もこんな感じに変わりました!

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    両方とも展覧会のポスターデザインがベースになっています。

    展覧会まであと1週間ちょっと。

    前売券も好評発売中です!どうぞお楽しみに!

    (K.O)

  • 2012年10月04日 フィンランドのくらしとデザイン展 2万人、3万人達成! & 講演会のご報告

    「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展の来場者が、
    9月20日(木)に2万人を達成、10月1日(月)には3万人を達成しました!

    開催20日目での2万人達成、31日目での3万人達成は、

    昨年度実施した「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展と並び、最速です!

     

    記念すべき2万人目のお客様は、掛川市よりお越しの菅沼さんご一家!
    子どもの頃、学校で「ムーミン踊り」(?)なるものをした思い出があるというお母様、

    展覧会のお目当てはムーミンとデザインとのこと。

     

    DSC_0007-small.JPGそして、3万人目のお客様は、静岡市内よりお越しの鹿沼さん親子!
    ちょうどこの日はトークフリーデーでした。
    親子で楽しくお話ししながら、ご鑑賞いただけましたでしょうか?

     

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    菅沼さん、鹿沼さんには、当館館長より記念品を贈呈しました。おめでとうございます!

    さて、「フィンランドのくらしとデザイン」展では、関連イベントとして講演会を2本開催いたしました。

     

    開幕初日の9月1日(土)に「アクセリ・ガレン=カレラと民族叙事詩『カレワラ』」を開催。
    フィンランド、エスポーという都市にあるガレン=カレラ美術館のコレクション主任、

    ミンナ・トゥルティアイネン氏を講師に迎えました。

    フィンランドでは、国民的画家として知られているアクセリ・ガレン=カレラ。
    近年、オルセー美術館で大回顧展が開催されるなど、世界的にも再評価が高まっている画家のひとりです。

     

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    民族叙事詩『カレワラ』は、フィンランド文学のうち最も重要なもののひとつとされています。
    ロシアの支配下にあったフィンランド。『カレワラ』を題材に多くの芸術家が音楽や絵画などを制作、

    民族意識を高めたというお話も。
    ガレン=カレラという画家を通して、フィンランドの歴史も垣間見えました。

     

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    本展には出品されていませんが、アフリカ滞在時にはこのような明るい色彩の作品も制作していたそう。
    また、フランス留学している時に触れた浮世絵の影響もあるのではというお話もあり、

    ガレン=カレラが多様な表現を取り入れていたことがわかりました。

     

    展覧会ではガレン=カレラの油彩画、挿絵原画、工芸品など約40点を出品しています。
    ガレン=カレラをはじめとする画家たちの作品を通じて、フィンランドの国について、

    じっくり知っていただく機会になれば幸いです。

     

    また、9月22日(土・祝)には「北欧デザインの中のフィンランド・モダンデザイン」を開催しました。

    「北欧デザイン」研究の第一人者である、島崎信氏(武蔵野美術大学名誉教授・日本フィンランドデザイン協会理事長)を

    講師にご講演いただきました。

     

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    国土の78%が森というフィンランド。
    フィンランドの風土や歴史、文化などからフィンランドデザインが生まれた背景などもお話しいただきました。

     

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    「”使う人の事を考えたデザイン”だから、長い年月がたっても残っている」という

    島崎先生のお言葉、みなさん印象深かったようです。
    また、フィンランドの文化と日本の文化には共通点が多いというお話も。
    お客様からのアンケートには「フィンランドのデザインを見るとなぜかホッとする理由がわかった」という声もありました。

     

    DSC_006444.JPG 「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展は、

    フィンランドのライフスタイルを紹介するこれまでにない大規模な展覧会です。
    会期も残すところ数日となりました…本当にあっという間です。
    この連休は静岡市美術館へ、ぜひお越しください!
    みなさまのご来館をお待ちしています!

     

    (c.o)

     

     

  • 2012年09月18日 フィンランド展 観覧1万人達成!&ヤンネ舘野コンサートのご報告

    9月9日(日)、「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展の観覧者が、

    開幕9日目にして1万人を突破しました!

    1万人目のお客様は、愛知県春日井市からお越しの永井さんご一家!
    フィンランド展のために、遠方からご来館いただきました。ありがとうございます!
    永井さんご一家、実は5人家族だそうで、中学生のお兄さん(お姉さん?)は、おうちでお留守番されていたそうです。

    今度は家族みんなで遊びにいらしてくださいね♪

     

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    エントランスホールに設置されている『森の家』の前で、当館館長より記念品を贈呈。
    おめでとうございます!

    そして同日、ヤンネ舘野トーク&コンサート「フィンランドの響き」を開催しました。
    ヘルシンキ出身のヴァイオリニストのヤンネさん。ピアニストの舘野泉氏を父に、

    ソプラノ歌手のマリア・ホロパイネン氏を母に持ち、まさに二つの祖国「フィンランドと日本」で活躍していらっしゃいます。

     

    今回は、バリトン歌手の井上雅人さん、ピアニストの水月恵美子さんが共演。
    フィンランドの作曲家による作品や、フィンランド歌曲を中心に演奏いただきました。

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    ヤンネさんのヴァイオリンは、優しく流れる風のよう。お人柄をそのまま表しているようです。

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    ぬくもりのある井上さんの歌声が、会場いっぱいに(お腹にも!)響きます。

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    水月さんの軽やかなピアノの音色。「フィンランドの川の流れを感じました」というお客さんの感想も納得です。

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    演奏の合間には、フィンランドのお話もたくさん。
    フィンランド滞在時の体験談や、フィンランド語と日本語のちょっと変わった共通点など、ユニークなお話ばかりでした。

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    アンコールは、お三方一緒に。

    会場はお客様の大きな拍手に包まれました。
    たくさんのご来場、ありがとうございました!

    おまけ。
    終演後のお三方。ロゴマークを使って、こんなに楽しい写真がとれるなんて!

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    (c.o)

  • 2012年09月15日 フィンランドの伝統装飾 ヒンメリをつくりました!

    「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展がスタートしてから、
    ちょうど1週間目の9月8日、展覧会関連イベントとして、
    ワークショップ「フィンランドの伝統装飾 ヒンメリをつくろう!」を開催しました。

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    ヒンメリとは、麦わらにひもを通してつくる、正八面体を基本としたモビールで、
    フィンランドの伝統装飾です。

    今回、このヒンメリの作り方を教えてくれるのは、
    造形作家のおおくぼともこさんです。

    おおくぼさんは、麦わら細工に興味を持ち、調べていたとき、
    今までに見たこともない、美しいモビール…ヒンメリに出会ったそうです。

    制作に入る前に、ヒンメリについてのおはなしを
    たっぷり聞かせていただきました。

    こちらは、おおくぼさんの著書『ヒンメリ―フィンランドの伝統装飾』。
    美しいヒンメリがたくさん載っています!

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    ヒンメリの基本は正八面体ですが、
    大きさやつなぎ方、数を変えることで、
    さまざまなバリエーションが生まれます。

    子どもたちも興味津々!

    次に、ヒンメリの材料、麦わらのおはなし。
    なんと、おおくぼさんが育てた麦を持ってきてくださいました!

     

     
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    そして、ヒンメリが生まれた、フィンランドのおはなし。

    紙の地球儀で、みんなでフィンランドを探します。

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    フィンランド、実は日本にいちばん近いヨーロッパなんですよ!

    今日使う麦わらがこちら。

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    ワークショップの始まる少し前に、水に浸しておきました。
    こうすることで、麦わらを切るとき、割れにくくなるそう。
     

    これを、同じ長さに切りそろえて…

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    ひもを通していきます。

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    みんな真剣…!

     

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    完成したら、この小さな正八面体を、おおくぼさんがつなげていきます。

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    少しずつ…

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    少しずつ…

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    大きくなっていきます!!

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    参加者のみんなは、次に大きな正八面体づくりに挑戦です。

     

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    大きな正八面体の中に、小さな正八面体を入れてつなげると…

    こんなにすてきなモビールが完成!

     

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    こちらは参加者のお持ち帰り用です。

    そしてこちらが…

    参加者みんなでつくった正八面体を、
    おおくぼさんがつなげて完成した、大きなヒンメリ!

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    この、みんなでつくったヒンメリは、
    美術館エントランスホールの「森の家」の中に展示しています!

     

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    「森の家」の中に入ると…

    きれいなヒンメリが皆さんをお出迎え!

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    ぜひ近くでご覧ください。

     

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    「森の家」はエントランスホールにありますので、
    開館時間中であれば、いつでも、どなたでも、無料で、観覧できます!

    「もう展覧会は観たよ!」と言う方も、ぜひぜひ足を運んでくださいね。

    (m.y)

  • 2012年09月08日 「フィンランドのくらしとデザイン」展 毎週月曜日はトークフリーデー!!

    「フィンランドのくらしとデザイン―ムーミンが住む森の生活」展、開幕から早くも1週間が経ちました。
    連日、たくさんのお客様にご来館いただき、とてもうれしく思います!

     

    さて、先日ツイッターでもつぶやきましたが、展覧会では、脇坂克二の子どものための「ブブー」シリーズを展示しています。
    車のイラストのコップやお皿、大きい生地などを明るい展示室で見ていると、とても元気な気持ちになります。

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    このデザインは、小風さち作の絵本「ブーブーブー」でもおなじみです。
    静岡市には、ブックスタートという生後6か月の赤ちゃんに絵本をプレゼントする事業がありますが、絵本「ブーブーブー」は、このブックスタートで長い間、親しまれています。
    お父さんやお母さん、ちびっこたちをはじめ、絵本を手に取ったことのある方は「こんなところに!!」と感じるかもしれませんね♪

    「フィンランドのくらしとデザイン」展、ご家族で来館されるお客様も、たくさんいらっしゃいます。
    そこで、当館では、毎週月曜日に「トークフリーデー」を実施しています!
    小さいお子様連れのお客様や、お友達とご来館される方など、会話を楽しみながら気軽に作品を鑑賞していただければ幸いです。

    最後に・・・
    “まだ間に合う!”申込受付中のイベントのご案内です。詳細は各イベントページをご覧ください。

    ShizubiシネマアワーVol.5「フィンランドを楽しむ映画」『かもめ食堂』

    9月16日(日)15:00~(14:30会場)
    映画はたくさんの人と一緒に楽しみたい!という方におすすめ。
    当館受付にて、チケット好評販売中です。

    「しずびチビッこプログラム」
    9月29日(土)①10:30~12:00 ②14:00~15:30
    2歳以上の未就学児を対象とした、小さな子ども達のためのアート体験プログラム。
    お子様をお預かりする間、保護者の方は展覧会をお楽しみください。

     

    (c.o)

  • 2012年08月17日 “京・冷泉家と徳川家のコラボレーション”

    冷泉家の乞巧奠(星祭り)は、毎年旧暦の七月七日に行われます。
    これは年に一夜の星の逢瀬(おうせ)を祝し、かつ技の巧みな星に自らの技を手向けて上達を祈る、というものだそうです。和歌の宗家である冷泉家では、七夕の日の夕方、二星にむかって雅楽を奏し、和歌を手向け、兼題を披講(ひこう/声に出して詠む)し、次に「流れの座」となり、白布を天の川に見立て、男女が相対し、歌を詠みかわして贈答するそうです。

     

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    本展で展示している乞巧奠の祭壇 星の座は、織姫と彦星に手向けられた、お供物といっていいでしょう。
    角盥(つのだらい)には梶(かじ)の葉を浮かべ、九本の灯台に明かりをともし、海の幸、山の幸を各九種、秋の七草、五色の絹・糸、そして雅楽の楽器(琴と琵琶)を飾る。

    この雅楽の楽器、本展では静岡浅間神社の御好意で、江戸幕府十五代将軍・徳川慶喜の父、徳川斉昭が自ら作り愛用したと伝えられる琵琶を二星に手向けています。
    この琵琶は、雅楽の家である東儀家が、安政三年に斉昭より賜り、大正十三年に東儀家より静岡浅間神社へ奉納されたもの。

     

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    平安時代以来、宮中の年中行事として伝えられた乞巧奠の形を、ほぼそのまま守り伝える冷泉家の星の座もなかなか目にする機会はありませんが、冷泉家の星の座と斉昭の琵琶が一緒に展示されることは、今後、おそらくないでしょう。
    冷泉家も、静岡ならではのこの趣向を大いに喜んで下さり今回実現しました!

     

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    因みに徳川将軍家には中華文人の書斎を飾る文具が「七夕飾文具」として伝来しています。幕末から明治期には既に、乞巧奠は主に女性の裁縫や書道の上達を祈るものとして浸透していましたが、高貴な男性の詩文書画の上達を祈り、七夕飾りに文房四宝が選ばれていたとすれば、これまた興味深いことですね。

     

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      本展では第十四代将軍家茂の所用品でガラス製の異国趣味の文具と、徳川宗家第十六代を継ぎ、初代静岡藩知事となった家達(いえさと)の文人好みの四君子(蘭竹梅菊)の意匠で統一された七夕飾文具を展示しています。

      公家社会で伝えられてきた七夕の行事も、江戸時代には五節句の一つとしてどちらかといえば女子の行事としての色が強かったようにも思いますが、静岡や徳川家とのかかわりの中で、本展では意外な展開を見ることができました。
    年に一夜の星の逢瀬(おうせ)どころか、もう二度とない、取り合わせでしょう。

      本展も残り2日となりました。この機会をぜひお見逃しなく!

                                                                                                                                 (e.y.)

     

  • 2012年08月15日 「夏の星空を観察しよう」7月29日実施

     

     今回の講座は、静岡市美術館の「七夕の美術」の美術館学芸員によるギャラリートークで、美術作品から七夕の歴史を学び、美術展の中での静岡科学館スタッフによる「宇宙散歩」で天文学から見た七夕を学び、そして最後に市内小・中・高の教員ボランティアによる「観望会」で実際の星空を観察するという盛りだくさんの内容でした。
     
     1週間ずっと曇天がつづくという、天文担当のスタッフを悩ませる中でスタートした講座でしたが、美術館の作品解説が始まると、参加者は伝統的な七夕の様子や、生き生きと描かれる七夕と人々のかかわりかたに、興味津々の様子でした。

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     日詰明男氏と市民のコラボレーション作品「羽衣天の川」が出迎える。

     

     

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    学芸員の解説に、大人も子どもも納得。

     

     

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     静岡科学館スタッフによる「宇宙散歩」では、夏にみられる星座の紹介や、七夕の主役、織女星(ベガ)と牽牛星(アルタイル)や、その間に横たわる天の川の正体など、星々を宇宙からのぞいてみるプログラムに、参加者からは驚きの声が上がっていました。

     

     会場を近隣の小学校(静岡市立森下小学校)の校庭に移し、最後の観望会です。天頂の星がかろうじて見える状態で惑星を観察することはできませんでしたが、月やこと座のベガとその周辺の星、うしかい座のアルクトゥルスなどを観察することができました。実際に自分の目で星を見るということは、参加した子どもたちにとって新鮮であり、講師と星について語ることで、星や宇宙への興味を膨らめていました。

     今回の講座で感じたことは、星に思いをはせながら眺めることで、子どもたちは闇と星から創造力を膨らませ、大人は癒しを得られます。特別な道具がなくても、まずは星を見上げることから始めてみよう、ということでした。

     

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    観望会ではフラッシュがたけません。すべてこんな写真でした。

     

     さて、「七夕の美術」最終日の7月19日(日)には、「展示場で宇宙散歩」を行います。 

     宇宙散歩では、国立天文台が制作した宇宙の映像を迫力ある大画面に映し出し、太陽系から宇宙の果てまで静岡科学館スタッフがご案内していきます。天文学から見た七夕をはじめとして、途中クイズも交えながら基本情報から最新の宇宙情報まで映像を使ってご紹介します。

     
     前回行った際には、大人から子どもまで様々な質問も飛び出してアットホームな形で進めることができました。七夕の話をはじめ、宇宙のことを聞いてみたいという方も是非足を運んでみてください。

     

    静岡科学館 池田博史

     

     

     

     

     

  • 2012年08月14日 「しずびチビッこプログラム」、展覧会ごとに開催しております!

     昨年度より、毎回多くのお申込みを頂いている「しずびチビッこプログラム」。2歳以上の未就学児を対象とした、開催中の展覧会に関連したアートプログラムで、保護者の方には展覧会をゆっくりご鑑賞頂きます。 

     それではさっそく、5/26(土)、6/30(土)に行ったチビッこプログラムの模様をご紹介したいと思います!
     
     

    まずは、5/26(土)に行った「森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史」展の「しずびチビッこプログラム」から。
     
     プログラム恒例、ニョロクッションをつなげてあそんだ後に…

     
     

     子ども達と一緒に、森村さんが描いた絵を鑑賞します。 

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     「なにがみえるかな?」という問いかけに、子ども達は次々に形を発見!
     「ひとがいるよ!」「家がある!」「お月さまがでているよ!」

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     抽象的な作品の中から、さまざまなものが見えてきます。
     「どんな形がみえてくる?」
     「まるとか、さんかくとか、しかくがあるよ!」

     

     そうです、今回のテーマは「○△□をつかって絵を描こう!」というもの。
     みんなで鑑賞した、森村さんの絵がヒントになっています。
     
     まずは、大きさ、色が様々な○△□のかたちの紙のパズルで作品づくり。

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     「これロケットだよ!」「でんしゃだよ!」「きんぎょさん!」

     

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     普段から積み木や絵本で○△□のかたちに親しんでいる子ども達にとってはお手のもの。
    すいすいとつくっていきます。
     

     できあがった作品は「ラミネート屋さん」がラミネートをかけてくれます。
    子ども達に大好評でした。 

     

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     次はいよいよ○△□をつかって絵を描いていきます!
    使うものは、○△□のかたちにくり抜いた型枠と…

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     お手製タンポとアクリル絵の具。

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     好きな色の絵の具をタンポにつけたら、型枠を紙にあてて、力をこめてポンポン、グリグリ。
    続いて、別の色をタンポにつけて、もう一度紙に押し付けると…
    色と色が重なりあって、思わぬ仕上がりになります!

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     お気に入りの色を何度も何度もつけて出来上がりを楽しむ子、

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     お母さんの顔を描いた子もいました!

     

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     アクリル絵の具は速乾性があるため、何層にも重ねた分だけ、深い色味に仕上がっていきます。

     

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     押した後の型枠もなんだか誇らしげ。

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     ○△□のかたちを組み合わせる楽しさ、アクリル絵の具の面白さを体験した子ども達でした。

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     続きまして、6/30(土)に開催した、「七夕の美術―日本近世・近代の美術に見る」展 のしずびチビッこプログラムの様子をご紹介します。
     
     
     ちょうど時期も七夕前ということで、今回はしずびオリジナルの短冊づくりに挑戦しました!
     
     まずは、展覧会出品作品を鑑賞。
    昔の七夕の風景や、現代にはない昔の七夕飾りを一緒に見ていきます。
     
     象徴的なものは、「梶の葉」。
    梶の木が和紙の原料だったことから、お習字の上達を願って飾られたそうです。
    昔は、この梶の葉に五・七・五・七・七の歌を書いたことを伝えると、子ども達もびっくり。
    “かじのは”という言葉も気に入ったようです。 

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     今回は、この梶の葉と、五色の紙をあしらった短冊づくりを行います。
     
     まずは大きめにカットした短冊を水にひたして、

     

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    続いて、5色の水彩絵の具から好きな色を選んで、紙に染み込ませていきます。

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     水で濡らしているので、絵の具はどんどん広がっていきます。
    次に、違う色を染み込ませると色と色が混ざり合って思わぬ仕上がりになります。

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     さっそく子ども達も短冊を水にひたし、思い思いに色をしみこませていきます。

     

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     どんどん変化していく色に、子どもたちは夢中!
    丈夫な不織布を用意したので、どれだけ色を重ねてもびくともしません。

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    子ども達の作品を吊り下げた様子は壮観です!
    色鮮やかで、どれ一つとして、同じものはありません。

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    子ども達もダイナミックに筆を動かし、本当に楽しそう。
    スタッフも、これまでにない大胆な表現が見られ、大興奮でした!

     

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    短冊が乾くのを待つあいだ、、、
    展覧会出品作の目玉である、もう一つの七夕の物語といわれる絵巻物《天稚彦物語》を紙芝居風にして、子ども達に読み聞かせました。

     

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    みんなが知っている彦星と織姫が出てくる七夕のお話とは違い、大蛇や鬼が出てきたりと、ちょっとこわーい場面も。子ども達の表情は真剣そのものでした。

     

     

    最後の仕上げに移ります。
    あらかじめ用意しておいた梶の葉と五色の紙飾りを、穴をあけた短冊にこよりに通してくくりつけていきます。スタッフに手伝ってもらいながら、一生懸命つけます。
    自分でやれたことが、うれしい子ども達です。

     

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    そして、もう一度、ヒモに吊るして、お父さん、お母さんをお出迎え。
    きれいだねー、すてきだねー、と歓声があがりました。

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    旧七夕ももうすぐですね。
    さて、七夕の美術展も、残すところあと1週間となりました!まだご覧になっていない方はぜひ、静岡市美術館までお越しください! (s.m)

     

  • 2012年08月10日 8/26(日) P・バラカン×B・オズボーントークイベント 当日の内容を少しだけ紹介!

    ブロードキャスターとして活躍中のピーター・バラカン氏を案内役に迎え、
    美術や音楽の基底にある、人が「アートする」という行為はどのようなものか?
    毎回様々なジャンルをとおして考える本イベント。


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    第6回目は「音楽と写真」をテーマに、8/26(日)13:00~開催します。

     

    今回のゲストは、当館多目的室にて「親子写真展」を開催中の
    写真家、ブルース・オズボーンさんです。

     

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    (c) Bruce Osborn / ozone inc.

    レコードやCDに欠かせないそのアートワーク。

    今回はお二人に、レコードジャケットや、その写真にまつわるエピソードなどを、
    音楽とともにご紹介いただきます。

    iPod等のデジタル音楽プレイヤーの普及とともに、
    CDやレコードジャケットを手にする機会が減った方も多いと思います。

    また、テレビ等のメディアが今よりも発達していなかった時代、
    1つの曲にまつわる視覚的イメージは、今よりもずっと限られていたのではないでしょうか。

    コンサート等で生演奏に触れる機会も少なかったこの時代、
    レコードのアートワークが唯一の、 ミュージシャンや曲から連想できるイメージだった
    と言ってもいいのかもしれません。

    オズボーンさんは、アメリカ、日本で数々のミュージシャンのアーティスト写真を
    手がけてこられました。

    1970年代半ばより、全米に配布されていた音楽情報誌
    『Phonograph Record Magazine』にてカメラマンの仕事をスタート。

    ローリング・ストーンズのロン・ウッド、エタ・ジェイムズ、ウォーレン・ジヴォン、アバ、
    エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)などの写真を新たな視点から撮り下ろし、
    注目を集めました。

    日々音楽を紹介する側にいるピーターさんと、
    その音楽のアートワークを撮り続けてきたブルースさん。

    一体どんなレコードを紹介いただけるのか、とても楽しみですね!

    また、ビートルズなど伝説のアーティストが生まれた60年代ロンドンで生まれ育ったピーターさん。
    同時期の、カウンターカルチャーまっただ中のアメリカ西海岸で青春期を迎えたブルースさん。

    音楽や文化にとって濃密な時間が流れたこの60年代に、
    お二人は何を聴き、何を想ったのでしょうか。

    音楽だけでなく、それにまつわるアートワークについても語る、なんとも贅沢なイベントです!

    実は・・・お二人に、当日紹介するレコードを1枚だけ、教えていただきました!

    まずはピーターさんが選んだ一枚はこちら。

    theband.jpg

     

    「このアルバムに収録されている音楽を、この写真は完璧に表しています。」 

    ― ピーター・バラカン

    言わずとしれたTHE BANDの最高傑作「THE BAND」。
    俗に「ブラウンアルバム」と呼ばれていますね。

    ピーターさんのコメント、
    端的に、的確に、このレコードの音とイメージについて言い当てておられてますね!

    若いのにそのすべてが渋すぎる!
    そして、古い音楽の伝統を新しく解釈した音、というところでしょうか。

    当日はどの曲をご紹介いただけるのかも楽しみですね。

    次はブルースさんの選んだ一枚はこちら!

     

    boz1.jpg

    boz2.jpg

    「1976年にリリースされたBoz Scaggsのアルバム「Silk Degrees」は、そのジャケット共々、
    その後のミュージックシーンに大きな影響を及ぼしました。
    このアルバムの写真を撮ったのはMoshe Brakhaです。
    彼のファッション写真的な技法と、情熱的な表現は、とっても魅惑的で神秘的で、
    Mosheイメージによって、Scaggsの音楽が、さらに高い評価を得られたと思います。
    このレコードの写真でグラミー賞をとった時、
    MosheはArt Center College of Designを卒業して間もなくの頃で、
    その後も音楽業界への偉業を数々残しました。」

    ― ブルース・オズボーン

    Boz Scaggsの出世作。こちらも名盤中の名盤ですね。
    Boz Scaggsは、「Silk Degrees」で今までのサウンドをより洗練させ、
    アルバム・ジャケットのイメージも一新。
    その後AOR(Adult-Oriented Rock)という新たなジャンルを切り開き、
    流行の先端をいくミュージシャンになりましたね。

    当日はもちろんこのほかにもたくさんのレコードをご紹介いただきます!

    なお、当日は「ブルース・オズボーン 親子写真展~未来の私たちへの贈り物~」最終日!
    氏のライフワークである親子写真についてもお話しいただきます。

    ※本イベント開催のため、8 月26 日(日)は16 時まで写真展をご覧いただくことができません。
    予めご了承ください。

    pr_b.jpg

    本イベントの詳細、お申込みはこちら

    申込締切日は8/14(火)です!

    この機会をお見逃しなく!!!

    (m.y)

  • 2012年08月08日 もう一つの七夕

     

    昨日は8月7日、月遅れの七夕、今年、平成24年はこの日が立秋でした。

    なるほど、今朝の静岡はいつもより涼しくて
    秋きぬと 目にはさやかにみえねども 風の音にぞ おどろかれぬる でした。

    七夕の美術展も残すところあと2週間、まさに大詰めです。

     

    8月6日の静岡新聞に、日詰明男さんの記事が掲載されました。

    このブログでも紹介しましたが、七夕展の関連展示として葵タワー1階エントランスにフィボナッチタワーを、そして3階の美術館エントランスに羽衣天の川を、市民の皆さんと一緒につくってくださった、アーティストです。

    今回、日詰さんに、葵タワー1階(地上界)エントランスに、展示室のある3階・美術館(天上界)まで届くような竹のタワーの制作を、そして美術館のある3階(天上界)に羽衣天の川の制作を依頼したのは、本展の見どころの一つでもある、「天稚彦の物語」のようなことを、現代作家と一緒にしてみたかったからです。

    この天稚彦の話は、ぜひみなさんに楽しんでいただきたい、知っていただきたい、もう一つの七夕ともいうべき、とってもユニークな七夕のお話です。

    本展では、とにかくいつ来ても、通してお話がわかるように、こんなふうに展示しました。

     

     

    ame 後期会場2 021.jpg

    このお話、とっても面白いのです!

    皆さんは、織姫と彦星の七夕の話は、小さい頃からよくご存知だと思います。

    織姫と彦星のお話は中国からやってきたものですが、この天稚彦の話は、日本独自の物語!

    しかも、天稚彦は天から地上に降りてきて、姫に構わず勝手に天に帰ってしまうし。
    姫は天稚彦に会いたくて、自力で、まるでジャックと豆の木みたいにして天に昇るし。

    七夕之本地 上巻 23/23-.jpg

    安城市歴史博物館本

     

    天にいけば、箒をもった箒星や、昴に出会うし。
    しかも昴(すばる/プレアデス)はセブンシスターズ(seven sisters)で描かれていてかわいいし。

     

    七夕之本地 下巻 3/24.jpg

    安城市歴史博物館本

     

    それから天の川は、西洋ではミルキーウェイだけれど、この話では、天稚彦のお父さん(鬼)が投げた”瓜”が割れて誕生したり、姫の涙でできたり、、

     

     

    amanogawa 七夕絵26.jpg

    専修大学図書館本

     

    そういえば、冷泉家の乞巧奠 星の座で、織姫と彦星に捧げられたお供物、海の幸山の幸には、瓜がお供えしてありましたね

    reizeiburogu後期会場2 026.jpg

    うりなすび ももなし からのさかづきに ささげらんかず むしあわびたい(瓜茄 桃梨 空の杯 ささげ 蘭花豆 蒸鰒 鯛)

     

    buriguDSC_0026.JPG

     

    「天稚彦の物語」に冷泉家の「乞巧奠 星の座」

    ぜひご来館になってご覧ください!
    統計をとってはいませんが、来館者アンケートやギャラリートークをしたときのお客様の反応から察するに、大変人気です!!

    遠方の方は図録でお楽しみください
    今回、サントリー美術館本、専修大学図書館本、安城市歴史博物館本、の図様を比較できるようにして図版を掲載しました。
    お陰さまで、売れ行きがよく、売り切れ御免!という状況です
    お早めに!

    (e.y.)